座間9人殺害、26日に論告求刑 全被害者の審理終了 地裁支部公判
毎日新聞2020年11月16日 19時19分(最終更新 11月16日 19時19分)
神奈川県座間市のアパートで2017年に男女9人の遺体が見つかった事件で、強盗・強制性交等殺人罪などに問われた白石隆浩被告(30)の裁判員裁判は16日、東京地裁立川支部(矢野直邦裁判長)で、8、9人目の被害者の事件の中間的な論告と弁論があった。検察側が「極めて自己中心的な単なる殺人」と非難したのに対し、弁護側は「殺害を承諾していなかったことには疑問が残る」と反論した。
被害者は17年10月に殺害された横浜市の女性(当時25歳)と東京都八王子市の女性(同23歳)。
検察側は、被告が所持金を奪うなどの目的を隠しており、「2人が仮に自殺するつもりで被告宅に出向いたとしても、一緒に自殺をするという限度での意思しかなかった。本当の目的を知っていれば承諾したはずがない」と述べた。2人は部屋で笑ったり昔話をしたりしており、「自殺の決意が固まっていたのかどうかも疑問がある」と指摘。事件の本質は、欲望を満たしつつ金も得ようという目的の極めて自己中心的な単なる殺人だと主張した。
弁護側は、人見知りだった2人が被告に会いに行ったのは「強い決意があった。死を実現するため以外に説明が付かない」と述べた。さらに被告宅で自ら薬物を飲み、「(死ぬのを)やめたい」という言動もなかったと主張した。
これで9人の被害者の審理が終了した。被告の責任能力に関する審理と遺族の意見陳述を経て、26日に事件全体の検察側の論告求刑と弁護側の弁論がある。【林田奈々】
◎上記事は[毎日新聞]からの転載・引用です *強調(=太字)は来栖
――――――
* 《座間9人殺害》白石隆浩被告 自白の理由は「部屋に証拠が残り観念」 第19回公判 9番目被害者 2020/11/12
* 《座間9人殺害》白石隆浩被告 手足をバタバタと…法廷で明かされた8人目の被害者
* 《座間9人殺害》白石隆浩被告 7人目の被害者「一番抵抗が強かった」 捜査段階と供述違い…証言変更も 2020/11/02