2016年8月19日 13時46分
興正寺前住職の背任容疑で告訴検討 申告漏れで高野山側
高野山真言宗の別格本山、八事山興正寺(名古屋市昭和区)が土地売却代138億円を巡り、名古屋国税局から申告漏れを指摘された問題で、総本山の高野山側が19日、名古屋市内で記者会見し、梅村正昭(せいしょう)前住職(68)らについて、背任容疑での刑事告訴を検討していることを明らかにした。
売却代の4割にあたる約60億円は、前住職とかかわりのある東京都港区のコンサルタント会社や、前住職が51%を出資して設立した英国の法人などに渡っていたことが国税局の調査で明らかになっている。
会見には、高野山側から寺の特任住職に派遣されている添田隆昭(りゅうしょう)宗務総長(69)や代理人弁護士らが出席。添田氏は「前住職の下、巨額の売却代がわずか数年で費消されたことが国税局の調査で明らかになった。多額の金員を流失させており、言語道断。背任罪が適用される可能性は高いと思う」と述べた。
続いて、寺の檀(だん)信徒が添田氏に、前住職の除名を求める有志約610人の署名を手渡した。
興正寺は前住職が在任中の2012年3月、中京大に貸していた6万6千平方メートルを138億8千万円で売却した。だが、高野山側は「宗規に反して無断で行った」として14年1月、前住職を罷免。前住職は「罷免は無効」として提訴、高野山側は寺の明け渡しを求め訴えを起こしている。
名古屋国税局は寺を税務調査し、15年3月期までの3年間で約6億6千万円の申告漏れがあったと指摘。法人税約8千万円を追徴課税され、登記上の代表である特任住職側が修正申告した。調査では売却代のうち、東京都港区のコンサル会社に渡った業務委託料の一部について「実態が不明瞭」と認定されたという。
前住職の代理人弁護士は「詳細が分からないので、コメントは差し控える」としている。 (中日新聞)
◎上記事は[中日新聞]からの転載・引用です
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産経WEST 2016.8.19 19:08更新
約68億円の運用に疑惑、背任容疑で前住職告訴検討 名古屋の寺
高野山真言宗の八事山興正寺(名古屋市昭和区)の住職らが19日、名古屋市内で記者会見し、前住職が関わった土地の売却代約138億円のうち約68億円の運用に不審な点があり、背任容疑で前住職らを告訴することを検討していると明らかにした。
会見を開いた添田隆昭住職らによると、前住職は平成24年に寺の土地約6万6千平方メートルを学校法人に売却。売却代金のうち約41億円が寺の関係者が代表取締役を務めたコンサルティング会社(東京都港区)に支払われ、前住職が設立に関わった英国の法人にも約14億円が渡ったとしている。
高野山真言宗の宗務総長も務める添田住職は「多額の金員を流失させたのは許し難い」と述べた。前住職の代理人弁護士は「会見の詳細は把握していないが、理解に苦しむ」と話している。
高野山真言宗は承認を得ずに土地を売却したなどとして前住職を26年に罷免しているが、前住職は興正寺を立ち退いていない。興正寺は名古屋国税局の税務調査を受け、27年3月期までの3年間に約6億5千万円の申告漏れを指摘された。
◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です
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◇ 八事山興正寺、コンサル社から14億円差し押さえ 現住職、梅村正昭前住職の刑事告訴を検討2016/7/30
◇ 興正寺が土地売却益6億6000万円申告漏れ 国税も「一部不明瞭」 (2016/7/30 中日新聞)
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◇ 不正経理疑惑で揺れる八事山興正寺=名古屋地検特捜部が事情聴取 2009/8
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