日本とトルコ首脳 難民問題で緊密連携を確認
NHK NEWS WEB 11月14日 6時21分
トルコを訪れている安倍総理大臣は、日本時間の14日未明、エルドアン大統領と会談し、シリアなどからの難民問題への対応や、日本とトルコの間のEPA=経済連携協定の早期締結に向けて、緊密に協力していくことを確認しました。
15日開幕するG20サミットに先立って、トルコのイスタンブールを訪れている安倍総理大臣は、日本時間の14日午前0時すぎから、エルドアン大統領と会談しました。
この中で、エルドアン大統領は、隣国シリアなどから多くの難民がトルコをはじめ、ヨーロッパなどに流入している問題について、「トルコは難民対策の予算だけで、すでに85億ドルを負担している状況だが、世界からの支援は4億2000万ドルにとどまっており、今後、世界からの支援の枠組みに期待したい」と述べ、各国が負担を共有すべきだという考えを示しました。
これに対して、安倍総理大臣は、「シリアの難民の流出を防ぐためには、民族や宗派、地域を問わず、すべての人が安心して暮らせる民政の安定が重要だ。中東地域の安定を取り戻すため、必要な支援に注力をしていく」と述べ、両首脳は、シリアなどからの難民問題への対応で緊密に協力していくことを確認しました。
また、安倍総理大臣は、日本とトルコの間のEPA=経済連携協定の交渉について、「引き続きしっかりと議論を進めていきたい」と述べたのに対し、エルドアン大統領も「3回目の会合まで進んでいるので早く進めていきたい」と応じ、協定の早期締結に向けて協力していくことで一致しました。
■エルドアン大統領 抱負を述べる
今月15日から開かれるG20サミットで議長を務めるトルコのエルドアン大統領は、安倍総理大臣との首脳会談の中で「今回のG20を世界のさまざまな課題を解決する場にしたい」と抱負を述べました。
そのうえで、具体的な課題として、過激派組織IS=イスラミックステートなどによるテロへの対応や、内戦が続く隣国シリアなどからヨーロッパに押し寄せている難民の問題などをあげたということです。
トルコは、先月、ISによるとみられる爆弾テロ事件によって首都アンカラで100人以上が犠牲になるなど、シリアの内戦の影響を受ける形で治安が悪化しているほか、世界で最も多いおよそ220万人のシリア難民を抱えています。
このため、こうしたトルコが直面する課題が国際社会にとっても重要な課題だと強調することで、議論をリードするとともに、課題解決に向けて各国からの支援を引き出すねらいもあるとみられます。
◎上記事は[NHK NEWS WEB]からの転載・引用です
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