元衆院議員・若狭勝氏は女帝と断絶して7年「今は本当に幸せ」

2024-07-03 | 社会

小池百合子と学歴詐称

元衆院議員・若狭勝氏は女帝と断絶して7年「今は本当に幸せ」

公開日: 更新日:

 学歴詐称疑惑が再び燃え盛る中、東京都の小池百合子知事が3選に向けてエンジンを吹かせている。前回の立候補表明は告示6日前だった。初出馬から支え、女帝たらしめたひとりが元衆院議員の若狭勝弁護士だ。しかし、2017年に若狭氏が落選したことで、その縁はプツリと切れた。側近としてこの問題をどう見ていたのか。元東京地検特捜部副部長としての見立ては──。
 さかのぼること8年。自民党に籍を置いたまま党都連のドンを敵に仕立て上げ、「東京大改革」を引っ提げて知事のイスを取りに行った女帝の傍らには、常に若狭氏の姿があった。
「あれは(カイロ大学の)卒業証書だったか、卒業証明書だったか。知事選告示前、小池さんから〈どうのこうの言われてるんだけど、ちゃんと卒業してるの〉とサラッと見せられたことがありました。当時は問題意識を持っていなかったし、アラビア語も読めないので〈ああ、そうですか〉で終わってしまった。公選法(虚偽事項公表罪)の公訴時効は4年。ですから、次の選挙公報に経歴をどう記載するかが焦点のひとつになります」
 四半世紀前に勃発したミッチー・サッチー騒動も学歴詐称疑惑が火種になった。衆院選に出馬したタレントの野村沙知代氏の経歴「米コロンビア大留学」に疑いが浮上し、女優の浅香光代氏が東京地検に告発。若狭氏は特捜部の主任検事として捜査にあたり、嫌疑不十分で不起訴とした。

■サッチー騒動捜査から見える今後
「辞書の解説によると、『留学』の幅は広く、〈外国で学ぶ〉といった意味合いもある。そうしたことから、虚偽記載と断定はできないと結論付けました。小池さんにしても、正規の手順で卒業していなくとも、人間関係を駆使して『卒業認定』とされた可能性がある。当局が認めていれば、選挙公報に再び『カイロ大卒』と記載しても、処罰するのは難しいでしょう。駐日エジプト大使館がSNSで発信したカイロ大声明の捏造疑惑についても、当局が事後承諾すれば文書偽造は問いづらい」
 圧勝で初当選した女帝は地域政党「都民ファーストの会」を立ち上げ、17年の都議選でも大勝。勢いに乗って国政政党「希望の党」を結成して衆院選に臨むも、「排除発言」などが仇となって惨敗し、戦友の若狭氏もバッジを失った。
「直後に〈顧問になってよ〉という話がありましたけど、応じなかった。その後の関わりはないです。1年ほど前に執り行われた豊島区長の告別式で顔を合わせただけ」
 政界引退後ほどなく出演した医療バラエティー番組で、「落選ストレスで余命7年」と宣告された。そろそろだが……。

「今は体調バッチシ! 元気モリモリで若返りがすごい。あの時はヤケ食いがひどくて、ハーゲンダッツとか(メイトーの)なめらかプリンをガバガバ食べていた。小池さんは希望の党の綱領や規約作りを僕に丸投げ。それに候補者選定、合流した民進党との候補者調整、候補者のフォローなんかもやっていたんです。心底くたびれた。振り返ってみると、妻から〈死んじゃうから、このままだと死んじゃうから〉ってよく言われていました。今は運動を兼ねてゴルフをやる時間もあるし、本当に幸せ」

(取材・文=坂本千晶/日刊ゲンダイ)

▽若狭勝(わかさ・まさる) 1956年、東京都生まれ。中大法学部を卒業後、旧司法試験に合格し、83年に検事任官。東京地検特捜部副部長や東京地検公安部長などを歴任し、2009年に退官。衆院議員を2期務めた。現在は「弁護士法人わかさ」代表。

 ◎上記事は[日刊ゲンダイ]からの転載・引用です


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