-ふたたびアメリカ・サンフランシスコの路地-
お世辞にもかわいいとは言えない風体の犬が
フィールドの周囲をうろついていた。
さきほどかまきりに吹き飛ばされ気絶した者に
近づきにおいを嗅いだり、服の袖を引っ張ったり
していたが、まもなくまるでフィールドが見えて
いるかのようにその入り口に座った。
「こたつ。らいぞう。ほらっ、あれが有名な
おんぶかまきりだ。かまきりがバッタをおんぶ
してるだろう。
あれっ、でも本来はバッタがかまきりをおんぶ
しているのではなかったかな。」
そう言って、犬がふたたび目をやった時、そこには
バッタがかまきりをおんぶした姿があった。
「やあやあ、お久しぶりです。地球王子。」
「そちらこそ元気ですか。名誉将軍と名誉隊長」
お世辞にもかわいくない犬はかまきりとバッタに導かれて
フィールドにはいっていった。
*************
「将軍。地球防衛隊情報部の精鋭たちがみごとに
気絶されられている。
彼らはここで最近発生している人の発火事件
を捜査していたのだが何が起こったのだい。
この騒ぎで周辺の虫密度が高まってきている。」
「王子、お騒がせしましてすみません。
実はカノン様つき童子のおひとりが人に生まれて
いる最中に身体の調子がおかしくなってしまい、
カノン様がフィールドに呼び寄せたところです。
このフィールドを防衛隊に知られるわけにいかず、
しかたなく無力化しました。
童子は身体が燃える奇病にかかったようです。」
「それは大変だったな。それより、
焦げ臭い匂いがたちこめているが
その童子は今どこに。」
王子はカマキリが鎌で指した先を見た。
そこにはもう形もなくなった白い灰の山があった。
<2008年1月27日発表稿の見直し>
お世辞にもかわいいとは言えない風体の犬が
フィールドの周囲をうろついていた。
さきほどかまきりに吹き飛ばされ気絶した者に
近づきにおいを嗅いだり、服の袖を引っ張ったり
していたが、まもなくまるでフィールドが見えて
いるかのようにその入り口に座った。
「こたつ。らいぞう。ほらっ、あれが有名な
おんぶかまきりだ。かまきりがバッタをおんぶ
してるだろう。
あれっ、でも本来はバッタがかまきりをおんぶ
しているのではなかったかな。」
そう言って、犬がふたたび目をやった時、そこには
バッタがかまきりをおんぶした姿があった。
「やあやあ、お久しぶりです。地球王子。」
「そちらこそ元気ですか。名誉将軍と名誉隊長」
お世辞にもかわいくない犬はかまきりとバッタに導かれて
フィールドにはいっていった。
*************
「将軍。地球防衛隊情報部の精鋭たちがみごとに
気絶されられている。
彼らはここで最近発生している人の発火事件
を捜査していたのだが何が起こったのだい。
この騒ぎで周辺の虫密度が高まってきている。」
「王子、お騒がせしましてすみません。
実はカノン様つき童子のおひとりが人に生まれて
いる最中に身体の調子がおかしくなってしまい、
カノン様がフィールドに呼び寄せたところです。
このフィールドを防衛隊に知られるわけにいかず、
しかたなく無力化しました。
童子は身体が燃える奇病にかかったようです。」
「それは大変だったな。それより、
焦げ臭い匂いがたちこめているが
その童子は今どこに。」
王子はカマキリが鎌で指した先を見た。
そこにはもう形もなくなった白い灰の山があった。
<2008年1月27日発表稿の見直し>
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます