無駄記

徒然なるままにモニタに向かひて心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく書きつくれば死ねばいいのに。

11月分

2014年12月01日 11時53分36秒 | 感想
2014年11月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:2243ページ
ナイス数:67ナイス

雷神 風の市兵衛 (祥伝社文庫)雷神 風の市兵衛 (祥伝社文庫)感想
前作を踏まえての話だけども、この巻はこの巻のみのエピソードなんで、スッと入って行けるんだけど、前巻に比べるとお話を読ませるって感じで、主人公のはずの市兵衛が一登場人物になっちゃってる感じ。最初の破落戸ぶっ倒す登場シーンは颯爽って感じだったけど、他がまぁ剣劇部分こそ主役になってはいたけど、何か本当にお話中のお助け人になっちゃってたんだよね。一応市兵衛のバックボーンに触れたり、市兵衛一派とでも言っていい兄貴、弥陀之介、鬼渋なんかの登場もあるんだけど、商家の描写がメインになっちゃってたのがちょっと残念な気も。
読了日:11月3日 著者:辻堂魁
守り刀の声-口入屋用心棒(25) (双葉文庫)守り刀の声-口入屋用心棒(25) (双葉文庫)感想
前巻からヒキの老中遺臣の逆恨み連中を一部以外は一応返り討ちに取って大団円w 前巻冒頭の部分がトリックの肝になってたのねーという感じ。小説だと声が聞こえないからこそ出来たって感じ。前にもあったけど、直之進が主筋で事件解決に向かって探索していくと、サブエピソードであった富士太郎の事件も、取ってつけたように尺の都合で収斂されてくという構成は如何なものか。ついでに殺されてましたってぞんざい過ぎると思うw 油断之進はいつも通り数回のピンチを華麗にスルーだしw まぁもうそういうのはこのシリーズではいいのかしら。
読了日:11月7日 著者:鈴木英治
兜割りの影-口入屋用心棒(26) (双葉文庫)兜割りの影-口入屋用心棒(26) (双葉文庫)感想
なーんかこの話読んだことある気がするなーと思ったら、このボンクラに金で斬人させるのって堪兵衛シリーズでやったよね!?などw 直之進は加速装置付きの和四郎の剣と、なんだかよくわからない凄さを持った伏見英光の剣を手に入れたってことかしら。てっきり和四郎の方は、師匠について修行したから、アドレナリンの所為で一瞬の事がスローモーションに見えるくらいのすげー体術とか心構え的なの会得したのかと思ったのに刀の所為だったとはw この巻のグッジョブ大賞は、いつまでもぐじぐじと腹の決まらないグズ之進の結婚決めた豚侍の琢ノ介。
読了日:11月11日 著者:鈴木英治
ストロベリーナイト (光文社文庫)ストロベリーナイト (光文社文庫)感想
まぁ何か日本のテレビ局がドラマにしそうな話、という印象。細部の詰めが色々甘い。ミステリーなのはともかく、警察が舞台であっても警察小説ではないし、いいトコのごった煮という反面がそのままディティルの甘さになってるというか。ドラマとしては面白いし、読んでても苦もなくスルスル読めるので、まぁエンターテイメントなんだなぁと。面白いしキャラは立ってるけど、設定の根拠がどっかで聞いたようなの域を出てないので、薄っぺらく感じなくもなく。特に犯人の造型や犯行の流れには全くリアリティがない漫画っぽさを感じた。
読了日:11月19日 著者:誉田哲也
帰り船 〔風の市兵衛〕 (祥伝社文庫)帰り船 〔風の市兵衛〕 (祥伝社文庫)感想
このシリーズは主人公がぐいぐい引っ張っていくという体ではないと理解。お話が進行の中での主人公の活躍すべき見せ場にいる、って感じなのかな。キャラとしての魅力云々で言うなら充分あるんだけど、あんましこう主役を張ってるという見せ方がない。弥陀ノ介の「人柄も申し分なく誰からも好かれる。なのに世渡りがなぁ…」というのもそういう意味でも納得w 反面、算盤なんかほとんどやっちゃいねぇんで、設定が十分に生きて来てない感じもしなくもなく。 1巻が一番ソコが活きてたのかな。商家に入るよりも、武家に入った方が生きるのかしら。
読了日:11月24日 著者:辻堂魁
月夜行 〔風の市兵衛〕 (祥伝社文庫)月夜行 〔風の市兵衛〕 (祥伝社文庫)感想
この巻は他の巻に比べれば市兵衛が動いてたって感じ。それは単に兄貴や弥陀ノ介や鬼渋の出番があんましなかったからなのかw 市兵衛を雇った側の描写ってのが毎回のお話のキモになってて、それが武家のお家事情だったり商家のビジネスの話だったりはするけど、主人公としての立ち位置ってのはあくまでソコに雇われたって体なんだよね。しかしこう、まぁ宮仕えが性に合わないってのはともかく、この拘りはもはや身分としての武士の誇りってよりは、職能としての矜持に近いよな。浪人がゴマンと余ってるのに、働いた分だけの給金貰うって偏屈なw
読了日:11月30日 著者:辻堂魁

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