「温暖化は自然による人類への抵抗」 グテレス国連事務総長
2019年12月2日 10:27 発信地:マドリード/スペイン [ スペイン ヨーロッパ ]
【12月2日 AFP】国連(UN)のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長は1日、気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)の開幕を前に記者会見し、人類を脅かしている地球温暖化の壊滅的な影響は、人類に痛めつけられている自然界からの抵抗だと警告した。196か国が集うCOP25は2日からスペイン・マドリードで開幕する。
グテレス氏は、「何十年もの間、人類は地球と戦争状態にあり、今、地球は反撃している」と述べ、経済大国による二酸化炭素(CO2)削減の努力は「まったく不十分」だと非難。「われわれは自然に対する戦争を止めなければならず、科学はそれが可能なことを教えてくれている」と語った。
グテレス氏によると数日以内に公表される国連報告書は、過去5年間が記録史上最も暑かったことを裏付けるもので、また今年は史上2番目に暑い年となる見通し。
さらに同氏は「気候変動に関連した自然災害は、頻度も威力もより増しており、さらに多くの犠牲者を生んでいる」と警告。グテレス氏は直接名指しすることはしなかったが、発言が温室効果ガスの排出量の半分以上を占める少数の経済大国に向けられたものであることは明らかだった。
グテレス氏は、気候変動はもはや長期的な問題ではないとし、「われわれは今、地球規模で気候危機に直面している。取り返しのつかない段階に到達するのは遠い将来の話ではなく、間近に迫っており、われわれに向かって急速に近づいてきている」と訴えた。(c)AFP
◎上記事は[AFPBB News]からの転載・引用です
COP25開幕 地球温暖化が進めば洪水拡大、サンゴ消失も
2019.12.2 20:50ライフ環境
国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)が2日、スペイン・マドリードで開幕した。地球温暖化が今後も進行した場合、今世紀末の地球は極端に気温が高い日が増え、中緯度地域の大半と熱帯域で大雨が頻繁に起きるとみられる。一方、中緯度と亜熱帯の乾燥地域では降水量が減少し、干魃が進む。
世界の平均気温が産業革命以前に比べて2度上昇した場合、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は洪水の被害を受ける世界の人口が今世紀初頭の2・7倍に増えると予測。近年の日本のように台風や水害の頻度が増し、被害が大型化するためだ。
北極海では少なくとも10年に1回程度、夏の海氷が解けて消失し、南極やグリーンランドの氷床も減少。水温上昇による海水の膨張もあり、海面水位が数メートル上昇する可能性が指摘され、島嶼(とうしょ)国の一部は存亡の危機にさらされる。
生態系も大きな影響を受ける。多くの生物が気候変動に対応できず、生物多様性が低下。サンゴ礁の99%以上が消失するほか、脊椎動物の8%、植物の16%の生息域が半分以下に減少するとみられている。
また、農作物が育ちにくい地域が拡大し、小麦やコメなど穀物の収穫量が減り品質も低下。漁業も漁場や漁期が変化し、農林水産業全体が打撃を受けそうだ。
◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です