10月の読書メーター
読んだ本の数:11
読んだページ数:4608
ナイス数:145
荒神 (新潮文庫)の感想
裏表紙の梗概に「宮部みゆき時代小説の到達点」ってあって、まぁ正直、到達点って「え、ソッチい!?」って感じではあるw 宮部時代劇いくつか読んだ中で、これはある種の突端ではあるとは思うけど、ソッチに行かんでもええやろwって。変調百物語にも似たようなのあったからこの流れからソコに行ったのは分かる。期待外れではなかったけど、肩透かし喰らった感は否めないかなぁw 面白くないワケじゃないし、キャラの動きなんかは宮部節はフツーにあったけど、コレを求めてたワケじゃなかったんだよねぇって。
読了日:10月01日 著者:宮部 みゆき
孤宿の人(上) (新潮文庫)の感想
将軍家斉の御代に讃岐丸海に配流される幕府元高官。モデルはあのクソヤロウと知れるw とはいえ、どうも鳥居とはキャラも罪状もそも設定が大分違うんで色々足してんなと思うが、呪いを連れて来るその流人よりも、その地に生きる人々の日常が、それによって起こるいくつかの事件によって、徐々に脅かされつつある、そんな感じ? 現時点では、まぁこういつものキングっぽい日常が侵食される状況を群像劇っぽく語る感じよね。阿呆といわれつつけなげに生きる小女のほう、融通の利かない勝気な引手の宇佐、の二人がメイン。
読了日:10月03日 著者:宮部 みゆき
孤宿の人(下) (新潮文庫)の感想
意外!それは政の権と謀!いやー、ホラーでもファンタジーでもなかったね!政治劇を上つ方やそれに関連する周囲の人々でなく、翻弄される下々民の目線から描いた作品だった。そう来たかって感じ。どっちかいうたら、こっちの方が「宮部みゆき時代小説の到達点」ではあるまいか。まぁでも予想通り、荒神と同じで死の中に救いがあったキャラもいたけど、まぁまぁ不幸なまま消えてくキャラ多かったね。政ってのはそういうもんよな。渡部なんかはその道しかなかったのか?とか、和尚の言う愚か者ではあったし、自棄な投げやりだけど、これは救いよね。
読了日:10月04日 著者:宮部 みゆき
ばんば憑き の感想
「本所深川ふしぎ草紙」「堪忍箱」あたりからまっすぐ変調百物語に繋がる系。まぁ掲載誌考えたら「あやし」の短編を中編にした感じという感じか。三島屋のおちかも小旦那も出て来ないけどほぼほぼ昔話という感じw まぁ。ホラーというかファンタジーというか人情噺の宮部時代劇。百物語登場以前の騙り坊主と手習いの若先生の前日譚「討債鬼」とか、ぼんくらの政五郎とおでこの出て来る「お文の影」あってファンには嬉しいエピソードもあって、そういうのを知ったからちょっと外伝みたいで楽しみだったんだけど、「お文の影」はシンドかった。うん。
読了日:10月16日 著者:宮部 みゆき
夜鳴きめし屋 (光文社時代小説文庫)の感想
若干モヤる部分があるのは宇江佐さんなのでそこはもう仕方ないのかw 伊佐治のかみさんと一緒で深川あたりの芸者ってのは気が強いもんなのかw 雨降って地固まる話で読後感はよかったんだけど、ほぼほぼ独立した一冊であったんだけど、世界観的には前の「ひょうたん」読んでからの方がよかったのか。まぁ世代が完全に交代してるんで問題はなさそうだけど、前作の主人公が死んだ後となると、「ひょうたん」から入ると若干しんみり度が高いのかも。卵のふわふわよりもモヤりは少ないから、大分読みやすかったかな。ま、ひょうたんも読む。
読了日:10月16日 著者:宇江佐 真理
この世の春 上の感想
方向は「荒神」「孤宿の人」と同じ。某藩の藩主交代に関わる謎とそれに巻き込まれた人々って感じなのかな。乱心による押し込め隠居になった若き元藩主と、失脚したその藩主の佞臣というスタートから、スーパーナチュラルはない系かと思ったら、実は藩主は悪霊に憑つかれていた→佞臣の出身村の一村皆殺しの根切りの謎→実は藩主の多重人格症→風化しつつあった過去の連続男児神隠し事件→元藩主の隠居先の湖底から見つかる子供の朽ちた頭蓋骨→やっぱり藩主の先祖に起因する怨霊の祟り?と、徐々にスーパーナチュラル寄りに。それはいいんだけど、
読了日:10月18日 著者:宮部 みゆき
この世の春(中) (新潮文庫)の感想
単行本がなかったんでこっから途中だけど文庫に移動w 死霊憑きでなく多重人格障害でほぼ決定。謎がその方向で安定してくると徐々に解けてきてるのはいいんだけど、どうも藩ぐるみとかそういう感じではないような、とはいえ、ビリーミリガンはともかく、そこはかとなくスーパーナチュラル感は拭いきれない感じで、前も思ったけど、今回も急に中国人が出て来たらノックス的にはアウトだろうよwなど思う。さてラスボスはどうなんのかなーってのと、細かい謎の補完とキャラのドラマも詰めに入りつつなところか。面倒臭そうなキャラのこの処分法はw
読了日:10月19日 著者:宮部 みゆき
この世の春(下) (新潮文庫)の感想
んー、フラグ立たずにハッピーエンドはまぁいいんだけど、中国人に悪なる象徴の全てをぶっ込み過ぎなんじゃ?ってのはあったかなぁ。実質前巻で済んじゃってるじゃんてのはどうなのか。フツーに考えたら、新九郎的な恨みが高じて九蛇になるってのが分かり易いんよね。暗殺者のはずが勝手に激高して色々変態的な復讐しましたってのはちょっとん~?だよな。その辺もう少し動機付けは欲しかった。しかし、宮部さんは、雷大好きだな。グランドラインかw
読了日:10月20日 著者:宮部 みゆき
嶽神伝 風花 (上) (講談社文庫)の感想
このシリーズは先に進むほどに、伝奇っぽさがなくなって、主人公の話というよりも、歴史の中での対照的な山の民と里者との生き方って要素が強くなってって、さすがに4作目だとあんまし無坂が主人公って感じではないのよね。まぁこう、最初の忍者軍団と戦う壮年の主人公ではなく、まだまだ若いものには負けんけどもうお爺ちゃんwだからってのはあるんだけど、ドラマの熱に熱さはあまり感じない。武田と上杉の世代交代と滅びの予感、台頭する織田と徳川、虎視する北条といった時代の流れ。山の者としての月草の死。
読了日:10月25日 著者:長谷川 卓
嶽神伝 風花 (下) (講談社文庫)の感想
面白かったんだけど、若干散漫な印象。無坂が死ぬ話なのは分かってたんだけど、まぁこう流れ的に畳の上では死ねない(山の民は畳使わないけどw)よなぁとは思ってたけど、やっぱりか。本来的な山の民の死としては、上巻での月草やこの巻だとヒミのおばばなんだけど、それと対照的であり、正反対であるはずのその生き様が、多分この時代の戦国の甲斐の、山の民の在り方の象徴にもなってて、その意味でお婆が太鼓判推した「嶽神」無坂ってことなのかな。二つの姿も何となくダブルイメージにはなってる。
読了日:10月28日 著者:長谷川 卓
闇の華たち (文春文庫)の感想
短編。乙川さんのは初めてか。タイトル的には何かこうピカレスクロマンとか思ったんだけど全然違えw 今は人生の暗がりや、影が差し込んだ状態だけどそこから明るみに出つつあるヒロインたち、って意味合いだったみたい。話もまぁそんな感じ。それぞれの話の主人公が女ってワケではないけど、話の進みや展開がヒロインの状態を表してるのか。とはいえ、うん、地味な話だった。地味で陰鬱な感じ、ラストに救いがあったりその兆しがある感じなんで読後感は悪くないんだけど、これは、うん、関川さんの解説の先入観もあるんじゃね?とか思ったw
読了日:10月30日 著者:乙川 優三郎
読書メーター
読んだ本の数:11
読んだページ数:4608
ナイス数:145
荒神 (新潮文庫)の感想
裏表紙の梗概に「宮部みゆき時代小説の到達点」ってあって、まぁ正直、到達点って「え、ソッチい!?」って感じではあるw 宮部時代劇いくつか読んだ中で、これはある種の突端ではあるとは思うけど、ソッチに行かんでもええやろwって。変調百物語にも似たようなのあったからこの流れからソコに行ったのは分かる。期待外れではなかったけど、肩透かし喰らった感は否めないかなぁw 面白くないワケじゃないし、キャラの動きなんかは宮部節はフツーにあったけど、コレを求めてたワケじゃなかったんだよねぇって。
読了日:10月01日 著者:宮部 みゆき
孤宿の人(上) (新潮文庫)の感想
将軍家斉の御代に讃岐丸海に配流される幕府元高官。モデルはあのクソヤロウと知れるw とはいえ、どうも鳥居とはキャラも罪状もそも設定が大分違うんで色々足してんなと思うが、呪いを連れて来るその流人よりも、その地に生きる人々の日常が、それによって起こるいくつかの事件によって、徐々に脅かされつつある、そんな感じ? 現時点では、まぁこういつものキングっぽい日常が侵食される状況を群像劇っぽく語る感じよね。阿呆といわれつつけなげに生きる小女のほう、融通の利かない勝気な引手の宇佐、の二人がメイン。
読了日:10月03日 著者:宮部 みゆき
孤宿の人(下) (新潮文庫)の感想
意外!それは政の権と謀!いやー、ホラーでもファンタジーでもなかったね!政治劇を上つ方やそれに関連する周囲の人々でなく、翻弄される下々民の目線から描いた作品だった。そう来たかって感じ。どっちかいうたら、こっちの方が「宮部みゆき時代小説の到達点」ではあるまいか。まぁでも予想通り、荒神と同じで死の中に救いがあったキャラもいたけど、まぁまぁ不幸なまま消えてくキャラ多かったね。政ってのはそういうもんよな。渡部なんかはその道しかなかったのか?とか、和尚の言う愚か者ではあったし、自棄な投げやりだけど、これは救いよね。
読了日:10月04日 著者:宮部 みゆき
ばんば憑き の感想
「本所深川ふしぎ草紙」「堪忍箱」あたりからまっすぐ変調百物語に繋がる系。まぁ掲載誌考えたら「あやし」の短編を中編にした感じという感じか。三島屋のおちかも小旦那も出て来ないけどほぼほぼ昔話という感じw まぁ。ホラーというかファンタジーというか人情噺の宮部時代劇。百物語登場以前の騙り坊主と手習いの若先生の前日譚「討債鬼」とか、ぼんくらの政五郎とおでこの出て来る「お文の影」あってファンには嬉しいエピソードもあって、そういうのを知ったからちょっと外伝みたいで楽しみだったんだけど、「お文の影」はシンドかった。うん。
読了日:10月16日 著者:宮部 みゆき
夜鳴きめし屋 (光文社時代小説文庫)の感想
若干モヤる部分があるのは宇江佐さんなのでそこはもう仕方ないのかw 伊佐治のかみさんと一緒で深川あたりの芸者ってのは気が強いもんなのかw 雨降って地固まる話で読後感はよかったんだけど、ほぼほぼ独立した一冊であったんだけど、世界観的には前の「ひょうたん」読んでからの方がよかったのか。まぁ世代が完全に交代してるんで問題はなさそうだけど、前作の主人公が死んだ後となると、「ひょうたん」から入ると若干しんみり度が高いのかも。卵のふわふわよりもモヤりは少ないから、大分読みやすかったかな。ま、ひょうたんも読む。
読了日:10月16日 著者:宇江佐 真理
この世の春 上の感想
方向は「荒神」「孤宿の人」と同じ。某藩の藩主交代に関わる謎とそれに巻き込まれた人々って感じなのかな。乱心による押し込め隠居になった若き元藩主と、失脚したその藩主の佞臣というスタートから、スーパーナチュラルはない系かと思ったら、実は藩主は悪霊に憑つかれていた→佞臣の出身村の一村皆殺しの根切りの謎→実は藩主の多重人格症→風化しつつあった過去の連続男児神隠し事件→元藩主の隠居先の湖底から見つかる子供の朽ちた頭蓋骨→やっぱり藩主の先祖に起因する怨霊の祟り?と、徐々にスーパーナチュラル寄りに。それはいいんだけど、
読了日:10月18日 著者:宮部 みゆき
この世の春(中) (新潮文庫)の感想
単行本がなかったんでこっから途中だけど文庫に移動w 死霊憑きでなく多重人格障害でほぼ決定。謎がその方向で安定してくると徐々に解けてきてるのはいいんだけど、どうも藩ぐるみとかそういう感じではないような、とはいえ、ビリーミリガンはともかく、そこはかとなくスーパーナチュラル感は拭いきれない感じで、前も思ったけど、今回も急に中国人が出て来たらノックス的にはアウトだろうよwなど思う。さてラスボスはどうなんのかなーってのと、細かい謎の補完とキャラのドラマも詰めに入りつつなところか。面倒臭そうなキャラのこの処分法はw
読了日:10月19日 著者:宮部 みゆき
この世の春(下) (新潮文庫)の感想
んー、フラグ立たずにハッピーエンドはまぁいいんだけど、中国人に悪なる象徴の全てをぶっ込み過ぎなんじゃ?ってのはあったかなぁ。実質前巻で済んじゃってるじゃんてのはどうなのか。フツーに考えたら、新九郎的な恨みが高じて九蛇になるってのが分かり易いんよね。暗殺者のはずが勝手に激高して色々変態的な復讐しましたってのはちょっとん~?だよな。その辺もう少し動機付けは欲しかった。しかし、宮部さんは、雷大好きだな。グランドラインかw
読了日:10月20日 著者:宮部 みゆき
嶽神伝 風花 (上) (講談社文庫)の感想
このシリーズは先に進むほどに、伝奇っぽさがなくなって、主人公の話というよりも、歴史の中での対照的な山の民と里者との生き方って要素が強くなってって、さすがに4作目だとあんまし無坂が主人公って感じではないのよね。まぁこう、最初の忍者軍団と戦う壮年の主人公ではなく、まだまだ若いものには負けんけどもうお爺ちゃんwだからってのはあるんだけど、ドラマの熱に熱さはあまり感じない。武田と上杉の世代交代と滅びの予感、台頭する織田と徳川、虎視する北条といった時代の流れ。山の者としての月草の死。
読了日:10月25日 著者:長谷川 卓
嶽神伝 風花 (下) (講談社文庫)の感想
面白かったんだけど、若干散漫な印象。無坂が死ぬ話なのは分かってたんだけど、まぁこう流れ的に畳の上では死ねない(山の民は畳使わないけどw)よなぁとは思ってたけど、やっぱりか。本来的な山の民の死としては、上巻での月草やこの巻だとヒミのおばばなんだけど、それと対照的であり、正反対であるはずのその生き様が、多分この時代の戦国の甲斐の、山の民の在り方の象徴にもなってて、その意味でお婆が太鼓判推した「嶽神」無坂ってことなのかな。二つの姿も何となくダブルイメージにはなってる。
読了日:10月28日 著者:長谷川 卓
闇の華たち (文春文庫)の感想
短編。乙川さんのは初めてか。タイトル的には何かこうピカレスクロマンとか思ったんだけど全然違えw 今は人生の暗がりや、影が差し込んだ状態だけどそこから明るみに出つつあるヒロインたち、って意味合いだったみたい。話もまぁそんな感じ。それぞれの話の主人公が女ってワケではないけど、話の進みや展開がヒロインの状態を表してるのか。とはいえ、うん、地味な話だった。地味で陰鬱な感じ、ラストに救いがあったりその兆しがある感じなんで読後感は悪くないんだけど、これは、うん、関川さんの解説の先入観もあるんじゃね?とか思ったw
読了日:10月30日 著者:乙川 優三郎
読書メーター