中国ビジネスブログ「漢和塾の窓」

中国語や中国ビジネスに関連するテーマを、漢和塾の小川がつらつらと書き綴る・・・

中国進出!まずは100店舗・・・ちょっとその前に!

2010-09-07 13:25:59 | 中国
汗だくで炎天下を駆け回る日々の合間に、引き続き、新聞の切り抜きをやっています。相変わらず、■■企業が中国生産を倍増!■■レストランが中国進出、まずは100店舗!と言った文字が毎日のように躍ります。日本の市場の縮小を見込んで、あるいは追い込まれての中国進出は、この先もさらに加速することでしょう。

ご存知のようにユニクロは、中国に1,000店舗計画をぶち上げました。現在、中国本土で50店舗強ですから、その増加率は一瞬無理があるように感じる人もいるかも知れません。が、冷静に市場を分析すると、人口が1億3,000万人の日本でもすでに800店舗強もある中で、中国を13億、真水の消費人口を4掛けの5億2,000万としても、日本の4倍。単純計算では、中国本土で、3,200店舗があってもおかしくないことになります。

「真水が4掛け」の理屈ですが、日本の市場は、①2割の富裕・上流層、②6割の普通の人々、③2割の厳しめの方々がいると言うのが私の感覚ですが、中国本土は都市、農村の全部を見たわけではありませんが、①の層がすでに1割、②の層が軽く3割を超すのではないかと分析しています。中国人はまだまだ・・・と、中国を少し見ただけの評論家が否定するのも、農村部に限らず、都市部にも、かなり生活も厳しい方々が多くいるわけで、6割もいると仮定すれば、「この国はまだまだ」と言う印象をもつのは理解できなくもありません。

が、②は、まさにユニクロが普通に買える層であり、①と②を合わせれば4割、5億2,000万の「市場」がすでに都市部、地方の主要都市には存在しているわけで、店舗戦略が重要な衣類、飲食などのお店にとって、どのような優先順位で、どこに店舗を集中させるかは非常に重要なことは、国内外に関わらず言うまでもありません。

問題は、日本であれば、東京・大阪・名古屋・福岡・札幌を押さえれば、全国展開を果たしたような気になりますが、その感覚で、上海・北京・天津・重慶・広州などに出店したとしたらどうなることでしょうか?これは、ヨーロッパに進出して、ローマ・パリ・マドリッド・ヘルシンキにそれぞれ一店舗ずつ、ブティックやファミレスを出すようなもので、超高級ブランドのアンテナショップでもない限り、一つの都市でさえ勝ち残れないのではないでしょうか?

この中国の市場の規模感がわかっていれば、ユニクロのは最低1,000店舗は理解できます。もし100店舗しか当面出せないのであれば、上海近郊で100店舗、あるいは四川省と重慶で100店舗、東北3省で100店舗くらいの思い切った選択と集中が必要なはずだと思います。大手企業になればなるほど、中国全体を相手をせざるを得ませんが、中堅・中小企業の戦略としては、湖南省の平和堂などの事例も見習いつつ、ヨーロッパのどの国を狙うかと同じように、中国のどの省、あるいはどの市を狙うかを考えたほうが得策かも知れませんね!





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