静かすぎるHV車「音出し義務」、国交省が作業入り
asahi.com 2009年11月5日20時29分
ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)が静かすぎて危険とされる問題で、国土交通省の検討委員会は、「疑似エンジン音などの発音装置を義務づける」との対策案をまとめた。5日から1カ月間、同省のホームページなどで一般からの意見を募ったうえで、実施に向けた作業に入る。義務化の開始時期は「未定」としている。
検討の過程では、「静かさは利点」との意見もあったが、目が不自由な人が近づく車に気づかずに危険な目に遭うケースが起きていることから、発音装置の普及が必要と判断した。
対策案によると、モーターだけで時速20キロ以下で走る場合に自動的に音が出る仕組みを導入する。チャイムやメロディー音ではなく、疑似エンジン音や電子ファンの音など、「走っている車」を連想させる音とする。運転手が一時的に音を消すことができる機能も付与する方針だ。
新車には発音装置を義務づけ、すでに使用している車については後付けできる装置の開発を促す。まずは任意で試行し、状況をみて法令の整備に入る。国際的にも初めての取り組みなので、義務化までに1年以上かかると見られる。対策案の詳細や意見の送り方は、同省のホームページ(http://www.mlit.go.jp/)。
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「静かすぎて危険な車」人工音を義務付けへ
「静かすぎて危険」との指摘が出ているハイブリッド車(HV)や電気自動車の走行音について、対策を検討してきた国土交通省の委員会(委員長=鎌田実・東京大教授)は15日、新車にエンジン音に似た人工音を付けることを義務付けるなどの対策案をまとめた。
11月に国民の意見を募る「パブリックコメント」を実施したうえで年内に最終的な方針を決める。ただ、自動車メーカーによると開発には2年ほどかかるといい、実施は先になりそうだ。
義務化の対象となるのは、低速走行中や発進時にモーターだけで走ることができるハイブリッド車などの新車。時速20キロまでの低速走行時に、エンジン音や排気音などを想像させる音を発するようにする。音量は一般の車と同レベルを想定している。
一方、すでに販売されている車にも義務付けるかどうかは、話し合いを続ける。(2009年10月16日03時10分 読売新聞)