安倍元首相銃撃事件から2年 2024.7.8

2024-07-09 | 社会

安倍元首相銃撃事件から2年 “被告の初公判来年以降か”弁護団

現場の献花台訪れた人は
 事件の現場となった奈良市の大和西大寺駅前には、7日から自民党の奈良県連が用意した献花台が設けられています。
 7日は多くの人が訪れ、花を手向けたあと、安倍元総理大臣の遺影に手を合わせていました。
 東京から来たという男子大学生は「悲しい事件だったので、花を供えたいと思って来ました。人を殺すのは何があったとしてもよくない行為だと思います」と話していました。
 奈良市の60代の男性は「裁判が始まっていないので、何も分からないままです。多くの人が事件の経緯などを早く知りたいと思っているのではないか」と話していました。
 献花台は去年も7月8日に設けられましたが、訪れた1人が拳銃に似た棒を振り上げる騒ぎがあったため、ことしは周囲に鉄製の柵が設置され、手荷物検査も行われています。
 献花は8日の午後5時まで受け付けているということです。

山上被告の近況と発言
 山上被告は去年、殺人と、手製の銃を所持するなどした銃刀法違反、それに国の許可を受けずに武器を製造した武器等製造法違反などの罪で起訴され、現在、大阪拘置所に勾留されています。
 被告の弁護団によりますと、ふだんは読書などをして過ごし、一般の人などから寄せられた手紙にはすべて目を通しているということですが、接見は弁護士と一部の親族以外は拒否しているということです。
 奈良地方裁判所ではこれまで、証拠や争点などを絞り込む「公判前整理手続き」が4回行われ、被告も1回目を除いてすべて参加しました。
 みずから発言することはないものの、裁判所と検察、弁護士の間のやり取りを真剣な様子で聞いているということです。
 関係者によりますと、このうち7月3日に行われた4回目の手続きでは、被告が所持していた手製の銃が法律が定める「拳銃等」にあたるかどうかなどについて議論が交わされ、被告は手続きのあと、弁護士に「興味深いと感じた」などと話していたということです。
 また、事件の報道や、旧統一教会をめぐる解散命令請求などの一連の動きについても、新聞などで把握しているといいます。
 6月20日に弁護士が接見した際には「事件によって現在のような状況になるとは思っていなかった」と話したほか、親が信者であるいわゆる「宗教2世」について「事件が2世の人たちにとってよかったか悪かったか分からない」とも話していたということです。

警察庁 各地の警察作成の要人警護計画の75%に修正指導 
 事件のあと警察庁は、従来の要人警護のあり方を大きく見直し、地元の警察の警護計画について事前にすべて報告を受ける運用を開始しましたが、各地の警察がこの2年間に作成した要人警護計画の75%について、警察庁が修正を指導していたことが分かりました。
 事件では、警察庁が当日の警備について検証結果をまとめ、▽元総理大臣の後方の警戒が不十分だったために容疑者の接近を許したことや、▽奈良県警が作成した警護計画が過去のものを安易に踏襲し、後方の危険性を見落としていたうえ、▽十分な数の警察官を配置せず、▽指揮官の役割も明記されていないなど、不備があったと結論づけました。
 警察庁は、従来の要人警護のあり方を大きく見直し、各地の警察が作成した警護計画案について、事前にすべて報告を受け、審査する運用を開始しました。
 警察庁によりますと、おととし8月からことし6月までに各地の警察からおよそ6300件の警護計画案の報告を受け、このうち75%にあたるおよそ4800件について、計画の修正を指導したということです。
 修正の内容は、▽警察官の配置や人数、▽警護対象の要人が危険を回避する際の動線の確保、▽聴衆の避難誘導方法などについてだったということです。
 去年4月には和歌山市に選挙応援に訪れた岸田総理大臣の近くに爆発物が投げ込まれる事件も発生し、警察は要人警護に専従であたる人員を全国で増やすなど、体制の拡充を進めています。
 また演説会の主催者などに協力を要請し、手荷物検査や、金属探知機を使った検査を行うこと、聴衆と警護対象者との距離を確保することなど、対策を強化しています。
 警察庁の露木康浩長官は「2年前の事件はまさに痛恨の極みだったが、1年足らずの間に岸田総理大臣に対する襲撃事件の発生も許してしまった。警護中の要人に対する襲撃を許すことは、もはやあってはならない。一つ一つの事例を教訓に不断の見直しを行い、警護の高度化を図りたい」と話しています。

 ◎上記事は[NHK NEWS]からの転載・引用です


* 精神鑑定される山上徹也容疑者を追い詰めた戦後社会の「孤独」と病理を考える


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。