今日の秋櫻写

こちら新宿都庁前 秋櫻舎

雨の浅草、初夏のコーデ

2011年06月04日 13時16分51秒 | きもの

今日は久しぶりにいいお天気。
そして久しぶりに寝倒した!

すきな夜は数あれど、
目覚ましをかけないで眠れる前夜ほど
うれしい夜ってあるかしら。

いいお天気だから洗濯もいっぱいするのだけど、
こんなのすぐに乾いちゃうわ。
うれしいなあ。


さてさて。
ちょっと前戻っておとつい。

雨降る浅草へ姐さんと。
お仕事で。



雲と霧で消え入りそうなスカイツリー。
なんだか幻みたいな儚さだったので
思わず姐さんに立ってもらう。
姐さんは幻じゃない。




帰りは浅草寺の横っつらから入って、
仲見世を通って帰る。
これは朱塗りの柱のところ。

姐さんは紺色に綿の雨ゴート。
細いたて縞がしゅっと姐さんっぽい。


お次は昨夜。
ナイト・コスモスの前に着つけレッスンの
おさらい会にいらしたおふたりを。



高橋さん♪
なんとこのおきものは、ご自分で縫った第一号なのだ。

米沢紬の単なのだけど、紅花染が入ると、
うっすらピンクのベールが漂う。
この感じ、肉眼だとすごく分かるんだけど。




絽の染め帯。
桔梗になでしこ、女郎花に萩など秋の草花が
美しく優しい風情で描かれている。
立夏を過ぎたから、季節先取りで。

この地の色がなんとも云えない
優しいイエローでワタシ、すきなんだなあ。
桔梗の青がきれいに映えるし。
これはちなみに熊崎センセの作で、
高橋さんと比佐子さんがふたりで
話しあいながら作った帯。

「きれいな帯ですよね。この地色もほんといいですよね」

「私もこの地色、きれいですきなんです」

すきなものはさらに身に寄り添ってくる。
きもの談義は数あれど、こういうやり取りを
しているときって、とても楽しい。




こちらはいつも声と日本語が美しい島立さん。
ほんとに鈴を転がしたような声なのだ。

「お写真、撮らせてください」

と申し上げると

「あら、いいわよ」

なんてね。
転がる転がる。

で、右手は椅子の背もたれに、
左手はぴっとかわいく跳ね上げてにこっ。

うーん、元気出るなあ・・・!

お召し物は、本場結城ちぢみの単に
帯も結城。



ちょっと写真は暗めになっちゃったのだが、
透明感のあるねずの縞が島立さんによくお似合い。

帯はこれ、「つばめ」を意匠化した絣柄なのだ。
おしゃれでしょ。

きものと帯は比佐子さんのお見立てなのだけど、
そこへ藤紫の帯あげ×辛子色の帯〆を
持ってきたのは島立さん。
これもすごく効いていて素敵。

島立さんはもう少しうまく着つけたいからって
ワンポイントレッスンとか、半衿の付け方の
おさらいなどにちょこちょこ来て下さるの。
いいなあ。


おしゃれ心って花のタネみたいだ。
花のタネをいっぱい蒔いて、
着つけているときの鏡の前か、
それともみんなの前に出たときか、
その花がいつひらくかは分からないのだけど、
何かの拍子にぱあーっとひらく。
そしたらみんなもわあーってなる。

匂いだったり、色だったり、
みんなその花に心安らいだり、
うれしくなったりする。
優しくなったりする。

ああ、女は花だわ。
花なんだわ。

ワタシは色んな花がみたい。

思う。


なお、結城ちぢみの単は初夏や初秋など、
夏の前後の、まだすこし肌寒い日なんかに
ぴったりです。

なにせ軽いし、風合いはさらっとしているのだけど、
ちゃんと程よくあたたかいってのは、
真綿から紡いだ糸で織る結城ならではであります。


追伸

昨日の朝、電車の中で立っていたら
20代のかわいい男の子が、
なぜなんだ、なぜなんだ、
ワタシに席を譲ってくれたのだった。

なぜなんだ・・・。

別にお腹も出ていなかったし(ワタシは胃下垂)、
荷物もことさら多くなかったし、
具合だって悪そうじゃない。
強いていえば、きものを着ていたくらいだ。

まさか、き、きものを着ていたから?
そしてそれがさり気なくなかったから?

げげっ。

席に座りながらも、考える考える。
ねえ、どーして???

もしきものを着ていて大変そうだなーって
思って席を立ってくれたのだとしたら。

反省会しなくちゃいけない。

後学のためにも、やっぱりあの子に
きけばよかったなあ。