栗原心愛さん 虐待死 第7回公判 2020.3.4 被告人質問 父親の勇一郎被告「心愛が、されてもないのに嘘を書いたと思います」

2020-03-04 | 身体・生命犯 社会

小4女児虐待死裁判 被告の父親 暴行は「娘のうそ」千葉
 NHK NEWS WEB 2020年3月4日 19時07分 児童虐待
 千葉県野田市で小学4年生の女の子を虐待して死亡させたとして傷害致死などの罪に問われている42歳の父親の裁判は4日から被告人質問が始まり、女の子が小学校のアンケートで訴えた被告からの暴行について「娘がされてもいないのにうそを書いたと思います」と述べて否定しました。
 去年1月、千葉県野田市の小学4年生、栗原心愛さん(当時10)が自宅の浴室で死亡しているのが見つかった事件では、父親の勇一郎被告(42)が冷水のシャワーを顔に浴びせ続けて死亡させたなどとして傷害致死などの罪に問われています。
 これまでの裁判で、被告は傷害致死の罪などについて起訴された内容の一部を否認しています。
 4日午後からは被告人質問が始まり、弁護士が沖縄から野田市に転居したあと長時間、心愛さんを立たせるなどしたかについて問うと、被告は「立っているように言ったことは一度もないです」と答えました。
 そして、弁護士が「なぜ、心愛さんが『立たされた』と言ったと思うか」と質問すると、「傷つけてしまうからこれ以上言えません」と述べましたが、再度、弁護士から聞かれると、「うそをついていると思いました」と述べました。
 また、心愛さんが小学校のアンケートで訴えた被告からの暴行について思い当たることがあるかと質問されると、「ありません。心愛が、されてもないのにうそを書いたと思います。うそを書いた理由は分かりません。夜、寝相が悪くて毛布をかけ直したのを勘違いしたのかも知れません」と述べて否定しました。
 さらに児童相談所に一時保護されるまで、虐待は一度もなかったか質問すると、はっきりした声で「はい」と答えました。
 そのうえで、心愛さんが書いた「お父さんにたたかれたのはうそです」などという文書については、文面を自ら考えたうえ心愛さんに書かせるよう妻に指示していたことを明らかにしました。
 これまでの裁判で、被告の心愛さんへの暴行を止めなかった罪で有罪判決が確定している母親は「娘はスクワットや正座などを長時間させられたり、冷水をかけられたりするなどしていた。自分が虐待を止めようとすると暴行を受けた」などと証言しています。
 被告人質問は5日と6日も行われます。
 
 ◎上記事は[NHK NEWS WEB]からの転載・引用です


栗原心愛さん 虐待死 第6回公判 2020.3.2 「考えが及ばないほどの飢餓とストレス」解剖医語る 

「考えが及ばないほどの飢餓とストレス」解剖医語る
 テレ朝 NEWS [2020/03/04 06:33]

   

 千葉県野田市で小学4年生だった栗原心愛さんが亡くなった事件で、公判6日目となった2日は心愛さんの遺体を司法解剖した千葉大学の医師が証言した。心愛さんはどんな状況で亡くなったのか、また父親の勇一郎被告側が主張する「心愛さんが暴れた」事実はあったのか。解剖医が語った心愛さんの“最期の姿”とは。

  ―全身に“あざ”
 心愛さんの遺体の状況について、検察側はまず司法解剖の結果を読み上げた。心愛さんは身長145センチ。胸の骨が折れていて、頭や顔、手足など全身に皮下出血が確認された。また、毛髪が抜けている部分もあったという。検察官が資料を読み上げた後、解剖を行った千葉大学の准教授・猪口剛医師が出廷し、検察官や弁護人の質問に答えた。猪口医師は、児童虐待を受けて死亡した子どもの解剖の経験もある法医学者だ。猪口医師は胸の骨の骨折について、亡くなる数週間前に折れた可能性があると指摘した。検察側は勇一郎被告が心愛さんが亡くなる3週間ほど前、心愛さんの胸の骨を折るけがをさせたと主張している。

  検察官:「どのように骨折していますか?」
  医師:「陥没しているように骨折しています。胸を中心部として観察していますが、胸骨は後ろに向かって陥没するように骨折しています」
  検察官:「いつ生じたものですか?」
  医師:「周辺をよく見てみると白い靄のようなものが見えます。骨折をした際に修復をするための石灰化、仮骨です。早くても1週間から2週間くらいです。それ以上もありますが、骨折をしたのは数週間前だと思います」
  検察官:「加わった力の強さは?」
  医師:「正確に数値としては申し上げられないが、かなり強い力が加えられないと生じないと考えられます」

  心愛さんは胸の骨が折れたまま、病院にも行けず、自宅で数週間を過ごしていたことになる。猪口医師は胸の骨が折れた状態では「胸の真ん中辺りに痛み」を感じ、「息苦しさも感じることもあったのでは」と指摘した。

  ―動画で見えた、心愛さんの顔
  検察側は、これまでの裁判でも示している心愛さんの動画についても、猪口医師に意見を求めた。勇一郎被告の撮影した動画に映る心愛さんは、左右の目や頬の辺りに皮下出血があった。顔の左側が腫れている映像もあった。猪口医師は、これらのけがを「鈍体の圧迫、打撃しか考えられない」とした。
  心愛さんのけがについて、弁護側は「心愛さんが暴れたためにできた」などと主張している。

  検察官:「これらの打撲は自己転倒で起こりますか?」
  医師:「一般的に、自己転倒で生じるのは体の出っ張った部分です。例えば、ひじ、ひざ、肩、おでこ、鼻、頬の出っ張り付近にできやすいと。目の周りや頬では自己転倒では生じにくい」

  ―「考えが及ばないほどの飢餓やストレス」
  心愛さんは遺体の状況から病死の可能性は低く、急死したとされている。死因は断定されていないが、2つの可能性が指摘された。
  1つ目は「飢餓やストレスによるショックまたは不整脈」だ。体内で糖が欠乏するとケトン体という物質が増える。猪口医師は心愛さんのケトン体の数値が異常に高かったと指摘した。心愛さんの数値は8351に達していたという。数値が高い原因が飢餓とストレスなのかを尋ねられると、こう証言した。

  医師:「小児科の領域では同じようなことはある。飢餓とかストレスとか。小児科の医師に相談したところ5000まではあるが、8000は見たことがないと」
  検察官:「飢餓とストレスだけで(値が)上昇し得るものか?」
  医師:「原因として飢餓とストレスしか考えられないような状態。日常では生じえない、考えが及ばないほどの飢餓やストレスがあったのではないか。非常に高いストレスではないかと考えられる」

  心愛さんの胃の中に食べ物は残っていなかった。母親の証言では、心愛さんは亡くなる2日前の夕食を最後に食事をしていない。
  2つ目は「溺水」だ。心愛さんの肺には水が入っていた。肺のレントゲンなどから、溺死した人と同じ所見があったという。猪口医師は「相当の水量のシャワーで意識障害が起きていた」とも指摘した。

  検察官:「心愛ちゃんがいつ亡くなったのかについて。これまでの証拠によると、午後11時16分に救急隊が到着しています。死後硬直や死斑がありました。どれくらい前に死亡したと考えられますか?」
  医師:「硬直の程度や死斑を見ないと厳密には分からないが、(死後硬直などが始まるのは)一般的には1時間半から3時間程度かかるといわれています」

  勇一郎被告は心愛さんが亡くなった後、いつ通報したのか。これまでの裁判で、心愛さんの母親は風呂場から「ドン」という音がした後、勇一郎被告に呼ばれて風呂場に行くと心愛さんが倒れていたと証言している。
  心愛さんはどんな状況で亡くなったのか。また、勇一郎被告は通報までの時間、何をしていたのか。娘の変わり果てた姿をどんな気持ちで見たのか。心愛さんの最期を知るのは勇一郎被告しかいない。4日からは被告人質問が始まる。
 (DV・児童虐待問題取材班)

 ◎上記事は[テレ朝 NEWS]からの転載・引用です
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