今日の秋櫻写

こちら新宿都庁前 秋櫻舎

学者にきいた絹

2014年05月16日 22時11分34秒 | きもの

花金!

今日は午前中に撮影をし、
それからごはんをダーっとたべて姐さんと横浜へ。
いつも仕立てをお願いしているところで
寸法のあれこれをみっちり聞いてきたのだ。
文句なしに充実していたが、
なんというか、あっと云う間の一日でもあった。
帰りの電車で

「今日・・・なんか早かったよね」

と云ったら

「さっき行ってきまーすってうち出てきただよ」

ほんとだよ。


さて。
本日は4月の「ナイト・コスモス」から。

ゲストは農学博士の平尾 蔵(ひらお・ちょうぞう)先生。
絹のものすごい効果について、
どのようにものすごいかについてお話していただいた。



要約してみるに。


絹は昔から健康によい、と経験的にいわれてきた。

絹の主成分である「セリシン(タンパク質)」は
平尾先生が研究した「中性還元精練」という方法で抽出すると
非常に純度の高いセリシンができる。

セリシンとは絹糸を覆っているアミノ酸タンパク質で、
人間の肌の成分に極めて近い組成である。

それをなんとか体にいいものとして活用できないかと考え、
そのセリシンを入れた石鹸を作ると、大変肌にいいことが分かった。

さらにセリシンの中にある繊維質である
フィブロイン(これもタンパク質)」を溶かして石鹸に入れてやると、
最初のセリシン石鹸を上回る高品質の石鹸になった。

かたや石鹸作りのなかでわかったのは、
絹が健康繊維であるというその原因物質。

それは「ポリフェノール」。
絹には上質のポリフェノールが含まれている。

赤ワイン、ココア、緑茶など、
身近な飲み物に多く含まれているポロフェノールは、
100種類以上あると云われており、
我々が健康に生きてゆくためには
多種類のポリフェノールが必要だといわれている。

しかし、このポリフェノール、
動物が自分では作り出せない。

だから我々は外部からポリフェノールを摂取しなければならず、
色のちがう野菜をできるだけ種類多くたべなさい、
というのもそのため(色のちがう野菜にはそれぞれ異なる
ポリフェノールが含まれているから)。

一方で、病気や老化現象は「体の酸化」から起こる。
鉄がさびてくるのをイメージするとわかりやすい。

生物は生きていくために酸素を必要とするが、
その酸素が食品添加物や紫外線、ストレスなどによって
変化して生じる「活性酸素」は、増えすぎると
体内の細胞を酸化させてサビさせてしまう。
これがつまり、病気や老化現象となる。

で、ポリフェノール。

ポリフェノールは酸化しやすく、
その際にまわりから酸素を取り込むので、
強力な還元剤(還元:酸化したものを元に戻す)として機能する。


ということは、すなわち

ポリフェノールを含む絹を素肌にまとうと、
肌から酸素を取ろうとする=肌の酸化を防ぐ=肌を若返らせる!

絹の石鹸で顔や体を洗うというのも同じである。
肌の表面で抗酸化作用が起こる。

ここでは「素肌に」というのが大事。
直接肌に触れさせることで、
絹のポリフェノールは効果を発揮する。


平尾先生は現在、石鹸のほかに、
化粧水や入浴剤を作っておられるのだけど、
秋櫻舎でもリピーターがとても多い
(ワタシたちも使ってます)。

そしてワタシがこの話をきいて真っ先に思い浮かべたのは
比佐子さんのこと。

手前味噌になってもかまわない。
比佐子さんははっきり云って、見た目が相当若い。
中身も健康である。
病院通いが一切ない。常服薬もなし。

そんな比佐子さんが他の人と最もちがうことといえば、
毎日のようにきものを着ていることだ。
それも絹のきものが大半だ。
しかも下着から何まですべて絹。

もちろん、夏には麻のきものも着るけどね!


こんな風に、ワタシは身近なところで
生き証人を見ているようなものなので、
この話はすぐに腑に落ちた。

というわけで、あらためて
肌に近いもの、触れるものほど良質の絹にしようと
思ったワタシである。

たべものに気をつけている人はとても多いけども、
着るものも同じくらい大事だと思う。
だってワタシたちは毎日欠かさず
何かを着ているんだもの。

なんか自分で書いててすっきりした!


お次は5月の「ナイト・コスモス」。
こちらのゲストも農学博士の横山岳先生。
東京農工大で教鞭をとっている現役の先生でもある。





横山先生は2度目の登場で、
前回は日本の養蚕農家について、
そして今回は蚕の生態と世界の蚕について
話していただいた。

上の写真をご覧の通り、大盛況。
プロジェクターを使っての話は大学の講義のようだった。
頭にすっきり整理されて知識が入っていくのは
本当に気もちがいいものだ。

平尾先生、横山先生、
すばらしいお話を聞かせていただき、
ありがとうございます!


さ、明日はアッハン塾。