7月の読書メーター
読んだ本の数:11
読んだページ数:3883
ナイス数:168
若冲 (文春文庫)の感想
これの前に読んだ葛飾応為のは史実の隙間を主人公の人生をドラマ仕立てにするための演出と受け取ることが出来たんだけど、これはちょっとなぁって思ったw 作品そのものは面白かったし、若冲の絵に対する姿勢や周囲への姿勢なんかも「面白い物語なってた」んだけど。だけど!この絵師としての一番大事な描くことの動機って最重要な根っこの部分が、史実として存在してない妻への後悔の思いってのは、完全に創作なんよ。じゃあさ、史実の人物じゃなくてもよくね?的なモヤりをね。新解釈っていうか、腐れ同人誌かよ!wみたいなね。面白かったけど。
読了日:07月06日 著者:澤田 瞳子
残穢(ざんえ) (新潮文庫)の感想
うん。怖かったけど、怖いっつーか、厭な話なんよ。忌まわしい、厭わしい話。確かに寝てて夜中に目が覚めて間近に天井から首吊り死体ぶら下がってたらそりゃ座り小便漏らします。何ならうんこも出てしまうかもしれない。でも、結局あれなんよね、この話の流れだと、潔癖症の話なんよ。急いで公衆便所に入って腰下ろしたら、ケツに他人のうんこがついてもうたと。慌てて立ち上がって拭ったら手にも付いた。何なら慌てついでに自分の服にも付いたったと。それがもう洗っても気になるいつになっても取れない(気がする)匂いがいうまでもする。
読了日:07月08日 著者:小野 不由美
引札屋おもん―鎌倉河岸捕物控 (ハルキ文庫―時代小説文庫)の感想
話はほぼほぼ各章単位での捕り物で、群像劇っぽくはなってるけどメインはやっぱり親分なのかなぁで勧善懲悪の分かり易いスッキリ。それに一応微妙に舞台となってる豊島屋の大旦那の「老いらくの恋」とやらが絡んで、それが本のタイトルにもなってて最後の章でケリがついてる。まぁあ。おっさんズドリームはキモイw 当時の在り方として、作中でも語られてるように老舗のデカイ店の主なら妾がいて商売やらせるなんてのは別に珍しくはないんだけど、裏吉原の方でもやってる男の夢的な昭和のおっさんの夢はマジきめぇんだよねっていうヒキ感あるよなw
読了日:07月11日 著者:佐伯 泰英
日雇い浪人生活録(十) 金の美醜 (時代小説文庫)の感想
しつこい目付も今回でおしまい。あとは、いい気になってるクソ武家共をぎゃふんと言わせて終了ってことなんだろうけど、オチは微妙ね。田沼政権は厳密にはまだ発足前だし、その前に政権発足時には切れるって宣言されても、分銅屋は何もなってないし、もはや主人公の体をなしてない左馬助もシリーズ開始時に比べると別段成長もせずに、分銅屋の講釈にふんふん頷いてるだけだしなぁw じゃあ分銅屋の女中かくノ一のヒロイン合戦かっつーと、一応伏線らしいのあったけど、ソッチも別段盛り上がってはないしね。まぁそろそろ終わりなのはわかるけど。
読了日:07月12日 著者:上田秀人
乱れ雲 風の市兵衛 弐 (祥伝社文庫)の感想
タイトルの意味がわからない今巻。わりと軽めの話。老人や女子供や真っ当に生きてるちゃんとしたひとが酷い目に遭わないので、気楽に読める。博打狂いの元エリートの転落も、ゴミみてぇなクソヤロウが風の剣で十把一絡げに成敗されるのも相応な流れ。繋ぎの回なのかなぁ。市兵衛サイドと鬼渋(倅・良一郎)サイドに別れてる話が最後ちょっと収斂する感じ。一応は算盤侍向けの仕事ではあっても、気の進まないままコゲつき借金の回収なんてのを、ヘタレの魔人ブウと一緒にしてる絵面はなんか微笑ましくもありw あと矢藤太、ソイツに嫁は諦めろw
読了日:07月15日 著者:辻堂魁
営繕かるかや怪異譚 その弐の感想
やっぱ、「残穢」の後、その上に乗っかる作品て考えると仕組みが納得できる。スーパーナチュラルはスーパーナチュラルならざる人間にはどうするこもできないので、祓わずに避けるという。今巻は前と同じく短編なんだけど、救済装置としての主人公が説明もなくよりシステムの一環になりきってる感じ。前半は男の主人公の腑抜けのヘタレっぷりにアレだったwけど、全部読んだ結果ヘタレの腑抜けは「芙蓉忌」のだけだった。怪異が中和されても憑りつかれたも同然ならって終わりも何だかなぁなのはともかく、
読了日:07月18日 著者:小野 不由美
下駄貫の死―鎌倉河岸捕物控〈7の巻〉 (ハルキ文庫 時代小説文庫)の感想
解説で縄田さんがフォローしてたwけど、これフツーにリストラでしょw 面倒臭いから削除したって感じ。割とこう佐伯さんの杜撰なキャラ整理なのかと最初は思ってたんだけど、あんがいちゃんと花持たせてたんで、退場そのものはあっちゃー↓感あったけど、雨降って地固まる方向に収めようとしてるのは分かった。でもこの流れだと、下駄寛のあ独断専行はともかく、親分の人徳不足に見えちゃうからアレなんよな。商家の隠居に事情話して政司をトレードした時点で、スジ通すべきだったんよ。使えねぇし要らなくなったから返すなんて出来ないんだから。
読了日:07月18日 著者:佐伯 泰英
毒島刑事最後の事件の感想
え、最後の事件ってシリーズ終了って思ったら、現役の刑事時代の最後のってことで、時系列は作家刑事になる前の前日譚だったっていう。んで、容疑者の公判維持どころかそもそも罪に問えるのかってのを、悪は俺が捌くと勝手に言葉苛めで追い詰めて自死させたのかと思ったら、ソコまではさすがにレクター博士じゃなかったw まぁ脅迫して追い込んだんではあるから、諸々クソヤロウではある。社会正義としてってより、個人的にやってる感あるwから、まぁ辞めるのは正解かな。つか、これメタ構造で読者に刺さるようになってるアレコレはともかく、
読了日:07月20日 著者:中山 七里
恋の川、春の町の感想
各章のサブタイトルのふざけっぷりが「らしい」っちゃらしいんだけど、ソコソコ風野作品には目を通してるけど、これは正直つまらなかった。合わなかったのかな。武士にも戯作者にもなりきれないまま、晩年死ぬまでの半年くらいをダラダラと純文私小説かよwみたいな、ね。カバー絵はいい雰囲気で女性キャラも魅力的なんだけど、おっさんのくだらない内省をくどくど垂れられてもなぁ。耳袋に出て来る白河の午前とは同一人物とするなら、シェアワールド的には中々面白いけど、そりゃ根岸もヤレヤレだぜってなるわ、みたいなw
読了日:07月22日 著者:風野 真知雄
静おばあちゃんと要介護探偵 (文春文庫 な 71-4)の感想
岬洋介シリーズだけ読んでないんで、偏屈クソ爺ぃには思い入れもなく、まぁ分かり易いテンプレキャラではあるけど、痛快とか豪快とかそういうのよりも正直本当にクソジジイって感じだった。まぁ一応全部読むとクソジジイの上に「憎めない」くらいはつけていいのかな?とはなるけどもw ミステリの内容としてはさすがに短編オムニバスなので特に目を瞠るようなこともない感じ。静おばあちゃんの続編て刊行順で読んだので、意図せず毒島と同じく時系列的には前日譚になのねって、数字が取れたの確認してからシリーズ化するとそんなもんかもねwなど。
読了日:07月23日 著者:中山 七里
密室の如き籠るもの (講談社文庫)の感想
13年にシリーズをちょっと読んで飽きたらしく、これは途中で投げてたのを読了。どこまで読んでかのも憶えてなかったんで最初から。全部パズル。蓋然性の高い事柄の積み重ねから真実をってのは本格なんだけど、検証する気もないから一応唯一の解答なんだとも思うけど、結構フレキシブルで且つ実際作中でも本当かどうかはわかってないんだよね、これというw ホラーの要素はちょっとした雰囲気出しのためのアイテムなのかな。最後のこっくりさんとコトリ箱はもう本当アイテムだし、出しただけでソッチは何なの?って説明全くないのもモニョるよねw
読了日:07月26日 著者:三津田 信三
読書メーター
読んだ本の数:11
読んだページ数:3883
ナイス数:168
若冲 (文春文庫)の感想
これの前に読んだ葛飾応為のは史実の隙間を主人公の人生をドラマ仕立てにするための演出と受け取ることが出来たんだけど、これはちょっとなぁって思ったw 作品そのものは面白かったし、若冲の絵に対する姿勢や周囲への姿勢なんかも「面白い物語なってた」んだけど。だけど!この絵師としての一番大事な描くことの動機って最重要な根っこの部分が、史実として存在してない妻への後悔の思いってのは、完全に創作なんよ。じゃあさ、史実の人物じゃなくてもよくね?的なモヤりをね。新解釈っていうか、腐れ同人誌かよ!wみたいなね。面白かったけど。
読了日:07月06日 著者:澤田 瞳子
残穢(ざんえ) (新潮文庫)の感想
うん。怖かったけど、怖いっつーか、厭な話なんよ。忌まわしい、厭わしい話。確かに寝てて夜中に目が覚めて間近に天井から首吊り死体ぶら下がってたらそりゃ座り小便漏らします。何ならうんこも出てしまうかもしれない。でも、結局あれなんよね、この話の流れだと、潔癖症の話なんよ。急いで公衆便所に入って腰下ろしたら、ケツに他人のうんこがついてもうたと。慌てて立ち上がって拭ったら手にも付いた。何なら慌てついでに自分の服にも付いたったと。それがもう洗っても気になるいつになっても取れない(気がする)匂いがいうまでもする。
読了日:07月08日 著者:小野 不由美
引札屋おもん―鎌倉河岸捕物控 (ハルキ文庫―時代小説文庫)の感想
話はほぼほぼ各章単位での捕り物で、群像劇っぽくはなってるけどメインはやっぱり親分なのかなぁで勧善懲悪の分かり易いスッキリ。それに一応微妙に舞台となってる豊島屋の大旦那の「老いらくの恋」とやらが絡んで、それが本のタイトルにもなってて最後の章でケリがついてる。まぁあ。おっさんズドリームはキモイw 当時の在り方として、作中でも語られてるように老舗のデカイ店の主なら妾がいて商売やらせるなんてのは別に珍しくはないんだけど、裏吉原の方でもやってる男の夢的な昭和のおっさんの夢はマジきめぇんだよねっていうヒキ感あるよなw
読了日:07月11日 著者:佐伯 泰英
日雇い浪人生活録(十) 金の美醜 (時代小説文庫)の感想
しつこい目付も今回でおしまい。あとは、いい気になってるクソ武家共をぎゃふんと言わせて終了ってことなんだろうけど、オチは微妙ね。田沼政権は厳密にはまだ発足前だし、その前に政権発足時には切れるって宣言されても、分銅屋は何もなってないし、もはや主人公の体をなしてない左馬助もシリーズ開始時に比べると別段成長もせずに、分銅屋の講釈にふんふん頷いてるだけだしなぁw じゃあ分銅屋の女中かくノ一のヒロイン合戦かっつーと、一応伏線らしいのあったけど、ソッチも別段盛り上がってはないしね。まぁそろそろ終わりなのはわかるけど。
読了日:07月12日 著者:上田秀人
乱れ雲 風の市兵衛 弐 (祥伝社文庫)の感想
タイトルの意味がわからない今巻。わりと軽めの話。老人や女子供や真っ当に生きてるちゃんとしたひとが酷い目に遭わないので、気楽に読める。博打狂いの元エリートの転落も、ゴミみてぇなクソヤロウが風の剣で十把一絡げに成敗されるのも相応な流れ。繋ぎの回なのかなぁ。市兵衛サイドと鬼渋(倅・良一郎)サイドに別れてる話が最後ちょっと収斂する感じ。一応は算盤侍向けの仕事ではあっても、気の進まないままコゲつき借金の回収なんてのを、ヘタレの魔人ブウと一緒にしてる絵面はなんか微笑ましくもありw あと矢藤太、ソイツに嫁は諦めろw
読了日:07月15日 著者:辻堂魁
営繕かるかや怪異譚 その弐の感想
やっぱ、「残穢」の後、その上に乗っかる作品て考えると仕組みが納得できる。スーパーナチュラルはスーパーナチュラルならざる人間にはどうするこもできないので、祓わずに避けるという。今巻は前と同じく短編なんだけど、救済装置としての主人公が説明もなくよりシステムの一環になりきってる感じ。前半は男の主人公の腑抜けのヘタレっぷりにアレだったwけど、全部読んだ結果ヘタレの腑抜けは「芙蓉忌」のだけだった。怪異が中和されても憑りつかれたも同然ならって終わりも何だかなぁなのはともかく、
読了日:07月18日 著者:小野 不由美
下駄貫の死―鎌倉河岸捕物控〈7の巻〉 (ハルキ文庫 時代小説文庫)の感想
解説で縄田さんがフォローしてたwけど、これフツーにリストラでしょw 面倒臭いから削除したって感じ。割とこう佐伯さんの杜撰なキャラ整理なのかと最初は思ってたんだけど、あんがいちゃんと花持たせてたんで、退場そのものはあっちゃー↓感あったけど、雨降って地固まる方向に収めようとしてるのは分かった。でもこの流れだと、下駄寛のあ独断専行はともかく、親分の人徳不足に見えちゃうからアレなんよな。商家の隠居に事情話して政司をトレードした時点で、スジ通すべきだったんよ。使えねぇし要らなくなったから返すなんて出来ないんだから。
読了日:07月18日 著者:佐伯 泰英
毒島刑事最後の事件の感想
え、最後の事件ってシリーズ終了って思ったら、現役の刑事時代の最後のってことで、時系列は作家刑事になる前の前日譚だったっていう。んで、容疑者の公判維持どころかそもそも罪に問えるのかってのを、悪は俺が捌くと勝手に言葉苛めで追い詰めて自死させたのかと思ったら、ソコまではさすがにレクター博士じゃなかったw まぁ脅迫して追い込んだんではあるから、諸々クソヤロウではある。社会正義としてってより、個人的にやってる感あるwから、まぁ辞めるのは正解かな。つか、これメタ構造で読者に刺さるようになってるアレコレはともかく、
読了日:07月20日 著者:中山 七里
恋の川、春の町の感想
各章のサブタイトルのふざけっぷりが「らしい」っちゃらしいんだけど、ソコソコ風野作品には目を通してるけど、これは正直つまらなかった。合わなかったのかな。武士にも戯作者にもなりきれないまま、晩年死ぬまでの半年くらいをダラダラと純文私小説かよwみたいな、ね。カバー絵はいい雰囲気で女性キャラも魅力的なんだけど、おっさんのくだらない内省をくどくど垂れられてもなぁ。耳袋に出て来る白河の午前とは同一人物とするなら、シェアワールド的には中々面白いけど、そりゃ根岸もヤレヤレだぜってなるわ、みたいなw
読了日:07月22日 著者:風野 真知雄
静おばあちゃんと要介護探偵 (文春文庫 な 71-4)の感想
岬洋介シリーズだけ読んでないんで、偏屈クソ爺ぃには思い入れもなく、まぁ分かり易いテンプレキャラではあるけど、痛快とか豪快とかそういうのよりも正直本当にクソジジイって感じだった。まぁ一応全部読むとクソジジイの上に「憎めない」くらいはつけていいのかな?とはなるけどもw ミステリの内容としてはさすがに短編オムニバスなので特に目を瞠るようなこともない感じ。静おばあちゃんの続編て刊行順で読んだので、意図せず毒島と同じく時系列的には前日譚になのねって、数字が取れたの確認してからシリーズ化するとそんなもんかもねwなど。
読了日:07月23日 著者:中山 七里
密室の如き籠るもの (講談社文庫)の感想
13年にシリーズをちょっと読んで飽きたらしく、これは途中で投げてたのを読了。どこまで読んでかのも憶えてなかったんで最初から。全部パズル。蓋然性の高い事柄の積み重ねから真実をってのは本格なんだけど、検証する気もないから一応唯一の解答なんだとも思うけど、結構フレキシブルで且つ実際作中でも本当かどうかはわかってないんだよね、これというw ホラーの要素はちょっとした雰囲気出しのためのアイテムなのかな。最後のこっくりさんとコトリ箱はもう本当アイテムだし、出しただけでソッチは何なの?って説明全くないのもモニョるよねw
読了日:07月26日 著者:三津田 信三
読書メーター