無駄記

徒然なるままにモニタに向かひて心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく書きつくれば死ねばいいのに。

6月分

2021年07月03日 01時52分47秒 | 感想
6月の読書メーター
読んだ本の数:9
読んだページ数:3185
ナイス数:102

暴れ彦四郎―鎌倉河岸捕物控〈4の巻〉 (ハルキ文庫 時代小説文庫)暴れ彦四郎―鎌倉河岸捕物控〈4の巻〉 (ハルキ文庫 時代小説文庫)感想
人気作家故のシリーズ長期展開がありきの流れなんで、まぁ群像劇のままで、一応メインは金座裏の親分て感じなのかな。捕物控ってんだから捕り物の物語なんだしそりゃそうかってw 後継になることが決まってはいても今一政次もパッとしないし、メインタイトルになってる彦四郎も暴れたか?って程度の暴れなんはどうなのかw この後なんじゃかんじゃあるかもって伏線として張ってるのか川越に行ってるしほの描写なんかも場面転換のテクニックとして合間に挿入されてるけど、この話の流れに要るか?とも思う。一冊丸々そこそこの長さなんで、
読了日:06月06日 著者:佐伯 泰英
きたきた捕物帖きたきた捕物帖感想
あぁ、これってシェアワールドだったのね!というファンサービス小説wではあった。「きたきた」って何?って思ってたけど、そーゆーことなのね。ってでも、きたきたのコンビ感はこれ一冊ではあまり感じられないかなぁ。シリーズ始動てんなら次が出てからでしょ!のプロローグっぽさよねw まぁでも、捕物帖というタイトルで内容もその方向だけど、本当の捕り物になるには時間がかかりそうよね。話が終わった後にタイトルが来て、あぁ「成る話」なのねってゆーかw
読了日:06月15日 著者:宮部みゆき
夜叉萬同心 お蝶と吉次 (光文社文庫 つ 15-14 光文社時代小説文庫 夜叉萬同心)夜叉萬同心 お蝶と吉次 (光文社文庫 つ 15-14 光文社時代小説文庫 夜叉萬同心)感想
他の方も言ってるけど、夜叉萬全然活躍せずw 狂言回しの位置ともちょっと違うね。外伝で他のキャラがメインになってて、萬さんはシリーズ主人公なんでカメオより強いゲストのサブの位置って感じ。話はまぁよくある公金横領クソヤロウへの仇討ちなんだけど、ソコにこれ要るのかなぁという仇討ちの助っ人も実は他で仇持ちだったという所で変な締め方だけど、キレーに終わって読後感も悪くないのはさすが、なのかなぁw
読了日:06月17日 著者:辻堂魁
古町殺し―鎌倉河岸捕物控〈5の巻〉 (ハルキ文庫 時代小説文庫)古町殺し―鎌倉河岸捕物控〈5の巻〉 (ハルキ文庫 時代小説文庫)感想
シリーズの構成としては、若者の成長と鎌倉河岸の親分一家周辺の群像劇ってことなんだろうけど、ぶっちゃけ、若者の成長譚どうこうよりも、親分の捕り物がメインって構成のこの巻が一番面白かったw ただまぁ、佐伯作劇なんで、手練れの暗殺者がイチ岡っ引きに苦も無く捻られちゃうクライマックスとかのメイン補正の演出はねぇわw感あるんだけど、佐伯作品はソコ込みでのお楽しみなのかな。あと、多分笑うトコじゃないんだけど、亮吉の忍び込んだ海賊船の下っ端の会話が、かちかち山のタヌキレベルのまぬけっぷりなんで失笑せざるをえなかった。
読了日:06月19日 著者:佐伯 泰英
営繕かるかや怪異譚営繕かるかや怪異譚感想
その昔屍鬼その他数冊読んで、面白いけど小野さんとは肌が合わないと思って避けてたんだけど、何となく手に取ったコレもやっぱそうだった。面白いけど、好きか嫌いかなら好きじゃないというかw 前に宮部さんでもそんな感じあって、どっちもキング流れからで、宮部さんはその後主に江戸もの読んで好きになれたんだけど、小野さんはそうでなかったのを再確認。面白いんだけどね、読後感が悪いというか、敢えてなんだろうけど、据わりの悪い話なんよね、小野さんのって。屍鬼もそうだったし、残穢なんかでも、スッキリはさせてくれない感じが残る。
読了日:06月20日 著者:小野 不由美
神の子 花川戸町自身番日記 (祥伝社文庫)神の子 花川戸町自身番日記 (祥伝社文庫)感想
まぁ、しょっぱい話といえばしょっぱい話だったわー。フラレ男、シンパパの養女、革命の失望と天誅、みたいな? 主人公という感じなくて、これはもう狂言回しよね。一応、しょっぱい話の連続ではあるけど、オチはさっぱりしてるし、最初はタイトル作の「神の子」なんて、これでこの流れじゃあちょっとかわいそうだろうよとか、どうすんだコレと思ったけど、その後の経緯なんかで読後感は悪くないんよね。初めて辻堂作品でチャンバラないのかと思ったら、ラストの撃剣シーンはスッキリだったw
読了日:06月20日 著者:辻堂魁
女房を娶らば 花川戸町自身番日記 (祥伝社文庫)女房を娶らば 花川戸町自身番日記 (祥伝社文庫)感想
意外にクソ同心かと思ってた羽曳が味のあるキャラだったw この巻はオムニバス形式だった前巻と違って、エピソード単位でメインになるキャラはいつつも、最後に全部ひとつの話としてまとまる流れだった。主人公は狂言回しにすらなってないようなw 前巻のキャラのその後もちょっと出てて、フラ男は所帯持ちになってた反面、話の都合でかシンパパ船頭にはスポット当たらず、凄腕手習い屋師匠の剣劇シーンはスッキリではあった。三者三様の「妻」の話。しかし、でもこのボンクラの最後の善行ってのはなぁw 
読了日:06月24日 著者:辻堂魁
大江戸怪談 どたんばたん(土壇場譚) (講談社文庫)大江戸怪談 どたんばたん(土壇場譚) (講談社文庫)感想
平山作品なんでちょっと構えてたら見事にスカされた感じwまぁこう、よくある志怪小説なんよね。オリジナルではあるんだろうけど、掌編集的な体裁は耳袋っぽさもあって、どっかで聞いた話感も逆に出ちゃってた。怖い系がメインだけど、それだけに尺の都合もあって怖いしオリジナリティもあるんだけど、結局同じ味付けの食い物って感じがしちゃって、いやそういう食い物食ってんだけどねってw その中で落語的なオチもついてる「化け屋台」のオチはよかったかな。リアルに噴いたw 
読了日:06月27日 著者:平山 夢明
眩 (くらら) (新潮文庫)眩 (くらら) (新潮文庫)感想
現存する資料から起こされたんだろうなって、北斎とお栄のキャラ性ってのは他の先行する作家のキャラとそう違いはない感じ。親父であり師匠である北斎との関係もその範疇を出ない。ただ、それ以外の元旦那の等明への実際の資料に現れてる感情に上乗せして、創作上の北斎や絵や善次郎への想いや葛藤を、本当のお栄のキャラにしてしまってる巧さは、歴史小説と思わせる時代小説って感じがした。巧く活きてるなっつーか。絵師・応為というよりも、お栄のドラマって感じだったのかなぁ。杉浦さんの「百日紅」は先行資料だよねぇ。
読了日:06月30日 著者:朝井 まかて

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