今日の秋櫻写

こちら新宿都庁前 秋櫻舎

台湾写真日記 2

2014年05月28日 20時45分34秒 | きもの

台湾のつづき。



タクシーに分乗して台北の夜の街へ。
ご飯をたべに!
レッドカーペットだ。



「欣葉本店」もまわるテーブルのあるレストラン。
牡蠣とイカの揚げ物と
切り干し大根の玉子焼きと杏仁豆腐が
とりわけおいしかった。
台湾ビールもね!

それとこの爪楊枝が優秀だと話題に。
プラスチック製なのだけど、片方が鳥の羽みたいに
なっていて、歯間ブラシとして使えるのだ。
これ、すごくいいよね~、日本にもあるといいのに
とみんなで盛り上がった。




翌日はワタシたちは観光日♪
小型バスを一台チャーターして夜まで
たっぷり予定を組んだ。

台湾人のもと社会科の先生だった黄(コウ)さんが
ガイドをしてくれた。
真ん中がこーさん。きれいな日本語を話す。

ドライバーはおじいちゃんとおばあちゃんが
超親日派だという林(リン)くん。
だから林くんも日本人が大すきだった。
感謝。






まずは王道の故宮へ。

ものすごーく混んでいたのだけど、
聞けば、中国の人が台湾に旅行で来るようになってから
劇的に混雑するようになったのだそうだ。
確かに以前に来た時はもっとガラーンとしていて
薄暗い感じだったので、中に入ってびっくりした。

ワタシたちはきものを着ていたので、
日本人観光客にもたくさんたくさん声を掛けられた。
わかるなあ、その気もち。

展示品は陶器や象牙の細工がとりわけすばらしかった。
有名な白菜もみたけど、精密できれいだったな。

ただ故宮に限らず、ヨーロッパやアメリカの
美術館、博物館に行ったときもそうなのだけど、
そこまで「キてるよ・・・」というような、
ほとんど泣きたくなるくらいの畏怖に近い感動は
よほどのものじゃないと得られないのだった。

思うに、ふだん日本の美術品を見ているからだと思う。
日本の研ぎ澄まされた美感というのはやはり
半端ないのであり、逆に外国のものを見ると、
その日本の作る人々の異常な技と表現力の越境ぶりを
再認識するのだった。

同じ物づくりをしている外国人なら
余計にその突き抜け感を感じるんじゃないだろうか。
怖いと思うんじゃないだろうか。

今回は時間が限られていたので、要所要所をおさえる
ショートカット的な歩き方をしたのだけど、
そう、こーさんは内側に象形文字がびっしり書かれた壺とか、
古い時代の道具については熱く語るのに、
ワタシたちが「わあ、きれいねー」と反応する品々は
ことごとくかるーくスルーするのだった(笑)




お腹が空いたのでランチ。
辛いワンタンが有名だという「四川呉抄手」へ。
Mさんが調べてくださったお店。
おいしかった。
ここでも地元の人がみんなバーっと入って来て、
だーっと食べて、サーっと帰るというパターン。
大分慣れてきたような。

いずれにせよ、ビールがうまい。
ゴクゴクと喉を鳴らしてのむのです。




お次は龍山寺。



入口からすでに、ものすごい人人人。
中に入ったら花の嵐。
そして熱気!

「おやーーー???」

なんとこの日は年に一度のスペシャルデイ。
旧暦の3月23日に行なわれる台湾の神さま、
媽祖の誕生祭だったのだ。

ラッキー




龍山寺にはたくさんの神さまが祀られているのだけど、
花とかお供え物は、各々の神さまに宛ててあるのが面白い。
こう、自分の贔屓の役者にプレゼントする感覚なの。





人でごった返していたけど、そこにいるのは
信心深い台湾の人たちである。
きもの姿のワタシたちに
本当にとても親切にしてくださった。
中でも年配の方々は、小説や映画の中でしか
聞いたことのないような美しい日本語で
話しかけてくるばかりか、目がものすごく優しいのだ。

その振る舞いにすごく琴線に触れるものを感じたし、
これで感じなかったらワタシはダメだろう、そう思うくらい。

だってこんなに混んでる日に観光客が来るわけでしょう?
別に日々信仰してるわけでもないよそ者が。
しかもきものを着て。
チっと思ったっていいはずだ。
もちろんそういう人もいたと思う。
でも、きものを見るときの、
「おきもの、お召しになっていらしたのね」と云うときの
あのノスタルジックな目は何だろう。

ワタシ、もっとちゃんと台湾と日本のあの期間の歴史を
知らなくてはならない、と思ったのもこのときだ。
なぜならあの表情や振る舞いをもっと深く理解できるから。
今のワタシでは足りない。

火をつけたながーいお線香の束をもって
煙だらけの境内をまわりながら、一本ずつ各神さまに供えていく。

この人ごみである。
きものが汚れるのはまったく気にならないが
(そんなのはあとで洗えばいい)、
線香の火で穴があくのは洒落にならない。
でもそれも覚悟した。
開き直りつつも、ドキドキしつづけたけども、
みなさん気づかってくれたからだろう、
きものに穴があいた人はひとりもいなかった。

この祭りは色彩の洪水。
エネルギッシュ。
境内の色彩も飾りも実にキッチュで、
大らかな信仰心も堪能できた。




台湾で今最も新進気鋭なお店として有名な
「微熱山丘」本店へ。
パイナップルケーキを買いに。
東京の青山にも支店がある。

素材は国産のオーガニックなものを使用という
今時のヘルシー志向のコンセプトがウケている。

ここはパイナップルケーキしか売っていなくて、
お店に行ったらまずケーキと烏龍茶が
ふるまわれるというシステム。
店内のインテリアもトーキョーっぽい感じで、
なんだか台湾にいる感じがしないのも面白い。

みんなで山のように購入。




ワタシ的に大本命の九份。




色々行ったけども、かつて金山として栄えた
この「九份(きゅうふん)」が異国情緒にあふれていた。

狭い狭い道はアップダウンが激しいままにくねり、
両脇には食べ物や土産物の店がひしめき。
そこを通る8人のきもの姿にはほとんどの人が振りかえる。

日本人や台湾人が声をかけてきたり、写真を撮られたり。
ワタシも一団を離れてみた時には
すごく面白い光景だなと思った!




ということだそうです。

「千と千尋の神隠し」に加え、
トニー・レオンが出ていた映画「悲情城市」の撮影に
使われた茶館でお茶をしたのだった。
なんてうれしいんだろう!



お茶をしたのは、
ワタシの後ろに写ってる茶館の最上階。
宮崎駿好き、トニー・レオン好きのワタシにはたまらない。
感激しっぱなし。

ここではのーんびりお茶をのみながら
日が暮れるのを待った。
ゆーっくり。
じかんはゆーっくり流れていく。
ただ日が暮れていくのを待ちながら
あてどもないおしゃべりをしながら。

ひさしぶりじゃなかろうか。
何にも追われない。
ケータイも鳴らない。
メールなんか知らない。

向こうに見える東シナ海の景色もぼーっときれい。
で、暗くなると、真骨頂である。
赤い赤い無数の提灯が九份を彩るのだ。

ごっ機嫌!




キュートなTさま。
きものと九份。
ワタシのお気に入りの1枚。




夕暮れ時のブルー。
下は交番の前!




赤が大陸の赤だ。
九份、目にもたのしいとこだったー!


さてホテルへいったん戻って
台北の夜の街へ繰り出す。
ディナーをたべに。

とにかく食べつづけた。




この日はちょっとハイソなレストランへ。
海鮮ものが得意な店で、
あわびのスープが抜群だった。
ビールで乾杯してから、紹興酒をのみつつってな感じ。
毎日よく動くしたのしいから、お酒もおいしいお酒だ。
ブロッコリーの茎の炒めものもおいしかったな。

ここは6人で行ったのだけど、メニューはコースしかない。
うーん、量がなあと思っていたら、4人前で作って
とり分けてくださった。
ホテル近くの「真的好」というお店。
英語OK。
トイレがTOTO。

ワタシたちが観光をしている間、
比佐子さんと山岸さんは台北三越でお仕事。
きものの講演会である。





Mちゃん、ここでも振り袖で協力してくれて。
ありがとうござい!
着つけの実演も振り袖バージョンだ。
にしても、かわゆい。



比佐子さんは先日カヤ先生が着た
夜桜の訪問着。帯は源氏香。
きものの裾の赤いぼかしは薪火だろう。
物語のあるきもの。
イマジネーションをかきたてるきもの。


で。朝なんですが。
この福華飯店の朝食はかなり充実していて。
バイキングスタイルなのだけど、
台湾食、洋食と選べる上に
ちゃんとどちらもおいしいというね。

台湾は豆乳天国でもあるので、朝食にも必ず
あたたかい豆乳が用意されているのもすてきだった。
ワタシ、豆乳大すきなので!

台湾の豆乳は慣習的に飲まれているものなので、
とても新鮮で、豆乳を味わいましょうという素朴なお味。
塩辛い乾物的なものを入れて、おかゆのようにしてたべる
食べ方もあったけど、ワタシは少し甘くして飲むのがすきだった。

そしてですね。




台湾といえば、足つぼマッサージ。

秘かに行けたら行きたいなあと思っていたのだけど、
地理的にホテルの近くにいいところがあると、
やっぱり行きたがっていたTさんが見つけてくれて。

「わあー行こう!」

朝が死ぬほど弱いワタシがぱちっと起きるんだから
旅の力はすごい。

ワタシとTさんはおいしい朝ごはんをたべてから
ここのマッサージを受けた。
すごくよかったので、結局二日間も通った(笑)

「十足健康」というお店。
志村けん氏が行きつけらしく写真が飾ってあったり。

ここは何せロケーションがきもちいいのだ。
ビルの高層階に入っているのだけど、
窓から見える緑やビル群が、朝の清涼感でいっぱい。
窓は開け放たれているから風も時折入ってくる。
そこで足や体を揉まれつづけるなんて。
最高だ。

まあ、すごく痛いんですけどね!
ワタシもTさんも痛くて痛くて、体をのけぞらせっぱなしだった。
でもモミ返しもなく、血が流れる感じで体が喜ぶのであった。
だから二回も行ったんだけど。

ワタシたちはこーんなに痛いのに、
二回めにご一緒したNさんとMさんは
ぜんぜん痛くないと云っていたのは衝撃だった!
ふたりして色々反省した。
体をいたわらねば。
体は大事です。ほんとうに。




台湾スイーツ「騒豆花」もよかった。
Yさんが行きたい行きたいとずーーっと云ってらして(笑)
最後に行きましたよ。

したらば大正解!

味がいいのはもちろん、お店も超かわいくて。
台湾の古き良き甘味やさんって感じなの。
働いている人も素朴でかわいくて、
ひと品ひと品の見た目も、窓の形までもぜんぶかわいい!
要するに、もろツボだったわけで。

みなさんもきゃあきゃあだった。
ワタシたちは旅の間中たくさん飲み喰いしていたのだけど、
ひそかに甘いものだけはたべていなくて。
よってさいごの最後に台湾スウィーツを堪能したことになる。

しかも、ここはなんとYさんのおごりに!
色んな歓声のあと、拍手まで出た(笑)
Yさん、ありがとうございます。

ラストは帰りの空港。



バナナは持ち込めないので、
ここで食べるMさん(笑)。
それをたのしそーに見守る比佐子さん。




さいごにみんなで1枚。
また寒いトーキョーに戻るので、
上に一枚羽織ってる。


そういうわけで。
台湾写真日記、完。

台湾、ますますすきになりました。
充実したすばらしい旅でした。
きものを着つづけたことで、何もかも倍のことを体験し、
また感じた旅だったなと思います。