核武装論のすすめ / 池田勇人首相(=昭和30年代)「やはり日本も、核を持たなくては駄目だね」

2013-03-25 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法/歴史認識〉

核武装論のすすめ
産経新聞2013.3.23 12:00[名言か迷言か]
 首相は酔っていたのかもしれない。宴席で口を滑らせるのは誰にでもあることだ。それでも、現役首相のその一言は穏やかでなかった。
 「中曽根君、やはり日本も、核を持たなくては駄目だね」
 当時首相だった池田勇人は自民党総務会の宴会で、後に首相となる中曽根康弘氏にこうつぶやいた。昭和30年代後半なので、まだ核拡散防止条約(NPT)がなかった時代の話だ。中曽根氏は『中曽根康弘が語る戦後日本外交』(新潮社)の中で「私は驚いたね。岸(信介)の安保に対抗して、経済オンリーを主唱し低姿勢でやってきた池田だったから、腹の中ではそう考えていたとは意外だった」と語っている。
 中曽根氏は池田発言を評価した。「日本もある程度、そういう実力を持たないと前途に不安な点がある、いつまでも外国に頼っているのはよくない」と当時の心境を振り返っている。しかし、その後核をめぐる認識は徐々に変化する。佐藤栄作内閣時代に非核三原則を具申したのは中曽根氏だったし、日本のあるべき姿として「非核中級国家」を唱えたのも中曽根氏だった。
 ここで留意しなければいけないのは、実際に核武装することと、核武装を検討することは、次元が異なるという点だ。事実、中曽根氏は防衛庁長官時代、日本の核武装の可能性について研究を指示している。
 「核を断固持つという強い意思でもなく、逆に核武装の能力もない小国ではない。持てるけれども自ら持たんという姿勢を、国内外に示すのが得策である」
 日本が潜在的な核保有国であることにより、拡大核抑止力を提供する米国の意思を確固たるものとし、ソ連や中国などは日本に脅威を与えることを躊躇する-。中曽根氏の言外には、こうした狙いがにじむ。
 つい最近、この中曽根氏の教えを忠実に実行したかのような発言をした政治家がいる。とはいっても日本人ではない。韓国の李明博前大統領だ。李氏は退任直前の2月15日、東亜日報のインタビューで韓国の核武装論について、こう語ったという。
 「愛国的な考えという点で高く評価し、そうした発言が北朝鮮や中国に対する警告にもなるので間違っているとは思わない。われわれの社会にそう考える者もいなければならない」
 もちろん、李氏は自身の考えとして「国際協調を通じた核放棄が最終目的なので政府が核保有を語るのは時期尚早でよくない」と断っている。とはいえ、現職の大統領が核武装論を慫慂した事実は重い。韓国が実際に核武装する能力があるかどうかは別として、李氏が中曽根氏の近いところにいるのは確かだ。
 翻って日本はどうか。首相や閣僚はおろか、自民党内からもなかなか核武装論は聞こえてこない。日本維新の会の石原慎太郎共同代表は政界随一の核武装論者といってよいが、2月12日の衆院予算委員会で質問に立ったにもかかわらず、日本の核武装を求めることはなかった。むしろ、非核攻撃ミサイル(CSM)の導入を政府に求め、「核の保有と違って顰蹙をかわない」などと大人げある発言までしている。
 日本で核武装に言及することは危険な行為だ。言葉狩りの餌食となり、発言撤回を余儀なくされた政治家は枚挙にいとまがない。国内世論の反核アレルギーを考えれば核武装論に現実味はない。実際に核兵器を保有すれば、日米同盟が危殆に瀕する恐れがあるし、周辺諸国の軍拡を招来することは確実だ。その意味で、現実の政策として核武装は愚かですらある。
 だが、「核を廃絶すれば世界が平和になる」式のハッピーな議論がまかり通り、核保有を検討することすら憚られるような雰囲気は、日本の国益に資するのか。中曽根氏の回想は、警句として静かに響いている。(杉本康士)
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「核武装論は間違っていない」李大統領…「だが時期尚早」
産経新聞2013.2.15 23:17
 【ソウル=黒田勝弘】韓国の李明博大統領は15日、退任を前に東亜日報とのインタビューで韓国の核武装論について「愛国的な考えという点で高く評価し、そうした発言が北朝鮮や中国に対する警告にもなるので間違っているとは思わない。われわれの社会にそう考える者もいなければならない」と述べ支持を表明した。
 しかし一方で「国際協調を通じた核放棄が最終目的なので政府が核保有を語るのは時期尚早でよくない」と述べ、現時点での核武装論議には消極的な立場を明らかにした。
 李大統領は24日で退任するが、韓国の現職大統領が核武装論自体を支持し高く評価するのはきわめて異例だ。北朝鮮の核実験強行を機に国内で台頭している「核武装を交渉カードに北に核を放棄させよう」などといった独自核武装論を勢い付ける発言だ。
 また日韓関係で竹島上陸を強行したことについては「(当時)野田首相をはじめ日本の政治が右傾化競争をしており、独島(竹島)問題や歴史問題、慰安婦問題が深刻になるようだった。誰かがブレーキをかけなければならないと思った。日本の歴史の流れを見て先制的措置を取ったものだ」と説明し強気の姿勢を変えなかった。
 「天皇謝罪要求」発言については「日王は(自分の発言以後)『謝る用意もあり韓国を訪問したい』と明らかにしたという。実際より少し誇張されて自分の発言が伝えられた面がある」と語った。
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