2月26日11時40分配信 時事通信
靖国神社に合祀(ごうし)された戦没者の遺族9人が「勝手に英霊として祭られ精神的苦痛を受けた」として、同神社に合祀者名簿からの削除と1人100万円の慰謝料を求めた訴訟の判決が26日、大阪地裁であった。村岡寛裁判長は「法的利益の侵害がない」として請求を棄却する一方、「合祀には遺族の同意を得ることが望ましい」と述べた。
戦没者の氏名などを神社に通知し、合祀に協力したとする国への慰謝料請求も退けた。原告側は控訴の方針。
靖国神社を相手取った合祀取り消し請求訴訟の判決は初めて。同様の訴訟は東京、那覇両地裁でも係争中。
村岡裁判長は「原告が主張する敬愛追慕の情に基づく人格権は、合祀への不快感や神社への嫌悪感にすぎず、法的に保護すべきだとは認められない」と判断した。
その上で「合祀は、靖国神社が信教の自由に基づき自由に行うことができる抽象的、観念的行為で、他者への強制や不利益を伴わない」として権利侵害を否定した。
一方、「遺族以外の者が慰霊行為をする場合、遺族の同意、承認を得ることが社会的儀礼として望ましい」と付言した。
国の情報提供については、合祀に強制とみられる影響力はなかったとして違法性を否定した。
原告は、大阪府のほか石川、島根、香川各県などに住む64-82歳の遺族9人。父や兄、叔父ら親族計11人が太平洋戦争で旧日本軍に従軍し、戦死するなどして合祀された。遺族は戦没者の氏名を記した霊璽簿(れいじぼ)などから11人の氏名を削除するよう要求したが、神社側は応じなかった。
靖国神社に合祀(ごうし)された戦没者の遺族9人が「勝手に英霊として祭られ精神的苦痛を受けた」として、同神社に合祀者名簿からの削除と1人100万円の慰謝料を求めた訴訟の判決が26日、大阪地裁であった。村岡寛裁判長は「法的利益の侵害がない」として請求を棄却する一方、「合祀には遺族の同意を得ることが望ましい」と述べた。
戦没者の氏名などを神社に通知し、合祀に協力したとする国への慰謝料請求も退けた。原告側は控訴の方針。
靖国神社を相手取った合祀取り消し請求訴訟の判決は初めて。同様の訴訟は東京、那覇両地裁でも係争中。
村岡裁判長は「原告が主張する敬愛追慕の情に基づく人格権は、合祀への不快感や神社への嫌悪感にすぎず、法的に保護すべきだとは認められない」と判断した。
その上で「合祀は、靖国神社が信教の自由に基づき自由に行うことができる抽象的、観念的行為で、他者への強制や不利益を伴わない」として権利侵害を否定した。
一方、「遺族以外の者が慰霊行為をする場合、遺族の同意、承認を得ることが社会的儀礼として望ましい」と付言した。
国の情報提供については、合祀に強制とみられる影響力はなかったとして違法性を否定した。
原告は、大阪府のほか石川、島根、香川各県などに住む64-82歳の遺族9人。父や兄、叔父ら親族計11人が太平洋戦争で旧日本軍に従軍し、戦死するなどして合祀された。遺族は戦没者の氏名を記した霊璽簿(れいじぼ)などから11人の氏名を削除するよう要求したが、神社側は応じなかった。