ガソリン税率維持、子ども手当所得制限なし 小沢氏主導で決着

2009-12-22 | 政治
10年度予算骨格、小沢氏主導で決着 首相との会談わずか11分
 来年度予算編成の骨格は民主党の小沢一郎幹事長が歳出・歳入の両面を事実上、主導して決着した。鳩山由紀夫首相と小沢氏の21日の会談はわずか11分。ガソリン税などの暫定税率分の維持で「新規国債発行額は約44兆円以内」に抑えるとの目標達成に道筋をつけた小沢氏は「最終的には政府が決定することだ」と首相官邸を突き放した。「私が決める」と力み、一時は独自案を模索した首相に、丸のみ以外の選択肢はなかった。
 21日、首相のもとには朝から菅直人副総理・戦略相らがあわただしく出入りした。一方、小沢氏は昼前に来年1月に放映予定のテレビ東京番組の収録で「国民は分かってくれる」と、すでに2.5兆円の暫定税率分の維持を前提に発言していた。 (日経新聞2009/12/22/07:45)
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ガソリン税率維持、子ども手当所得制限なし 首相表明
 鳩山由紀夫首相は21日夜、来年度予算編成でガソリン税などの暫定税率を廃止したうえで新たな仕組みを導入し、現在と同じ規模の税収を維持すると表明した。民主党の重点要望を大筋で受け入れた。子ども手当は所得制限を設けないと明言した。地球温暖化税(環境税)は1年以内に結論を出す。税制改正の主要項目が固まり、政府は22日夕の臨時閣議で税制改正大綱を決定する。予算案も週内の閣議決定を目指す。
 首相は21日夕、首相官邸で民主党の小沢一郎幹事長に税制改正の方針を伝え、了解を得た。自動車重量税は国の取り分の半分(約1800億円)を削減する。これで新規国債の発行額は44兆円以下となることがほぼ固まった。
 暫定税率は本来の税率(本則税率)に上乗せして一時的に徴収する税。国・地方合わせて約2.5兆円と、本則税率の約2.6兆円に匹敵する規模だ。政府内では暫定税率分を維持するため、本則税率を引き上げて一本化する案が有力となっている。首相は関係閣僚に雇用や地域活性化を目的に「2兆円の新たな措置」の検討を指示した。(日経新聞2009/12/22/07:00)
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新S.「くらべる一面」 編集局から
朝日新聞
 「指導力の欠如」「小沢主導」といった指摘が増えるなか、鳩山首相が暫定税率と子ども手当の扱いについてようやく方針を示しました。小沢氏の許す範囲でぎりぎり「独自色」を演出しようとした首相の「決断」の内幕、今回の方針が暮らしに与える影響を詳報しました。内閣支持率が急落しているのに民主の政党支持率が堅調なのはなぜか。そのカギを強固な与党支持層を形成する女性の高齢層に求めた分析とルポは1面と政治面でお伝えしています。(陽)
日本経済新聞
 来年度予算編成の骨格となる税制改正の大枠がようやく固まりました。焦点だったガソリン税などの暫定税率を実質的に維持するなど、民主党の「要望」に沿ったもので、鳩山政権の党高政低ぶりを示す証左といえましょう。暫定税率は昨年、野党だった民主党が参院で反対し、一時、課税が凍結されたいわくつきのものです。政権党としては2兆5千億円にのぼる財源を捨てる手はないという極めて現実的な判断——。ということで、有権者は納得するでしょうか。(M)
読売新聞
 「最終的な結論は私が決める」。決まらないことが決まった普天間問題など何度かこのセリフの結末にがっかりさせられましたが、この日、鳩山首相は決断しました。ガソリン税の暫定税率は維持、子ども手当は所得制限なし。片や政権公約破り、片や公約通り。小沢幹事長が提出した党の要望に照らすと、イエスとノー。「妥協」と「指導力」を天びんにかけ、熟慮に熟慮を重ねた首相の結論は、世の中をどっちに動かすでしょうか。(中)

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