新たな人権侵害や言論統制を招きかねない人権侵害救済機関「人権委員会」を法務省外局として設置

2012-09-20 | 政治

人権救済法案 強引な閣議決定おかしい
産経ニュース2012.9.20 03:16[主張]
 野田佳彦政権は、新たな人権侵害や言論統制を招きかねないとの批判が出ていた人権侵害救済機関「人権委員会」を法務省外局として設置する法案を閣議決定した。
 今回の閣議決定は不可解な部分が少なくない。藤村修官房長官は「政府として人権擁護の問題に積極的に取り組む姿勢を示す必要がある。次期国会提出を前提に、法案内容を確認する閣議決定だ」と強調した。
 だが、国会提出時には再度、閣議決定を経る必要がある。人権救済法成立に前のめりな党内グループに過度に配慮しただけではないのか。同法案に慎重な松原仁国家公安委員長の外遊中を狙った節もあり、疑念がつきまとう。
 人権委員会は政府から独立した「三条委員会」で、公正取引委員会と同様の強大な権限を持つ。調査の結果、人権侵害と認められると告発や調停、仲裁などの措置が取られる。
 最大の問題は、人権侵害の定義が相変わらず曖昧なことだ。「特定の者」の「人権」を「侵害する行為」で憲法違反や違法行為を対象とするというが、これでは何も定義していないに等しい。恣意(しい)的な解釈を許し、言論統制や萎縮、密告による新たな人権侵害を招きかねない。
 こうした法案への疑念や危惧、抵抗感は国民は無論、与党や閣内にも根強い。にもかかわらず、いま行われている民主党代表選、自民党総裁選で、この問題が問われていないのは重大な欠落だ。
 閣議決定に対し、自民党の林芳正政調会長代理は「なぜ、この時期なのか」と政府の意図に疑問を投げた。安倍晋三元首相も法案に対し「大切な言論の自由の弾圧につながる」と指摘した。石破茂前政調会長は以前、法案に反対としながらも、救済組織の必要性は認めていた。
 政府・与党は先の通常国会終盤にも法案提出に意欲を示したが、批判を受けて見送ったばかりだ。国論が二分している法案を閣議決定して既成事実化するやり方は、到底適切な手続きといえない。
 自民党内にも人権法案に前向きな意見もあるが、言論統制とは無縁の自由な社会を維持するために果たしてこの種の法案が必要なのか。民主、自民両党首選の立候補者は少なくともこの問題への立場を鮮明にし、国民的な議論を積み重ねてもらいたい。
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「人権委」法案:報道規制条項盛り込まず閣議決定
毎日新聞 2012年09月19日 12時07分(最終更新 09月19日 14時10分)
 政府は19日、新たな国の人権救済機関として設置する「人権委員会」の関連法案を閣議決定した。02年に政府が提出した人権擁護法案(03年廃案)は報道を巡る人権侵害に対する規制条項を設けていたが、今回の法案では盛り込まなかった。
 次期臨時国会での審議を目指すが、「人権侵害」の解釈などを巡って与党内でも反対論があり、法案成立の見通しは不透明だ。
 法案では、人権の擁護に関する施策を総合的に推進することを「国の責務」と明記した。人権委員会は、政府が国会の同意を得て委員長と委員4人を選任。「法務省の外局」として独立性を保障され、人権侵害行為に対する調査や救済措置を行う。
 全国の法務局や地方法務局に調査を委任でき、対応状況は毎年、国会に報告し、公表する。調査拒否に対する制裁規定はなく、人権侵害をした人に対する勧告や告発など救済措置を講じることができる。また、公務員による人権侵害が認められた場合は、本人や所属機関に勧告。機関が勧告に従わなかった時はその事実を公表する。
 さらに紛争解決の方法として調停委員会や仲裁委員会を設け、当事者の合意による解決を促すこともできる。 一方、現在全国でボランティアとして活動している人権擁護委員については、委嘱者を法相から人権委員会に移した上、災害補償を受けられる非常勤の国家公務員として位置付ける。【伊藤一郎】
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◆ どさくさにまぎれてとんでもない法案が閣議決定されようとしている  「人権委員会」を設置しようという法案 2012-09-01 | 政治


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