1年8カ月ぶり執行 死刑議論 深まらず
中日新聞 《 核 心 》2012/3/30 Fri.
小川敏夫法相が29日、1年8カ月ぶりに3人の死刑執行に踏み切った。法相は執行にあたり「国民の支持」を強調したが、法務省内に設けられた死刑制度に関する勉強会が、国民的な議論を深めたとは決していえない。裁判員裁判で誰にとっても極刑の選択が人ごとでなくなった今こそ、適切な情報公開を実現し、活発な議論の場を設けることが必要だ。(東京社会部 横井武昭)
■容認大勢
「世論調査や国民の声を反映する目的で導入された裁判員裁判でも死刑が支持されている」
死刑執行命令書にサインし、執行後に法務省で会見に臨んだ小川法相は繰り返し、「国民の支持」を強調した。
背景にあるのは、内閣府が2009年に実施した世論調査の結果だ。調査では、死刑制度の存続について「やむを得ない」とした回答が85・6%と過去最高を記録。「廃止すべきだ」と答えた5・7%を大きく上回り、容認派が大勢を占めた。
一方、国際社会では廃止の流れが強い。今月27日に国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル」が公表した調査結果では、死刑を維持している国が57カ国なのに対し、10年以上死刑を執行していないケースを含めた廃止国は141カ国に上る。
■両論併記
死刑制度の存廃の声が渦巻く中、2010年7月に民主党政権下で初めて死刑を執行した千葉景子法相(当時)は「国民的な議論を呼び掛けたい」と、省内に「死刑の在り方についての勉強会」を設置した。
メンバーが省内の人間に限られ、法相が次々と代わる状況では議論が深まらないという批判もあった。このため、平岡秀夫前法相は、国会に死刑問題の調査会を設けるなどして、議論の場を広げようとしていた。
しかし、小川法相は今月、約1年半続いた勉強会を「議論は尽くされた」として突然打ち切った。結局、勉強会の報告書は制度に対する賛否の意見を両論併記したにとどまった。
死刑をめぐっては、2月の光市母子殺害事件の最高裁判決で、4人の裁判官のうち1人が反対意見を述べた。全員一致でない最高裁の死刑判断は57年ぶり。日本弁護士連合会は、裁判員裁判での死刑は全員一致を提言。プロでも揺れる極刑の判断に臨む市民の負担は重い。
■制度改善
議論が深まらない中、市民が極刑判断を迫られる機会は確実に増えている。最高検によると、裁判員裁判では、17件の死刑求刑のうち13件(28日現在)で死刑判決が出ている。
小川法相が死刑執行の支えとしている「国民」も、実は現状に危機感を募らせている。裁判員制度が5月で丸3年を迎えるのを前に、裁判員経験者有志のグループが制度改善を目的に全国の地裁に提出している提言書には「死刑について情報公開の徹底を」という項目が盛り込まれた。
グループの中心で、東京地裁で裁判員を務めた不動産業田口真義さん(36)は「死刑は国民にとって未知の部分が多すぎる。死刑囚の処遇や刑の実態など情報が乏しく究極の判断を下すには時期尚早」と訴える。29日の会見で小川法相は3人を死刑対象とした理由について具体的な説明を避けた。執行される死刑囚の選定基準や理由は不透明なままだ。
田口さんは言う。「国民一人一人が究極の刑罰に正面から向き合い、是非も含めた多様な国民的議論を深めるためにも、徹底した情報公開が必要だ」
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◆日弁連「死刑判決は全員一致で」/裁判員法=「国民の常識を裁判に反映させる」とは書いていない 2012-01-23 | 被害者参加/裁判員裁判
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楽天WOMAN 03/30 22:01
麻原彰晃、林眞須美… 死刑事件を請け負う “悪魔の弁護人”追ったドキュメンタリー映画が公開決定 山本太郎がナレーション
「オウム真理教事件」の麻原彰晃や「和歌山毒カレー事件」の林眞須美など、多くの死刑事件を請け負ってきた弁護士・安田好弘を追ったドキュメンタリー映画『死刑弁護人』。昨年10月に東海テレビで放送された内容を劇場版として再編集し、6月の公開が決まった。ナレーションは、俳優の山本太郎が担当している。
“悪魔の弁護人”と形容されることのある弁護士・安田好弘。彼が注目されるのは、いずれも世間を震撼させた大事件と関係することにある。死刑が確定している麻原彰晃や、林眞須美の弁護を引き受け、「人殺しを弁護する人でなし」などのバッシングにも屈せず、「裁判は、犯罪を抑止するために、材料を洗い出す場でもあるはずだ」などの自身の信念に基づき、戦いを続けている。
そんな安田の姿を収めることで、マスコミや検察、司法のあり方に目を向ける機会となるのが本作、『死刑弁護人』だ。戸塚ヨットスクールをドキュメントした『平成ジレンマ』を手掛けた齊藤潤一が再びメガホンを取り、東海テレビ製作最新作として世の中に問題を提起する。社会活動に力を入れている俳優・山本太郎が、説得力のあるナレーションをスクリーンに響かせる。(編集部・小松芙未)
映画『死刑弁護人』は6月下旬よりポレポレ東中野ほか全国順次公開 ・東海テレビ「死刑弁護人」オフィシャルサイト
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「オウム真理教」の事件が実録ドラマに NHK記者役に萩原聖人 世界初の化学テロを徹底検証
シネマトゥデイ2012年3月24日 15時19分
事件発生から取材を続ける記者を演じた萩原聖人と上司役の豊原功補(上)、教団の道場内の場面も(下)
-NHK提供
[シネマトゥデイ映画ニュース] 実録ドラマとドキュメンタリーによって、人々に生々しい記憶を残す未解決事件を徹底検証するNHKスペシャル「未解決事件」が、「グリコ・森永事件」に続き、元幹部の出頭で再び注目を浴びた「オウム真理教」を取り上げる。
日本中に大きな衝撃を与えながら、今も多くの謎を残す「未解決事件」を、ドラマとドキュメンタリーを組み合わせて検証していく同番組。第1弾で取り上げた「グリコ・森永事件」では、証言ドキュメントとルポに加え、主演の上川隆也はじめ、大杉漣、池内博之ら実力派俳優たちが出演する実録ドラマも話題となった。
そんな同番組が次に扱うのは、1995年の「地下鉄サリン事件」で日本中に衝撃を与えた「オウム真理教」。事件の遺族からNHKに取り上げの要望が寄せられたもので、教祖だった麻原彰晃こと松本智津夫死刑囚ら13人の死刑が確定した後も、多くの謎と課題が残されたままの事件を検証する。
番組では、NHKが独自入手した、700本を超す教団内部テープと元幹部たちの証言をもとに、教団が次第に暴走に向かう過程を初ドラマ化。松本死刑囚が、道場で信者たちを前にする場面も登場する。事件発生時から取材を続けてきたNHK記者を萩原聖人、その上司を豊原功補、さらに教団の古参幹部を冨樫真、その夫で元信者を羽場裕一が演じる。
教団の道場内の様子が確認できる場面写真を確認するだけでも、その再現の度合いに驚くばかり。そのほか、元幹部との手紙のやりとりや警察関係者への取材によるドキュメンタリーでは、世界初の化学テロとして国外でも話題となった事件が起きた原因を紐解いてゆく。(編集部・入倉功一)
NHKスペシャル「未解決事件 File.02 オウム真理教」はNHK総合にて、第1部は5月26日19:30、第2部は同日21:00、第3部は5月27日21:00より放送
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◆「死刑弁護人」安田好弘弁護士の人間像に迫る/東海テレビ 2011/10/10/00:45~ 2011-10-08 | 死刑/重刑/生命犯 問題
コメント、ありがとうございます。
久しぶりに鈴木さんのホームページを読んでみました。原発反対のデモの記事以来かな。
三浦さんの後、林眞須美さんの支援に尽力されているのすね。rice_showerさんのような方がいらして、よかったですね。毒物とかクスリの類の事件は、難しいですね。状況証拠、証言といった、しゃんとしないものに頼りがちではないですか・・・。