不正経理疑惑で揺れる八事山興正寺=名古屋地検特捜部が事情聴取 2009/8

2009-09-28 | 社会
八事山興正寺、信徒外から責任役員選任か 
 中日新聞 2009年9月29日 10時45分
 不正経理疑惑で揺れる八事山興正寺(名古屋市昭和区)で、名古屋地検特捜部の聴取直後に辞任した2人を含め2002年に就任した当時の責任役員全3人は、檀(だん)信徒の代表である総代から選ばれることが寺の規則で定められているのに、檀信徒でなかった疑いがあることが分かった。3人のうちの1人は「就任前は3人とも寺の取引業者にすぎなかった」と認めたが、1人は「就任の1年前に檀信徒になっていた」と否定している。
 3人は、現住職(61)とともに背任容疑で刑事告発された、いずれも名古屋市の広告代理店元社長(40)と建設会社社長(46)、06年に辞任した経営コンサルタント会社社長(51)。
 興正寺の宗教法人規則は責任役員について、代表役員でもある住職が檀信徒から選んだ総代の中からさらに選任すると規定。寺関係者によると、3人より前の責任役員は歴代、同寺に墓を持つ人や寺周辺の名士が務めてきたが、3人は責任役員に就くまで総代や檀信徒として宗務に参加したことはなかった。
 寺籍簿の写しによると、3人の責任役員就任は02年8月31日。だが寺関係者によると、実際に同寺の僧侶や職員に知らされたのは約4カ月後の同年12月20日で、境内の念仏堂に全職員が集められ、一新した責任役員と総代の計6人が初めて紹介された。
 同寺のある僧侶は「見たこともない顔ぶれが責任役員や総代に就くことは考えられず、驚いた」と振り返る。
 一方、建設会社社長は7月、興正寺絡みの民事訴訟で名古屋地裁に証人出廷。「01年ごろに寺との業務契約をきっかけに檀信徒になった。責任役員には(06年に亡くなった)前住職に頼まれて就いた」と述べている。
 本紙は現住職に責任役員の選任方法について28日、回答を求めたが、寺側は「弁護士、現在の責任役員と対応を協議しており、本日中の回答は難しい」と述べた。
 <責任役員> 宗教法人を管理運営する意思決定権を持つ。宗教法人法は3人以上の配置が必要で「宗教法人の事務は責任役員の定数の過半数で決し、議決権は各役員平等とする」と規定。資格の規定は各法人で定める。(中日新聞)
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八事山興正寺、僧侶解雇で敗訴2件 
 中日新聞 2009年9月28日 16時56分
 不正経理疑惑に揺れる八事山興正寺(名古屋市昭和区)で、寺に混乱を引き起こすとして解雇された僧侶2人が「解雇は不当」と寺に地位確認を求めるなどした民事訴訟2件で、名古屋地裁が「解雇は無効」とする僧侶側勝訴の判決を2件言い渡していたことが分かった。別の理由で解雇された僧侶には復職を認める和解が成立しており、寺は僧侶の解雇をめぐる訴訟で事実上3連敗した形だ。
 2件の解雇無効判決が言い渡されたのは9月15日。原告2人はいずれも40年以上前に入山した僧侶だった。
 このうち50代の僧侶の判決によると、この僧侶らは2006年に昇格した現住職(61)の就任手続きに疑問を持って調査。寺側は探偵事務所を使って僧侶の行動を監視し、07年8月末に「寺の運営に多大な損害、混乱を引き起こす可能性が非常に高いと判断した」として解雇した。
 寺側は口頭弁論で解雇理由について「住職の失脚を企て、高野山真言宗自体の信頼を失墜させる行為を繰り返した」と正当性を主張。証人出廷した現住職も、探偵事務所に監視させたことを認めた上で「(僧侶らが)私を排除しようとしていた」などと述べていた。
 だが同地裁は判決理由で「現住職に反対する僧侶が、住職交代をもくろんで話し合いや資料収集をするのは高野山真言宗の教義に背くような冒涜(ぼうとく)行為ではない。解雇を正当化する事情とは認められない」と指摘した。
 一方、1950年代に入山し最長老だった70代の僧侶も07年8月、寺から同様の理由で解雇を告げられ、出入り禁止に。現住職は口頭弁論で解雇理由について「役員会で決めた行事にクレームをつけたり、他の寺から住職を招こうとしたりした」と主張したが、同地裁は不当解雇と判断した。寺側は両判決を不服として控訴している。
 05年に「他の寺の幹部に失礼な態度をとった」などとして、解雇された修行僧も、07年に同地裁で復職を認める内容の和解が成立している。
 50代の僧侶は「現住職に納骨堂などの開発事業についてただしたこともあるが、『答える必要はない』という姿勢だった。早く正常化した寺に戻りたい」と話している。(中日新聞)
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八事山興正寺の責任役員2人辞任 「不正経理」関係者が告発
 中日新聞 2009年9月28日 09時15分
 尾張徳川家ゆかりの名刹(めいさつ)として知られる八事山興正寺(名古屋市昭和区)で、寺の運営や管理に決定権を持つ3人の責任役員のうち2人が同時に辞任していたことが、中日新聞の調べで分かった。2人の責任役員が辞任したのは、住職(61)とともに寺の経理をめぐる背任容疑で同寺関係者によって刑事告発され、8月下旬に名古屋地検特捜部の事情聴取を受けた直後だった。寺の内部事情を知る関係者は「不正経理疑惑を持たれた責任を取ったのだろう」と話している。
 責任役員を辞任したのは名古屋市の広告代理店元社長(40)と同市の建設会社社長(46)。代わりに総代2人が責任役員に就任した。
 特捜部への告発は2004~05年、同寺が新たに建設した円照堂(納骨堂)の販売PRの名目で興正寺が支出した1億4700万円は実体のない契約によるもので、当時、住職に次ぐ執事長の立場で支出を決めた現在の住職と3人の責任役員が寺に損害を与えたという内容。支出先は責任役員が当時経営していた広告代理店だった。
 本紙が入手した資料や関係者の話によると、同寺は04年10月、この代理店と契約を締結した。百貨店による納骨堂の販売仲介業務を支援する広告について、寺の依頼を受けた代理店が同市の広告会社に発注するとの内容だった。契約書には、当時の住職とともに「執事長」として現住職の署名もあった。
 契約期間は04年10月~05年9月で、3カ月に1度、3675万円ずつ計1億4700万円が寺から代理店に支払われた。
 当時の責任役員として告発された1人で、06年に現住職との確執などから辞任した経営コンサルタント会社社長(51)は「契約は実体のない架空取引だった」と証言した。
 一方、発注を受けた広告会社の担当者は取材に「イベント会場でのPRや納骨堂の見学ツアーなどをした。2000万円に満たない仕事だったが、まったくの架空とは言えない」と話した。同寺と取引のある別の広告代理店幹部は「仮に差額の約1億2700万円を手数料として広告代理店が取ったとしても、通常ではあり得ない金額だが、直ちに不正な取引だとは言えない面もある」と指摘している。
 特捜部は昨年、告発を受けて捜査に着手。今年8月下旬から現住職や責任役員の事情聴取をした。
 現住職は02年8月、執事長に就任。当時の住職は06年1月に死去、現住職は07年3月に昇格した。
 八事山興正寺住職の話 寺と広告代理店との契約は、実際の広告活動も行われており、架空という認識は全くない。不正な支出はなく、適正に使用された。(中日新聞)
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〈来栖の独白 2009/9/28 〉
 八事山興正寺へは、清孝との永別による空虚をもてあまして、しばらく写経に通った。住職U師は、随分さばけた(卑俗な)印象で、私の心に響いてくるものはなかった。
 ミサのオルガン弾きは続けていたが、あの時期、教会も拠りどころとはならなかった。なんとか凌げたのは、イエスの眼差し(福音)と音楽の力に依ってであったか・・・。人間嫌いとなり、独りバッハを弾いた。グレゴリアンを聴いた。 
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僧侶を次々解雇、人手不足に 見習いに通夜任せていた寺
 朝日新聞 2013年2月6日8時36分【上田真由美、渡辺周】
 ハローワークなどで集めた見習いに、「修行の一環」として1人で死者を弔わせていた八事山興正寺(やごとさんこうしょうじ、名古屋市昭和区)が、やめさせた僧侶3人から「不当解雇だ」と訴えられていたことがわかった。寺の関係者は「相次ぐ解雇で人手不足となり、見習いに通夜を任せるようになった」と話している。
 3人は2007~12年、興正寺に対して、僧侶として勤める地位や雇用関係を確認し、復職させることを求めて、それぞれ名古屋地裁に提訴した。いずれも僧侶の主張が認められた。
 判決などによると、19歳で入山した愛知県南知多町の僧侶=故人=は、高野山・専修学院で学んで僧侶の資格をとってから40年間、興正寺に勤めた。だが、07年8月、寺から「運営に多大な損害と混乱を引き起こす可能性が高い」と言われ、やめさせられた。同県稲沢市の僧侶(57)も、25年余り勤めたが、ほぼ同じ時期に同様の理由で解雇され、興正寺施設内への立ち入り禁止を通告されたという。
 ◎上記事の著作権は[朝日新聞 DIGITAL]に帰属します
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八事山興正寺 梅村正昭住職 総本山金剛峯寺に「住職罷免 取り消し」求める 「宗派離脱」も撤回 2014-01-20 
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八事山興正寺 寺の正面にプレハブ「本堂」…罷免前住職に実効支配されているため 2015/11/25 落慶法要  
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