2014年7月の読書メーター
読んだ本の数:9冊
読んだページ数:3357ページ
ナイス数:57ナイス
嘘つき 女だてら麻布わけあり酒場8 (幻冬舎時代小説文庫)の感想
いつもの謎解きエピソードはまぁいつも通り。今回はラストに向けて話が加速し始めたのかな。林=鳥居がバレて、そして紅蜘蛛小僧も…。大塩の蜂起はどの道起こらないのは史実としてあるとして、どこら辺に持ってくるのか。いつもの鳥居像とはちょっと違ったこの感じがどうなるのか、ソコに遠山桜の陰謀wがどう絡むのか。色々のネタが再度振られて、最後に向けての幕が上がった。禁断の書物「巴里物語」も、和綴じ装丁の本で筆書きだとこのフランス革命の梗概みたいな内容でも相当な分量になっちゃうのかしらね。やっぱりオスカル出て来なかったなw
読了日:7月2日 著者:風野真知雄
妾屋昼兵衛女帳面(三) 旦那背信 (幻冬舎時代小説文庫)の感想
タイトルにもなってる昼兵衛があんまし目立ってないよね、このシリーズ。まぁ締めるところは締めるというか、上田作品のほとんどの主人公が侍だから、それに対する階級としての町人(商人)のイメージって感じなのかな。近いのは似たような商売やってる緋之介シリーズの遊女屋の主だけど、あっちよりは特に新左衛門が主人公て位置にも行ききらないので、ソコは奥祐筆コンビに組み合わせは似てるね。敵は子種ばら撒き作戦⇔公認妾屋とかトンデモ作戦編み出して来たけど、こっちの方はお髷番のダークバージョンなのかしらねw いよいよ政の権と謀にw
読了日:7月3日 著者:上田秀人
雲霧仁左衛門 (前編) (新潮文庫)の感想
その昔読んだような気はするけど全く憶えてなかったw 引き込みのお千代を仕込んでから実際に盗めに入るまでの、いわゆる本格の盗賊の盗めとはいかなるものなのか、を盗賊サイドから描写してるんだけど、まぁ首領の仁左衛門よりも小頭の吉五郎始め手下のが前面に出てて、お頭は凄さのみ伝わるばかりで、その内実はまさに雲霧の如くなんで、そこが後編にて明かされるんだろうけど、若干気を持たせ過ぎなんじゃないかなーとか。池波ピカレスクなんで、司法サイドがやっつけられてるのは仕方ないけど、火盗改にはもう少し頑張って欲しいw
読了日:7月13日 著者:池波正太郎
鳥の子守唄 姫は、三十一 5 (角川文庫)の感想
このノリも若干食傷気味というか。まぁ面白いんだけど、謎解きもさらっとしてるし、清湖姫のキャラを楽しむってのが本筋なんだろうけど、あっさり過ぎるのかな。今巻は一応シリーズのキーになってる巻のハズで、清湖姫のモテ期についてとか、静山と幕府の絡みとかでクライマックスになるはずなんだけど、イマイチ緊迫感に欠けるんだよね。ラストの一言は作者の物語のための面白がらせ要素に振り回されてる感もあって、ちょっと可哀想w
読了日:7月16日 著者:風野真知雄
猫見酒 大江戸落語百景 (朝日文庫)の感想
落語は趣味じゃないのでほとんど知らないんだけど、これをそのまま噺家が高座でやっても多分そんなには盛り上がらないような気はした。短編というかちょっとしたオチのある江戸(時代)ショートショートというか。他の風野作品のキャラ性に頼らない面白さを小さく1エピソードにまとめた感じ。オチはくすり程度なんだけど、それがちょうどいい塩梅。「けんか凧」の人情ホロリが一番面白かった。ラストの「苦労寿司」はちょっとオエッw
読了日:7月18日 著者:風野真知雄
雲霧仁左衛門 (後編) (新潮文庫)の感想
上巻のやられっ放し火盗改が、ぐいぐい雲霧一味に迫っていく緊迫感とそこを躱して最後の盗めにどう関わっていくか。お頭仁左衛門の正体と真の目的とは!?そして、幕府と尾張藩の確執とは何ぞや?とか思ってたら、うへぇ~いってものの見事に裏切られた印象。面白かったけど、正直広げた風呂敷が纏まりきらないで打ち切られた感が強かった。そこも含めて怪盗雲霧仁左衛門なんだと言われれば、まぁ読者も含めて全てが濃い霧の彼方に文字通り煙に巻かれたってなるんだろうけど、行間読む的でなく、カチッと締めて欲しかったなぁ。梯子外された感じw
読了日:7月28日 著者:池波正太郎
痩せ神さま 大江戸落語百景2 (朝日文庫)の感想
前作とあまり印象は変わらないけど、若干食傷気味というかもあって読む時のテンションはちょっと下がったかなw ラストの寿司屋の話は一応シリーズとしての配置なんだろうけど、これは前作のがよかったし、永代橋もちょっとしょんぼり話で、間の長崎屋がバカ話だけど、もう少し各話の配置を変えてあった方が読後感がスッキリしたんじゃないかしら。すっぽんぽんはコレこのオチが言いたかっただけなんじゃねぇの?wとか風野節は相変わらずって感じ。やみなべと人喰い村はちょっとグロきもい。
読了日:7月29日 著者:風野真知雄
月の光のために - 大奥同心・村雨広の純心 (実業之日本社文庫)の感想
続きものにしなくてよかったようなw 時代小説で風野節とはいえ、史実との大幅な変更はしない以上、先の展開は知れてるワケで、そこをフィクションでどう解釈するかというコトになるんだろうけど、まぁフツーに「いい話」には終わらないだろうし。ただ、風野さんが月光院にこの主人公との設定を絡ませた上でどう料理するかってのは興味はあるかな。まぁ、えーそーなんの!?って肩透かし展開や、フツーに遣る瀬無いオチになるパターンもあるんだけど。一番意外だったのは、絵島の設定かな。これは無理なく収まる設定だけど。
読了日:7月30日 著者:風野真知雄
上杉かぶき衆の感想
個人的に直江兼続にいい印象がないwので、兼続持ち上げ系の作品はあんまし好みじゃないんだけど、一応その直江メインの作品の周囲の人物を扱った外伝という体だったので、それなりに楽しめた。ただ、気持ちのいい読後感に収斂させるためにキャラが「いいひと」になっちゃってるのはやっぱりどうかなーとは思った。そういう意味では、大国実頼、三郎景虎、甲斐御寮人、の反兼続(別に愛でも義のひとでもないw)系の話の方がオチがしょんぼりではあっても、人間っぽいリアリティがある気がした。好きだけどやっぱ慶次郎とかほぼフィクションだしw
読了日:7月31日 著者:火坂雅志
読書メーター
読んだ本の数:9冊
読んだページ数:3357ページ
ナイス数:57ナイス
嘘つき 女だてら麻布わけあり酒場8 (幻冬舎時代小説文庫)の感想
いつもの謎解きエピソードはまぁいつも通り。今回はラストに向けて話が加速し始めたのかな。林=鳥居がバレて、そして紅蜘蛛小僧も…。大塩の蜂起はどの道起こらないのは史実としてあるとして、どこら辺に持ってくるのか。いつもの鳥居像とはちょっと違ったこの感じがどうなるのか、ソコに遠山桜の陰謀wがどう絡むのか。色々のネタが再度振られて、最後に向けての幕が上がった。禁断の書物「巴里物語」も、和綴じ装丁の本で筆書きだとこのフランス革命の梗概みたいな内容でも相当な分量になっちゃうのかしらね。やっぱりオスカル出て来なかったなw
読了日:7月2日 著者:風野真知雄
妾屋昼兵衛女帳面(三) 旦那背信 (幻冬舎時代小説文庫)の感想
タイトルにもなってる昼兵衛があんまし目立ってないよね、このシリーズ。まぁ締めるところは締めるというか、上田作品のほとんどの主人公が侍だから、それに対する階級としての町人(商人)のイメージって感じなのかな。近いのは似たような商売やってる緋之介シリーズの遊女屋の主だけど、あっちよりは特に新左衛門が主人公て位置にも行ききらないので、ソコは奥祐筆コンビに組み合わせは似てるね。敵は子種ばら撒き作戦⇔公認妾屋とかトンデモ作戦編み出して来たけど、こっちの方はお髷番のダークバージョンなのかしらねw いよいよ政の権と謀にw
読了日:7月3日 著者:上田秀人
雲霧仁左衛門 (前編) (新潮文庫)の感想
その昔読んだような気はするけど全く憶えてなかったw 引き込みのお千代を仕込んでから実際に盗めに入るまでの、いわゆる本格の盗賊の盗めとはいかなるものなのか、を盗賊サイドから描写してるんだけど、まぁ首領の仁左衛門よりも小頭の吉五郎始め手下のが前面に出てて、お頭は凄さのみ伝わるばかりで、その内実はまさに雲霧の如くなんで、そこが後編にて明かされるんだろうけど、若干気を持たせ過ぎなんじゃないかなーとか。池波ピカレスクなんで、司法サイドがやっつけられてるのは仕方ないけど、火盗改にはもう少し頑張って欲しいw
読了日:7月13日 著者:池波正太郎
鳥の子守唄 姫は、三十一 5 (角川文庫)の感想
このノリも若干食傷気味というか。まぁ面白いんだけど、謎解きもさらっとしてるし、清湖姫のキャラを楽しむってのが本筋なんだろうけど、あっさり過ぎるのかな。今巻は一応シリーズのキーになってる巻のハズで、清湖姫のモテ期についてとか、静山と幕府の絡みとかでクライマックスになるはずなんだけど、イマイチ緊迫感に欠けるんだよね。ラストの一言は作者の物語のための面白がらせ要素に振り回されてる感もあって、ちょっと可哀想w
読了日:7月16日 著者:風野真知雄
猫見酒 大江戸落語百景 (朝日文庫)の感想
落語は趣味じゃないのでほとんど知らないんだけど、これをそのまま噺家が高座でやっても多分そんなには盛り上がらないような気はした。短編というかちょっとしたオチのある江戸(時代)ショートショートというか。他の風野作品のキャラ性に頼らない面白さを小さく1エピソードにまとめた感じ。オチはくすり程度なんだけど、それがちょうどいい塩梅。「けんか凧」の人情ホロリが一番面白かった。ラストの「苦労寿司」はちょっとオエッw
読了日:7月18日 著者:風野真知雄
雲霧仁左衛門 (後編) (新潮文庫)の感想
上巻のやられっ放し火盗改が、ぐいぐい雲霧一味に迫っていく緊迫感とそこを躱して最後の盗めにどう関わっていくか。お頭仁左衛門の正体と真の目的とは!?そして、幕府と尾張藩の確執とは何ぞや?とか思ってたら、うへぇ~いってものの見事に裏切られた印象。面白かったけど、正直広げた風呂敷が纏まりきらないで打ち切られた感が強かった。そこも含めて怪盗雲霧仁左衛門なんだと言われれば、まぁ読者も含めて全てが濃い霧の彼方に文字通り煙に巻かれたってなるんだろうけど、行間読む的でなく、カチッと締めて欲しかったなぁ。梯子外された感じw
読了日:7月28日 著者:池波正太郎
痩せ神さま 大江戸落語百景2 (朝日文庫)の感想
前作とあまり印象は変わらないけど、若干食傷気味というかもあって読む時のテンションはちょっと下がったかなw ラストの寿司屋の話は一応シリーズとしての配置なんだろうけど、これは前作のがよかったし、永代橋もちょっとしょんぼり話で、間の長崎屋がバカ話だけど、もう少し各話の配置を変えてあった方が読後感がスッキリしたんじゃないかしら。すっぽんぽんはコレこのオチが言いたかっただけなんじゃねぇの?wとか風野節は相変わらずって感じ。やみなべと人喰い村はちょっとグロきもい。
読了日:7月29日 著者:風野真知雄
月の光のために - 大奥同心・村雨広の純心 (実業之日本社文庫)の感想
続きものにしなくてよかったようなw 時代小説で風野節とはいえ、史実との大幅な変更はしない以上、先の展開は知れてるワケで、そこをフィクションでどう解釈するかというコトになるんだろうけど、まぁフツーに「いい話」には終わらないだろうし。ただ、風野さんが月光院にこの主人公との設定を絡ませた上でどう料理するかってのは興味はあるかな。まぁ、えーそーなんの!?って肩透かし展開や、フツーに遣る瀬無いオチになるパターンもあるんだけど。一番意外だったのは、絵島の設定かな。これは無理なく収まる設定だけど。
読了日:7月30日 著者:風野真知雄
上杉かぶき衆の感想
個人的に直江兼続にいい印象がないwので、兼続持ち上げ系の作品はあんまし好みじゃないんだけど、一応その直江メインの作品の周囲の人物を扱った外伝という体だったので、それなりに楽しめた。ただ、気持ちのいい読後感に収斂させるためにキャラが「いいひと」になっちゃってるのはやっぱりどうかなーとは思った。そういう意味では、大国実頼、三郎景虎、甲斐御寮人、の反兼続(別に愛でも義のひとでもないw)系の話の方がオチがしょんぼりではあっても、人間っぽいリアリティがある気がした。好きだけどやっぱ慶次郎とかほぼフィクションだしw
読了日:7月31日 著者:火坂雅志
読書メーター