無駄記

徒然なるままにモニタに向かひて心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく書きつくれば死ねばいいのに。

11月分

2019年12月02日 16時30分55秒 | 感想
11月の読書メーター
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ナイス数:49

阿蘭陀(おらんだ)おせち―料理人季蔵捕物控 (時代小説文庫)阿蘭陀(おらんだ)おせち―料理人季蔵捕物控 (時代小説文庫)感想
出来もしない無理難題をしれっと一介の一膳飯屋の元家臣に、ただの出家の身の頼みとして受けさるとかもう全然昔の身分の無理難題を飲まされてるだけじゃねぇかw どっちもどっち。つか、瑠璃が季蔵でなく季之助がどうこうとかいいつつも、自分が一番武士だった過去に囚われてんじゃね? とっつぁんに恩義があっても殺しもOKな裏家業のクソ仕事をデ奉行の押しの強さに負けて引き受けるハメになったのも全てはソコじゃね?など。殺しも事件の謎も阿蘭陀肉料理も謎の忍者軍団の女当主に丸投げして終了なのはもう安定の和田節として笑うしかなしw
読了日:11月03日 著者:和田 はつ子
介錯人介錯人感想
辻堂さんの作品は絵面が割りと想像しやすい感じに描写が細かめで、映画で言ったら背景情景描写もストーリーやキャラの心情を演出する一部になってたりするから、若干どこそこを歩いてどこに言った的な件りが煩雑且つ冗長だったりもするんだけど、このシリーズはどっちかいうたら物語的にはそういう静謐な部分が活きてる感じなのかな。主人公もワイフも母ちゃんもみんな静かな感じ。主人公の龍玄に至っては、実母によく分からないひととさえ言われる位だしw そういう静かな部分と、斬首される側の込み入った事情、理不尽な事情との対比が、
読了日:11月09日 著者:辻堂 魁
青紬の女: 仕舞屋侍 (徳間文庫)青紬の女: 仕舞屋侍 (徳間文庫)感想
まずは「見」に廻るのは市兵衛と同じなんだけど、ある意味優柔不断とも取れる己の生き様に良くも悪くもw忠実過ぎる向こうよりも、元目付けという履歴もあってか世慣れてもいるし曲者っぽさもあって読んでて安心感はあるのかもw 斬られ役の悪役は多分辻堂作品ではもうテンプレとも言っていい(勿論その都度キャラの装いは変わってるけど中身は一緒w)下衆度の高いクソ野郎共。おまさとお玉の離別があるかと思いきや、結局二人での旅の空のEDはほっこり泣かせるグッドEDだったのかな。
読了日:11月10日 著者:辻堂魁
夏の雁: 仕舞屋侍 (徳間時代小説文庫)夏の雁: 仕舞屋侍 (徳間時代小説文庫)感想
市兵衛シリーズよりも、ゲストキャラが不幸になる率が低いのかな? 物語開始上では最悪の結果に至る前に九十郎によって阻止される。ただし、ゲストキャラの過去の不幸を作るゲス悪党は毎回まぁよくも手を変え品を変えてって感じのいつも通りのクソ野郎なんで、ばっさり行かれることの痛快感はまさに時代劇の醍醐味と思うw 今回のゲストの旅烏は天一郎シリーズみたいにゲスト出演ありそうな感じもする。そういや2作目以降、あまり九十郎の家族周りには触れなくなったような。
読了日:11月12日 著者:辻堂 魁
ドクター・スリープ 上 (文春文庫)ドクター・スリープ 上 (文春文庫)感想
シャイニングといえば、どちらかというとキューブリック版のが印象は強い。キング本人があとがきでも述べてるように、「なにをもってしても」てヤツで、多感な時期に最初に見たのが、トランスならぬニコルソンだったのだから尚更だw その後は映画と原作は別ものという見方は確立したものの、キャリー、デッドゾーン、ペットセマタリー、IT、ミザリー、グリーンマイル、映画版の良さは決して原作を下回るものではないと思う。とはいえ、今作は原作と映画の乖離が激しいシャイニングの続編、どうかと思ったものの期待は全く裏切られないのはさすが
読了日:11月17日 著者:スティーヴン キング
町奉行内与力奮闘記八 詭計の理 (幻冬舎時代小説文庫)町奉行内与力奮闘記八 詭計の理 (幻冬舎時代小説文庫)感想
シリーズの後半には差し掛かってるから、ラストは実際の主人公と大阪娘が結婚してお仕舞いって感じなのかな。しかし、この後20年近く奉行をすることになる曲渕甲斐守のキレっぷりはともかく、対する牧野大隅守はお粗末過ぎる。これで旗本上がり役の(閑職とはいえ)大目付就任とかどーすんだって感じだけど、上田解釈としては、ボンクラだけど使えないのはミスがないなら名誉&閑職に追いやって、使えそうなのは上に進ませないで現職でこき使うって感じなのかな。主人公、鍛えられて剣も政も段々成長してる感じはしてるねw
読了日:11月17日 著者:上田 秀人
舌戦 百万石の留守居役(十三) (講談社文庫)舌戦 百万石の留守居役(十三) (講談社文庫)感想
あれだわ、武侠小説とかの年寄りの方が功夫積んでる分若いのよりも強いって感じ。元より上田作品は単純な「力」を競うのでも、大抵お師匠さんのが強いので、ハナからそういうのはあった。ましてこのシリーズは弁が立つってのが重要な政と謀がメインでもあるんで、奥祐筆シリーズよりも、曲者爺を最強にしとくもわかるかなw 書いてないけど、敢えて書かないのかもだけど、上田江戸幕府の中では本多正信が一番の謀臣なんだろうね。それ故に間接的にすごさを書いてるというか。本多正信ていうと、影武者徳川家康の弥八郎正信思い出すw
読了日:11月21日 著者:上田 秀人
辻番奮闘記 二 御成 (集英社文庫)辻番奮闘記 二 御成 (集英社文庫)感想
前の巻と同じく辻番はあんまし奮闘してない記w いや、前巻に比べると、あれを機に成長した主人公でそれなりの活躍はあるけど、太陽の牙の奮闘とは別ラインで勝手にデロイアは独立しました的な、上つ方の政と謀の話って感じ。しかも松浦藩というよりも、幕府の老中達の政権争いのがメインてのもあるような置いてけぼり感。史実以上の展開をしない史実の隙間に架空の人物を放り込んでってスタイルのストーリー展開だと、上田さんの面白説を語るにはいいんだけど、ダイナミックな面白にはならないのは玉に瑕よね。
読了日:11月22日 著者:上田 秀人
日雇い浪人生活録(六) 金の裏表 (時代小説文庫)日雇い浪人生活録(六) 金の裏表 (時代小説文庫)感想
敵役としてうざい小物連中がふるいにかけられてるんだかってのが上田作品だとよく分からんのよね。何でそいつ出してるのって小悪党の無頼サクセスみたいなことやるからなぁ。史実として金権塗れの賄賂政治になるのは分かってるので、何でそうなったかやるかのと思ったら現時でもう複線も仄めかしもなく単なる作戦失敗の継続としてってのが分かったんで、その方面の話の展開はなさげ。主人公の女中との縁談が外堀埋めれらてく感が高まってるけど、そこにお庭番が食い込める余地を残してるのがどう転ぶかは気になるかなw
読了日:11月23日 著者:上田秀人
ドクター・スリープ 下 (文春文庫)ドクター・スリープ 下 (文春文庫)感想
若干。若干、ピンチ感が足りなかったのかな。悲壮な決意というにはちょっと楽観要素が多かったというかw ラストに向けての不安感があまりなかったんだよね。ダンの不調にはちょっと「ん?」とは思ったけど、真結族がちょっと弱かったんだろうな。どっちかっつったら、ラスボス・ローズ戦の前のクロウ戦のがスリリングではあったかな。とはいえ、とうに失ったと思ってた家族との絆を、新しいソレではなく、かつてあったはずのソレを去り際のオーバールックで再確認する二人にはちょっとグッと来た。映画のニコルソンにはありえないシーンだろうねw
読了日:11月25日 著者:スティーヴン キング

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