刑事裁判延期「人権に関わる」 一部続行、コロナ緊急事態でも 裁判所 2020/4/14『時事通信』

2020-04-14 | 社会

刑事裁判延期「人権に関わる」 一部続行、コロナ緊急事態でも 裁判所
 2020/4/14(火) 7:14配信 時事通信

   
   新型コロナウイルス対策で、1席ずつ間隔を空けて座る裁判の傍聴人=3月6日、最高裁第2小法廷 

  新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言を受け、対象地域の裁判所は多くの裁判を延期した。
 「密集」「密閉」「密接」の3密を避けて感染を防止するためだが、法曹関係者は「人権との兼ね合いで、延期できないものもある」と話す。
 「公判期日は取り消しになりました」という張り紙が目立つ東京地、高裁庁舎(東京都千代田区)。緊急事態宣言から一夜明けた8日、覚せい剤事件で勾留されている被告の公判が行われた。
 傍聴席が20席だけで、地裁の中では「小部屋」の418号法廷を傍聴したのは、記者を含めて5人。窓のない法廷に裁判官や被告、検察官ら関係者7人がマスク姿で現れ、審理が始まった。
 宣言期間中の裁判員裁判や、被告が保釈されるなどした事件の審理は原則延期された。だが、被告が勾留され、執行猶予や無罪判決を求めている事件は裁判官、検察官、弁護人で開廷するか否かを決めている。裁判の結果次第で拘束を解かれる可能性があるためで、ベテラン裁判官は「人権保障機能は止められない」と話す。
 ある裁判所職員は「安全を考えると、本当は傍聴をなしにしたい」と漏らすが、憲法は「裁判は公開法廷で行う」と定めており、傍聴の完全制限は難しい。国民の目を通し、公平・中立な司法を図るためとされ、原則、誰でも傍聴が認められている。
 感染が広まる中、最高裁は3月上旬、傍聴席の間隔を空ける運用を開始。東京地裁は傍聴席数を4割程度に制限したが、窓のない法廷の密閉感は残る。傍聴人や弁護人らに感染が確認されたら―。別の裁判所職員は「どう安全を確保していけばいいのか」と苦慮していた。 

最終更新:4/14(火) 7:24 時事通信 

 ◎上記事は[Yahoo!JAPAN ニュース]からの転載・引用です


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