日米原子力協定 自動延長へ 2018/7/16 日本のプルトニウム保有量に懸念も

2018-07-16 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法/歴史認識〉

日米原子力協定 自動延長へ 日本のプルトニウム保有量に懸念も
 NHK NEWS WEB 2018年7月16日 14時29分
 アメリカが日本に対し、使用済み核燃料の再利用を認める「日米原子力協定」は、16日に発効から30年の期限を迎えます。協定は自動的に延長されますが、アメリカでは、日本が保有するプルトニウムの量に懸念も出ていて、引き続き原子力政策の透明性を求められることになりそうです。
 「日米原子力協定」は、アメリカが日本に対し原発の使用済み核燃料からプルトニウムを取り出して再利用する「核燃料サイクル」の実施などを認めるもので、16日に発効から30年の期限を迎えます。
 協定は日米双方から異論が示されなかったため、17日に自動的に延長されますが、今後はどちらかが一方的に通告すれば、協定は半年後に効力を失うことになります。
 協定をめぐっては、日本が「核燃料サイクル」の中核に位置づけてきた高速増殖炉「もんじゅ」の廃炉が決まるなど、プルトニウムの再利用が十分に進んでいないうえ、アメリカでは、日本が保有するプルトニウムの量に懸念も出ています。
 このため、日本政府はプルトニウムの削減や適切な管理を進め、協定の存続に理解を得たい考えで、具体的な利用計画や核燃料サイクルの実現性など、引き続き原子力政策の透明性を求められることになりそうです。
*核兵器にも使えるプルトニウム保有量削減が課題
 日米原子力協定は、原発に一定の割合で依存する日本のエネルギー政策にとって重要な協定です。この協定で、アメリカは日本に原発の使用済み核燃料からプルトニウムを取り出して再利用する「核燃料サイクル」を認めています。
 しかし、日本ではプルトニウムを燃料に使う高速増殖炉「もんじゅ」の廃炉が決まったうえ、東日本大震災以降、原発の再稼働が進まないため、一般の原発で使う「プルサーマル」での消費も低い水準のままです。
 このような状況で、核兵器にも使えるプルトニウムがたまったままの日本に対しては、アメリカなどから厳しい目が注がれています。
 このため、政府は今月3日に閣議決定した新たなエネルギー基本計画で、プルトニウムの保有量の削減に取り組むことを初めて明記しました。
 これに関連して、世耕経済産業大臣は先週末、「一般の原発で消費する『プルサーマル』の一層の推進などで、量の削減を含む適切な管理と利用を行っていきたい」と述べるなど、日本のエネルギー政策ではプルトニウムの削減が大きな課題となっています。
*進まないプルトニウム利用
 日本は核兵器の原料にもなる47トンのプルトニウムを保有していて、国際社会の懸念が高まる中、プルトニウムを着実に減らすことができるかが課題になっています。
 日本の原子力政策は初期の段階から、原発で使い終わった使用済み核燃料を再処理して取り出したプルトニウムを「高速増殖炉」で使う核燃料サイクルを柱としてきました。
 しかし、高速増殖炉は、福井県にある「もんじゅ」がナトリウム漏れ事故や保守管理などの問題を起こし、政府はおととし、廃炉にすることを決めました。高速炉の計画は継続するとしていますが先行きは不透明になっています。
 こうした中、新たなプルトニウム利用の柱となっているのがプルトニウムを一般の原発で使う「プルサーマル」ですが、こちらも十分に進んでいません。
 電力各社で作る電気事業連合会は「16基から18基」の原発でプルサーマルを行う目標を掲げていますが、福島第一原発の事故のあと、実施したのは4基にとどまっています。
 一方、青森県六ヶ所村にある使用済み核燃料の再処理工場が目標とする2021年度上期の完成のあと本格運転した場合、プルトニウムはさらに増えるおそれがあります。
 このため国は、おととし施行された再処理工場で取り出すプルトニウムの量などを認可する法律に基づき、プルトニウムを増やさないよう管理することにしています。
 ただ、プルサーマルや高速炉の計画が進まない場合、プルトニウムを減らす政策の実効性は不透明で、巨額の費用を投じてきた核燃料サイクル政策の意義が一層、問われる可能性があります。
*プルトニウム利用の基本方針改定へ
 原子力利用の方向性を示す国の原子力委員会は、ことし1月、「プルトニウム利用の基本方針」を15年ぶりに改訂する議論を始めました。
 日本は原子力の開発や利用は平和目的に限り、原子力委員会は、核兵器の原料にもなるプルトニウムについて「利用目的のないものは持たない」という原則を示しています。
 原子力委員会は、今後、新たなプルトニウム利用の基本方針で、こうした原則を堅持するとともに、日本が国内外に保有する47トンのプルトニウムを長期的に着実に減らす方針を示す見通しです。
 背景には、国際的にプルトニウムの削減に対する関心が高まる中で、プルトニウムをどう減らしていくかより透明性を高めることが必要だと判断したことがあります。
 原子力委員会は、新たな基本方針に日本が保有するプルトニウムの量が、現在の水準より増えないように管理し、長期的には減らすことを盛り込む方向で調整しています。
 そのために、使用済み核燃料を再処理して取り出すプルトニウムの量は、再び原発で使える量にとどめることや、電力会社どうしでプルトニウムを使うための協力を促すことを検討しています。

日本のプルトニウム保有量に米で懸念の声
NHK NEWS WEB 2018年7月13日 4時29分
 原子力発電所から出た使用済み核燃料からプルトニウムを取り出し、再利用することをアメリカが日本に認めた「日米原子力協定」について、今月、有効期間の期限を迎えるのを前に、NPO法人がアメリカの議会などから日本のプルトニウムの保有量に対し懸念の声があがっていることを報告しました。
 30年前に改定された「日米原子力協定」は、原発の使用済み核燃料からプルトニウムを取り出して再利用する「核燃料サイクル」などをアメリカが日本に認めたもので、今月16日に有効期間の期限を迎えますが、協定は自動延長される見通しです。
 こうした中、外交政策を提言するNPO法人などが12日夜、集会を開き、先月までに合わせて3回、アメリカの議会や政府関係者と意見交換した内容を報告しました。
 この中で出席者が、核兵器の原料にもなるプルトニウムを日本が合わせて47トン保有していることに触れ、「プルトニウムをどう削減していくのか、具体的な方策を示すべきだとアメリカが求めている」などと懸念の声があがっていると述べました。
 プルトニウムの使いみちをめぐっては、プルトニウムを燃料に使う高速増殖炉「もんじゅ」の廃炉が決まったほか、一般の原発で消費する「プルサーマル」も計画どおりに進んでいません。
 このため原子力委員会は今後、プルトニウムを減らすための新たな基本方針を示すことにしています。

 ◎上記事は[NHK NEWS WEB]からの転載・引用です
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産経ニュース 2018.1.17 20:05更新
日米原子力協定の延長決定 核燃料サイクルの継続可能に
 今年7月16日で30年間の期限を迎える日米原子力協定が自動延長されることが17日、決まった。6カ月前までに日米いずれかが協定終了を通告しなければ自動延長される仕組みで、双方に見直しの動きは起きなかった。核兵器の原料にもなるプルトニウムの平和利用を認めるもので、延長により日本は使用済み核燃料からプルトニウムを取り出して再利用する核燃料サイクル政策が継続できる。
 協定は、非核保有国の日本に使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す再処理やウラン濃縮を認める特権的な内容。取り消されれば日本は再処理などの規制対象で個別工程ごとに米国の事前同意が必要になり、青森県六ケ所村の再処理工場の運営やサイクル政策の実現は事実上困難になる。
 このため、世耕弘成経済産業相は「日本の原子力活動の基盤であり、日米関係の観点からも極めて重要な協定」だと説明していた。
 トランプ米政権内の交渉態勢が整わなかったことが自動延長の背景にあるが、延長後は日米いずれかの通告で6カ月後に協定を終了できる。期限を定めた長期の延長ではなかったことで、政府内にも「非常に不安定な状態になる」(河野太郎外相)と懸念の声がある。

 ◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です
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日本、核燃サイクル撤退を 余剰プルトニウム「北非核化交渉に悪影響」トーマス・カントリーマン氏 2018/7/2

  

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