中国海軍が大規模演習 東シナ海 尖閣想定、日本けん制
中日〈東京〉新聞2012年10月20日 朝刊
【北京=佐藤大】中国人民解放軍の海軍は十九日、東シナ海で、国家海洋局の海洋監視船と農業省の漁業監視船と合同で大規模な演習を実施した。中国メディアが伝えた。
沖縄・尖閣諸島(中国名・釣魚島)国有化に反発する中国は、国有化決定後、尖閣周辺海域に海洋監視船や漁業監視船を相次いで派遣している。演習は尖閣周辺海域を想定したとみられ、大規模な演習を実施することで、日本側をけん制する狙いがあるとみられる。中国中央テレビは「中国の漁船はここ数年、中国の主権の範囲内の海域で、他国の妨害や邪魔にあっている」ことに対する演習だと強調した。
演習には、艦船十一隻と航空機八機が出動し、千人以上が参加した。海洋監視船と漁業監視船が活動中、他国の海上巡視船と衝突して船が破損し、けが人や海への転落者が出たと想定。ヘリコプターでけが人らを医療船に搬送するなどの訓練が展開された。
中国メディアによると、今回の演習はここ数年で最も規模の大きな演習の一つで、三機関が連携した演習は過去に多くはないという。国営新華社通信によると、演習に参加した海軍東海艦隊の副参謀長は「最も重要なことは、この演習を通して、わが国の領土主権と海洋権益を守る能力と決心を十分に示すことだ」と話した。
自衛隊は十一月、米軍と合同で沖縄県の無人島で離島奪還訓練を実施する方向で検討している。尖閣諸島を想定しているとみられ中国側が反発している。中国外務省の洪磊副報道局長は十六日の会見で、この訓練について「アジア太平洋地域の平和の潮流に合致しない」と批判している。
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