2012年8月3日 滝実法相の命令により服部純也さん(東京拘置所)松村恭造さん(大阪拘置所)に死刑執行

2012-08-06 | 死刑/重刑/生命犯

法相、就任直後から死刑執行検討「冤罪の恐れない」
北海号新聞(08/03 16:29)
 滝実法相は3日午後、2人の死刑が執行されたことを受けて記者会見し、6月の就任直後に資料作成を法務省刑事局に指示し、執行を検討していたと明らかにした。
 執行命令については「司法が出した結論を行政が無視するわけにはいかない」と従来の主張を繰り返し、今回の2人を選んだ理由は「冤罪の恐れがないと考えた」と説明。いずれも再審請求していないという。
 法務省の政務三役会議で執行方法についての議論が進められているが、法相は「今のところ絞首刑を変える材料は見当たらない」と述べた。
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死刑執行:「裁判所の結論を尊重」滝法相
毎日新聞 2012年08月03日 21時17分(最終更新 08月03日 21時39分)
 滝実法相は3日午後、2人の死刑執行を受けて法務省で記者会見し「冤罪(えんざい)の恐れがない限り、裁判所の結論は尊重しなければならない」との見解を示した。一方で副法相時代に刑場を視察したことに触れ「執行官もやりきれないと思う」と複雑な心情を吐露した。
 近年は、死刑執行の直後に法相が臨時会見を開くことが定例化しているが、3日午前は滝法相が衆院法務委員会に出席していたため、午後から会見が行われた。
 滝法相は「大臣就任以来、ずっと検討してきたが(就任から2カ月という)、わりと早い時期に執行することになった」と説明。法相によって執行ペースが異なることに「それぞれの大臣の考え方があるので、やむを得ないと思う」と述べた。
 また、未執行の確定死刑囚が130人台に達している現状と、今回の執行との関係に「多いから急がないといけないというわけではなく、個別の事案として判断した」と表明。執行命令のサインをした際の心情について葛藤があったか問われると「それはあっても、(法相の)職責なので顔に出してはいけないと思う」と慎重な言い回しにとどめた。【伊藤一郎】
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死刑執行に強く抗議し、死刑執行を停止し死刑廃止について全社会的議論を開始することを求める会長声明
 本日、東京、大阪の各拘置所において、それぞれ1名に対する死刑の執行が行われた。極めて遺憾な事態であり、死刑執行に強く抗議する。
 当連合会は、本年6月18日、滝実法務大臣に対し、「死刑制度の廃止について全社会的議論を開始し、死刑の執行を停止するとともに、死刑えん罪事件を未然に防ぐ措置を直ちに講じることを求める要請書」を提出して、国に対し、直ちに死刑の廃止について全社会的な議論を開始し、その議論の間、死刑の執行を停止することを改めて求めたところである。
 死刑の廃止は国際的な趨勢であり、日本政府は、国連関係機関からも繰り返し、死刑の執行を停止し、死刑制度の廃止に向けた措置をとるよう勧告を受けてきた。しかし、本年3月、小川敏夫法務大臣(当時)は、「死刑制度の在り方についての勉強会」を終了させたのに続き、同月29日には、1年8か月ぶりとなる死刑の執行を3名に対して行った。その後、政務三役による絞首刑の在り方に関する検討が開始されたと報道されたものの、その議論状況は一切公開されないままであり、本年6月4日に滝法務大臣が就任した後もその状況は変わっていない。その一方で滝法務大臣からは「一つ一つの案件をどう判断するか考えて、職責を果たす」との死刑執行に前向きな発言がなされていた。
 しかし、死刑をめぐる議論と切り離して死刑執行がなされるべきではなく、ましてや死刑に関する議論を明らかにしないまま執行すべきではない。今こそ、死刑の執行を停止した上で、政府が中心となって、死刑に関する情報を広く国民に公開し、国会に死刑問題調査会を設置し、法務省に有識者会議を設置する等の方策をとることによって広く国民的な議論を行うべきである。
 よって、当連合会は、死刑執行に対し強く抗議するとともに、死刑執行を停止し、死刑制度の廃止について全社会的議論を直ちに開始することを求めるものである。
2012年(平成24年)8月3日
日本弁護士連合会
会長 山岸 憲司
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抗 議 声 明
 本日(8月3日)、服部純也さん(40歳:東京拘置所)松村恭造さん(30歳:大阪拘置所)に死刑が執行されたことに対し、強く抗議する。
 滝実法務大臣は、就任後わずか2か月も経過していない段階で、死刑を執行した。十分な記録の検討もされないままの拙速を極めた執行であり、慎重のうえにも慎重でなければならないという法務大臣の職責を放棄するものであって、強く非難されなければならない。
 服部さんは、一審の判決は無期懲役で、二審で死刑に逆転した。松村さんは自ら控訴を取り下げて死刑が確定した。フォーラム90が昨年行ったアンケートに、服部さんは、再審請求を行いたいが、外部交通が認められていた再審の支援者が亡くなった後、別の支援者との外部交通が許可されないので困っているという回答を寄せていた。また松村さんは、精神的に落ち込んでいてあきらめていたが、再審請求をしてみたいと書いていた。
 死刑執行は当然回避されるべきケースであった。
 死刑には犯罪抑止の効果はなく、また、被害者の救済や社会の平穏にも資するものではない。死刑は人道と民主主義に反する。
 私たちは、死刑の廃止を願う多くの人たちとともに、また、滝法務大臣に処刑された服部さん、松村さんに代わり、そして、死刑執行という苦役を課せられている拘置所の職員に代わって、滝法務大臣に対し、強く、強く抗議する。
 2012年8月3日
 死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90
 この投稿は 2012年8月6日 月曜日 11:56 AM に お知らせ, 死刑執行抗議 カテゴリーに公開されました。 この投稿へのコメントは RSS 2.0 フィードで購読することができます。 現在コメントは受け付けておりませんが、ご自分のサイトからトラックバックを送ることはできます。
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死刑執行に対する抗議声明
産経ニュース2012.8.3 13:18
公益社団法人アムネスティ・インターナショナル日本
 アムネスティ・インターナショナル日本は、本日、東京拘置所の服部純也さんと大阪拘置所の松村恭造さんの2人の死刑確定者に対して死刑が執行されたことについて抗議する。特に、死刑執行のなかった翌年に、すでに2度の死刑執行を行ったことは、死刑執行に依然として固執する政府の意思表示ともいえるものであり、強く抗議する。
 今回の執行に対しては、以前から間近の執行が危惧されていたため、アムネスティはUA(緊急行動)を起こし、滝法相と政府に対し、執行をしないよう求めていた。そして、世界中のアムネスティの会員から、当局に対して、執行停止などを求める要望が寄せられていた。
 滝法相は、本年6月の就任後の衆院法務委員会で、執行は法相の職責であり、執行をするとの考えを明言していた。確かに、死刑は我が国の法に定められた刑罰であり、滝法相は、法にのっとった執行をなすべきことが法相の職責であるとする。しかし、法の内容が国際人権基準に反するものである場合には、その法を改正すべく努力することもまた、政府、法相および法務省に課せられた義務である。日本政府は、国連総会決議、国連人権理事会の普遍的定期審査、そして国際人権規約委員会の勧告等で、再三、死刑の廃止に向けて努力することを強く要請されていることを忘れてはならない。
 また、小川前法相から引き継いだ死刑制度に関する議論については、非公開の政務三役会議に留め、進捗状況も国民に十分に知らされていない状況であった。十分な情報公開のない議論で、かつ、執行を続けながらの検討では、死刑の是非に関して国民に考える機会を与えず、死刑制度を維持しようとする政府の偏った姿勢と見なさざるを得ない。政府および法相は、死刑の在り方についての議論を有識者を交えた会議や国会等の場に移すなど、政治的リーダーシップを発揮し、死刑制度について、より開かれた国民的議論を喚起するよう速やかに努力すべきである。
 アムネスティは、あらゆる死刑に例外なく反対する。死刑は生きる権利の侵害であり、究極的な意味において残虐で非人道的かつ品位を傷つける刑罰である。アムネスティは日本政府に対し、死刑廃止への第一歩として、公式に死刑の執行停止措置を導入するよう要請する。
 日本政府は、国際人権諸条約の締約国として、死刑に頼らない刑事司法制度を構築する国際的な義務を負っていることを改めて確認しなければならない。そして、日本政府は、生きる権利をはじめとする人権保障の大原則に立ち戻り、死刑の執行を停止し、死刑廃止に向けた国民的議論を速やかに開始すべきである。
 2012年8月3日
 公益社団法人 アムネスティ・インターナショナル日本
【背景情報】
 我が国は、国際社会の責任ある一員として、死刑廃止に向かう世界の情勢も十分に考慮しなければならない。現在、全世界の7割に当たる141ヵ国が、法律上または事実上死刑を廃止している。アジア太平洋地域においても41ヵ国のうち28ヵ国が、法律上または事実上、死刑を廃止している。東アジアでは、韓国が2008年に事実上の死刑廃止国となり、現在まで14年間、執行を停止している。さらに、本年3月13日にはモンゴルが、そして7月5日にはベナンが、「市民的及び政治的権利に関する国際規約」の第2選択議定書(いわゆる死刑廃止議定書)に公式に加入した。死刑廃止へと進むこれらの国の多くで、世論の多数は死刑の存置を支持していたことを踏まえると、死刑廃止へと国民を導く政治的リーダーシップがいかに重要かがわかる。
 アメリカは、G8諸国内で日本と並ぶ死刑存置国ではあるが、本年4月25日には、コネチカット州で死刑が廃止された。現在、全50州のうち17州とコロンビア特別区が死刑を廃止しており、死刑廃止州の割合はついに3分の1を超えた。さらに、昨年11月22日にはオレゴン州知事が任期中の執行停止を表明している。2011年に、実際に死刑を執行したのは、13州にとどまっている。
 冤罪の危険性も、死刑廃止の重要な論拠である。とりわけ、現在も再審請求の審理が続く袴田事件では、代用監獄や捜査取調べ中の自白強要など、冤罪につながる日本の刑事司法の問題点が、数多く指摘されている。そして、本年4月16日には、冤罪の決定的な証拠ともなりうるDNA鑑定の結果が提出された。国家が引き起こす冤罪による長期間の拘禁と処刑は、「究極の不正義」である。刑事司法から誤判の可能性を完全に払拭することができない以上、死刑という取り返しのつかない刑罰を行使すべきではない。
 死刑に特別な犯罪の抑止効果はない、ということも今日の世界的な共通認識となっている。科学的な研究において、死刑が他の刑罰に比べて効果的に犯罪を抑止するという確実な証明はなされていない。死刑と殺人発生率の関係に関する研究が1988年に国連からの委託で実施され、1996年と2002年に再調査されているが、最新の調査では「死刑が終身刑よりも大きな抑止力を持つことを科学的に裏付ける研究はない。そのような裏付けが近々得られる可能性はない。抑止力仮説を積極的に支持する証拠は見つかっていない」との結論が出されている。また、いわゆる「みせしめ」としての死刑は、国家による究極的な暴力に過ぎない。人間の生きる権利を、政治的社会的な目的のための手段とする発想は、国際人権基準に照らし、決して許されるものではない。
 アムネスティは、死刑判決を受けた者が犯した罪について、これを過小評価したり、許したりしようとするわけではない。しかし、被害者とその遺族の人権の保障は、死刑により加害者の命を奪うことによってではなく、国家が経済的、心理的な支援を通じ、苦しみを緩和するためのシステムを構築すること等によって、成し遂げられるべきである。
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日本の死刑執行は遺憾=EU
【ブリュッセル時事】欧州連合(EU)のアシュトン外交安全保障上級代表(外相)は3日、日本で2人の死刑囚に刑が執行されたことを受け、深い遺憾の意を表明した。
 EUは声明で「死刑は残酷かつ非人道的。いかなる場合も例外なく死刑に反対する」と訴えた。(時事通信2012/08/04-06:56)
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死刑執行:松村死刑囚執行 1審の弁護士「思い、言葉にできない」/京都
毎日新聞 2012年08月04日 地方版
 07年1月、長岡京市の伯母(当時57歳)ら親族2人を殺害するなどした松村恭造死刑20+件囚(31)の死刑が執行された3日、京都地裁での1審(確定)の弁護人だった堀和幸弁護士(京都弁護士会)が取材に応じた。判決確定後も交流していたという堀弁護士は「死刑20+件執行についてはいろいろな思いがあり、悲しみや残念という気持ちを通り越し、言葉で表せない。(松村死刑20+件囚は)当初は死刑を望んでいる様子もあったが、どんな思いで執行されたのかは分からない」と複雑な思いを語った。
 伯母宅の近くに住む無職男性(87)は「近所の人から慕われていた。死刑執行には驚いたが、(伯母の)苦しみを思えば当然ではないか」と話した。【田辺佑介、村田拓也】
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