史上最速で頂点に立った大の里 一級品の馬力に加わった「土俵の経験」<大相撲コラム・さじき席>
中日新聞 2024年5月27日 05時10分 (5月27日 05時10分更新)
大きな白星を挙げた瞬間、大の里は思わず天を仰いだ。長く息を吐く姿は、今場所が重圧との闘いだった証し。初土俵から7場所での優勝は、現行の優勝制度が確立してから最速。まげを直すために戻った支度部屋で、優勝をいつから意識していたか問われると、しばらく黙ってから「ずっとしてました」。意識を「ない」と言い張って白星を積み重ねてきた自身をいたわるように、本音が漏れた。
勝てば優勝が決まる阿炎との一番。猛烈な突きに耐え、しのぎきる。ついに右がのぞき、左からおっつけると一瞬で押し出した。土俵下の優勝インタビューで「デビューして1年後に優勝することは想像してなかったので、うれしい」と晴れやかに笑った。
日体大で2年連続でアマチュア横綱となり...
◎上記事は[中日新聞]からの転載・引用です 太字は、来栖