「イスラム国」に忠誠 15カ国29組織、テロ激化懸念 / 残虐行為の裏には“処刑の教科書”

2015-02-18 | 国際

 産経ニュース 2015.1.31 08:32
【イスラム国殺害脅迫】「イスラム国」に忠誠 過激派呼応、拡大の一途

    

15カ国29組織、テロ激化懸念
 【カイロ=大内清】イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」に忠誠を誓ったり支持を表明したりしている過激派のネットワークが、昨年6月にイスラム国が「カリフ制国家」を自称して以来、拡大の一途をたどっている。米国のテロ情報分析会社インテルセンターの調査では少なくとも15カ国29組織に達しており、イスラム国に呼応したテロの危険性も高まっている。
 調査によると、イスラム国系組織は、中東・北アフリカ各地のほか、南アジアのインドやパキスタン、アフガニスタン、東南アジアのフィリピンやインドネシアにも存在。それぞれの組織がどの程度、イスラム国とのつながりを持つかは不明だが、こうした「下部組織」はイスラム国に参加する戦闘員の供給源にもなっているとみられる。
 これらの組織の中には、国際テロ組織アルカーイダから資金提供を受けていると指摘されてきたフィリピンのアブサヤフなど、アルカーイダ系と目されてきた勢力も含まれている。
 そうした組織は豊富な資金を背景に急成長したイスラム国の威を借りることで求心力の強化を狙っているとみられ、今後は各地のアルカーイダ系組織の間でイスラム国への「乗り換え」が進むことも考えられる。
 半面、過激派の“本流”の座を脅かされているアルカーイダ系が、存在感誇示のためにテロ活動をさらに活発化させる懸念もある。
 一方、イスラム国は現代国家の国境を否定し、自分たちに従属する者が活動する土地をバーチャルな“領土”と宣言している。
 29日にはエジプト東部でイスラム国系組織のテロが発生したほか、リビアでも27日、イスラム国支部を名乗るグループによるテロ事件が起きたが、イスラム国がこうした組織の存在を理由に、各地を自らの領土と主張する可能性もある。
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2015.2.18 09:18更新
【イスラム国】残虐行為の裏には“処刑の教科書"
■エジプト人21人斬首に焼殺、市中引き回しまで
 リビアでキリスト教の一派、コプト教徒のエジプト人21人を一斉に斬首する映像をインターネットに公開したイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」。イスラム過激派に伝わる“テロの教典”に基づいて殺戮を繰り返す彼らだが、その戦略が逆効果になっている可能性がある。エスカレートする残虐行為で、「イスラム諸国の反発を招き、逆に追い詰められつつある」(専門家)というのだ。(夕刊フジ)
 地中海沿岸とみられる浜辺で一斉に21人ものエジプト人を虐殺したイスラム国。怒りに震えるエジプト軍は16日、このテロ集団の軍事訓練施設や武器庫など複数の拠点を空爆、報復措置をとった。エジプトはこれまで米国が主導する対イスラム国への軍事作戦に参加していなかったが、堪忍袋の緒が切れた格好だ。
 イスラム国は13日までに、クルド人部隊の兵士17人を檻(おり)に入れて市中を引き回す映像も公開。兵士が入れられた檻は、ヨルダン軍のパイロットが火あぶりにされたものと酷似しており、英紙デーリー・メールは、「全員を焼殺する可能性がある」などと報じている。
 火あぶりに首斬り、引き回し。行為を激化させるイスラム国だが、無軌道にもみえる行動の背景に、イスラム過激派の間で知られる「野蛮の作法」という指南書の存在が指摘されている。
 中東情勢に詳しい世界平和研究所の松本太・主任研究員は「2004年にアブ・バクル・ナージと名乗る人物がネット上に投稿したもので、イスラム過激派が目指すべき戦略を提示している。そこでは、イスラム諸国で民族的・宗教的な復讐心や暴力を恒常的に作り出すことの必要性が説かれている」と解説する。
■エスカレートする残虐戦略に、イスラム諸国反発…逆効果
 “テロの教典”ともいえるその指南書はメディア操作の必要性を説き、人質の扱いについて「恐怖をあおるように処理されなければならない」と言及している。
 「敵を火刑にすることも、7世紀の初期イスラム時代に行われていたとして推奨しており、一連の人質の残虐な殺戮には、この戦略が鮮明に反映されていると言える」(松本氏)
 だが、この戦略がイスラム国を逆に追い詰めているとの指摘もある。イスラム諸国で、神の名をかたり非道を繰り返すテロ集団に怒りの声が次々に挙がっているのだ。
 軍事ジャーナリストの世良光弘氏は「これまでイスラム過激派にシンパシーを抱くムスリムも一部にいたが、イスラム国の登場で、そうしたシンパも離れた。特にムスリム社会でタブー視される火刑への反発が大きい。過激派と一般のムスリムの間には決定的な断絶が生まれ、イスラム国は影響力を急速に失っている」と語る。
 エジプトやヨルダンが報復攻撃に出るなど周辺国の包囲網が強化される一方で、最高指導者とされるアブバクル・バグダーディ容疑者をはじめとする組織中枢の結束も危うくなっている。
 松本氏は「イスラム国はフセイン政権下のイラク・バアス党に所属していたスンニ派のイラク人が中心となって築き上げた組織。中枢を古参のイラク人幹部が牛耳っていて、サウジアラビアや西アフリカ諸国、チェチェンなどから入ってきた新勢力と緊張関係にある。緊張が高まれば、組織が内部崩壊する可能性もある」と話す。
 非道なテロ集団は自壊への道を歩んでいる。
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