自民党に「街の本屋さんを元気にして、日本の文化を守る議員連盟」なるものがある 2023.1.10

2023-01-11 | 文化 思索 社会

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 中日新聞 2023.1.10 Tue. 夕刊

 自民党に「街の本屋さんを元気にして、日本の文化を守る議員連盟」なるものがある。以前は「全国の書店経営者を支える議員連盟」という名称だった。

 「日本の文化」を持ち出すのには苦笑するが、激減する書店業を振興しようという目的はとりあえずよしとしよう。しかし、先ごろ発表された中間とりまとめについては疑問がある。

 たとえば「不公正な競争環境等の是正」として、ネット書店の送料無料配送を制限することが検討されている。だが、街の小さな書店が減ったのはネット書店のせいだけだろうか。

 2000年に大店法が廃止され、大型店の出店が容易になった。全国の大都市中都市に巨大な書店が増えた。周辺の中小零細店は次々と転廃業していった。

 ベストセラーや話題の本は大型店に集中配本され、小さな書店には回ってこない。不公正な競争は、ネット書店と実店舗書店の間にだけでなく、大型書店と零細書店の間にもある。

 「街の本屋さん」が苦境にあるのは、ネット書店のせいだけではない。自民党の新自由主義的政策がもたらしたのである。「日本の文化」を破壊しているのは、自民党自身だ。その現実に目を向けない書店業の振興策など、なんの効果も期待できないだろう。 (花布)

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 ◎上記事は[中日新聞]からの書き写し


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