少年院:分類名6月から変わります 消える「特少帰り」
毎日新聞 2015年05月30日 15時43分(最終更新 05月30日 16時41分)
非行を繰り返した少年が入る「特別少年院」など、戦後長く続いてきた少年院の分類名が6月1日施行の改正少年院法に伴い変わることになった。少年院に入所したことで社会からレッテルを貼られたり、逆に不良グループ内での「箔(はく)付け」に悪用したりするケースが指摘されたため、法務省が改称を検討していた。
少年院は全国に52カ所。1949年施行の少年院法で、非行歴や年齢、心身の状況に応じて「初等」「中等」「特別」「医療」の4種に分類された。法改正により、16歳未満対象の「初等」と16歳以上の「中等」を「第1種」に統合。犯罪傾向がやまない少年が入る「特別」は「第2種」、心身に障害のある少年が入る「医療」は「第3種」に改める。例えば家裁が少年審判で出す決定の主文は「特別少年院送致」から「第2種少年院送致」に切り替わる。
法改正を提言した法務省有識者会議の委員だったルポライターの毛利甚八さんは「『特少帰り』など、元暴走族らの間でステータスになるような側面があった。そのようなイメージから脱却するには良い機会」と話す。また、「特別」の名がつくことが差別的だとの指摘が社会復帰を支援する関係者らから出ていたという。
一方、2度の中等少年院経験から周囲の支えで立ち直ったNPO法人「再非行防止サポートセンター愛知」理事長、高坂朝人さん(31)は「名称や教育カリキュラムが変わっても、世間から見ればどこの少年院もイメージは同じ」と話す。そのうえで「それぞれの少年院の教育効果を広く発信するとともに、在院中から社会復帰につなげる取り組みが欠かせない」と話した。
法務省は全国の家裁や警察など連携機関に分類名変更の周知徹底を図っている。少年矯正課は「最初は混乱するかもしれないが、法改正を機に社会に開かれた運営を目指したい」と話している。【飯田憲】
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