行くならどっち?『旨い店』と『美味い店』

広島食い道楽雑記
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一皿目 『旨い』と『美味い』の違いとは

2007-11-16 | 食雑記
一皿目『旨いと美味い』

パソコンで『うまい』を変換してみると『旨い』と『美味い』が出てきます。
他にも『上手い』や『巧い』も。
食に関することで言えば『旨い』と『美味い』でしょう。
この二つの漢字の違いが気になります。
どう違うのでしょうか?

感覚的には、勢いがあり豪快な料理を食べた時、発する言葉が『旨いっ!』であり、
それより少し上品な表現が『美味い』ではないかと思いますが・・

まずは辞書で調べてみます
うまいとは、飲食物などの味が良いこと。(美味い・旨い)おいしい。技術や技量が優れている。(上手い・巧い)都合が良い。好ましい

う~む、言葉の意味としては考えていた通りでしたが美味いと旨いの区別の仕方までは書いてなかったか・・

では、語源から考えてみます。
うまいは「味が良い」の意味が原義であると仮定してと・・
日本では古くから、甘みが美味とされており、特に果物がその対象であったと考えられます。
ということは語源は果実が熟して甘くなるところから熟す(じゅくす)から熟む(うむ)となり、うまいとなったと考えられます。
その証拠にお手元のパソコンで「うまい」を変換してみてもらうと前述の4つのうまいの他に常用外漢字として『甘い(うまい)』が
出てくると思います。
このことからも古来日本では甘い=うまいと考えられていたと思います。

で、漢字がなぜ2種類あるのかを考えてみましょう
ここからは思いっきり乱暴な仮説です。

まず『美味い』の方はたぶん(あきらかに)当て字でしょうから、こちらの方が新しい漢字と考えられます。
さて、そこで『旨い』です。
『旨い』の漢字 他にも見た事ありませんか? 魚編に旨いで鮨(すし)ですよね。他には?
月編に旨いで『脂(あぶら)』になります
今は『月編』と書きましたが読み方は『つき』ではなく『にくずき』なのです。
体に関する漢字には大抵この(にくずき)が与えられていて、肌、腹、胸、脳、臍、脂肪、肥、
脇、腺、肘、肺、肝、腸、肛、股、脚、腱、胚、脈等が、そうです。
と、言うことは(にくずき)が与えられている『脂』というのは身体に関係する漢字なんでしょうか。
古来、漢字は読んで字のごとく漢(中国)から伝わったものですから旨いももちろん中国から伝わってきたものではないでしょうか。
今も昔も中国は日本とは比較にならないくらいの油の文化をもっています。油の種類だけでも何種類あることやら・・
その事から『果物=あまい』をうまいとしてきた日本とは違い、中華圏では油(=脂)をうまいとしてきたのではないでしょうか
その意味から<体に必要なものとしての(にくずきがついた)>脂から変化し=旨い(うまい)となったと考えるのは乱暴でしょうか。

そう仮定するなら旨いは『濃い・脂の旨み・肉・魚の脂肪分のおいしさ』であり
その後出来た新しい言葉である『美味い』はそれよりさっぱりしておいしい料理の時使用するようにしたんじゃないでしょうか

結論らしきものはでましたが、あくまで乱暴な仮説なのでこの件については追跡調査とします(一皿目から・・)

※ちなみにサカナのサンマも『イサウマナ(磯・甘味)』から『サムマナ』⇒『サムナ』⇒サンマとなったとする説があることも付け加えておきます。
  俗説にしてもやはり日本人はウマナに甘み(あまみ)とつけちゃうのね