「小沢一郎氏記者会見」2011年2月10日自由報道協会(仮)主催

2011-02-14 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア

小沢一郎氏記者会見(テキスト版)2011年2月10日
岩上安身オフィシャルサイト 
 2011年2月10日、都内記者会見場。自由報道協会(仮)主催による小沢一郎氏の2度目の記者会見。夕方5時、離党を求める菅総理との会談を終えたばかりの小沢一郎氏が入場。激しくたかれるフラッシュ。会見をアテンドした上杉隆氏が司会をつとめる。司会アシスタントは週刊朝日Ust劇場のキャスター成瀬久美さん。
上杉「お待たせしました。時間もないので、早速、小沢一郎衆議院議員の記者会見を始めたいと思います。フラッシュの方は冒頭1分間で、終了してください。ちょうど、同じ時間帯に、官房長官の初の一部オープン化会見、そして岡田幹事長の会見も同時刻にやっているということで、党のトップに近い人が同じ時間にぶつけて来たのか、ぶつけられたのかわかりませんが、こちらの会見は、まあ日本で最強の一兵卒の会見ということでやりたいと思います。
 そこでまず、冒頭わたしの方から2、3、質問をさせていただきまして、その後、挙手のうえ、皆さんの方から質問を受けます。まず、最強の一兵卒として、先ほど菅総理と会談をされたということなんですが、ずっと取材してる立場からすると、きっと09年マニフェストについて、何らかの形でお話されたんじゃないかという期待があるんですが、小沢さん、その辺り、どうだったんでしょうか」
小沢「マニフェストの話はありませんでしたね」
上杉「基本的には、昨今言われてるような国会への招致ということだけで終わったんでしょうか?」
小沢「そうです。その政倫審、あるいは野党は証人喚問を言っているという話で、僕が、報道に若干あるようですが、裁判が済むまで党を離れてくれないかという話、この二点でしたね」
成瀬「そろそろフラッシュ撮影は、お止め願います」
上杉「あとですね、これ一昨日になると思うんですが、名古屋の愛知県知事選で共に当選した大村秀章さん、そして河村たかし市長が、小沢さんの方に表敬訪問というか挨拶に来たということなんですが、ずっと長い間、地方からの改革というか、地方に権限を委譲するというような形での政策を持たれている小沢さんと河村さんたちが会ったということは、何らかの政策的な、そういう話し合いがあったんではないかと思うんですが、その辺りの話というのはされたんでしょうか」
小沢「河村君、河村市長は、ずっと前からよく知ってる仲です。大村新知事は直接は存じ上げなかったですけども、二人とも面白いキャラの持ち主でして、なんかとにかく挨拶に、話に来たいということで、これはもう、県と名古屋市を代表する方が挨拶に来るというのですから、それを断る理由もありませんし、また年来の面白い友人でもありますから、お会いして、なんかもう、ぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃ1時間ぐらい喋ってましたね」
上杉「半ば、尾張の乱のような感じも受けたんですが、ただ、民主党は、愛知県連含めて、両者共に推薦ということで、選挙で応援はしなかったんですが、その辺り、選挙上の観点からどうなんでしょうか、その民主党の対応というのは」
小沢「民主党の対応云々よりもね、メインは河村君だったんだと思うけれども、彼は一つはね、非常に日常活動を、まさに一般の皆さんの中に入って一所懸命やってます。ですから、一般市民との会話、意思疎通が、相当できてるんじゃないかというふうに思います。
 それから、もう一つは政策面ですけれども、やっぱり自分の、減税という話で一口には言ってますが、自分の主張を頑ななまでに曲げずに推し進めてるということが非常に県民、市民の共感を得たんじゃないでしょうかね。そういう意味で、彼と、あの二人の県民、市民との認識、理解の度合いが、はるかに政党云々よりも強かったということでしょうね

上杉「私から最後の質問なんですが、昨日、党首討論が行われました。そもそも党首討論というのは、政策とか含めて、野党第一党、野党第二党を含めて現職総理と政策を戦わせるということで、小沢さんがその成立に関わったというふうにうかがってますが、実際その制度をつくったのは小沢さんなのかということと、昨日、その中で、谷垣自民党総裁、山口那津男公明党代表ともに小沢さんの名前を出すことによって証人喚問に来てくれというような、『出せ』というようなことを言ったんですが、それについて二点なんですが、いかがでしょうか」
小沢「わたくしは、どんな場であっても、どんな機会であっても、全て包み隠さず申し上げておりますから、国会の場でも、こういったマスメディアの皆さんの前でも言うことは同じですから、その意味では一向に構わないんですけれども、ただ、今、わたくしの場合は、検察審査会で強制起訴、まあ起訴と同じ言葉で呼ばれちゃいますんで同じだって言われがちなんですが、指定弁護人の言葉を借りれば『制度としてそういうものがあるので、起訴をしたんだ』と言っておられますけれども、国会も、もちろんみんなが見てるんですけども、公判廷はもう全くすべて公開の場ですので、そこの場で事実関係が明らかにされると。
 それから、もう一つは、筋論として、『三権の分立』という憲法の理念があります。もう一つは、同じ憲法の理念で『基本的人権の尊重』ということがあります。ですから、同じような類の問題で、司法が法廷の場でやってることを同時並行的に立法府がやるということはいかがなものかという筋道の議論は、わたくしもそう考えております。
 一般論としては、わたくしは何処の場でも、何の場でも、一向に何も隠すことありませんので、構わない。一般論としては、そういうことです」
上杉「党首討論は、小沢さんが制度を考えられたというのは本当ですか」
小沢「そうです。自由党の時に新聞、テレビから、からかわれながらも、必死になってその制度を作ったということです。
*初の党首討論は1999年11月10日、当時の小渕恵三首相と鳩山由紀夫民主党党首、土井たか子社民党党首、不破哲三共産党党首が討論
 それからもう一つは、官僚支配を国会の場から無くしていこうということで、『政府委員制度』の廃止をやったんですが、その後、自民党政権の中で換骨奪胎と言いますか、名前だけ変わって昔と同じ様になってしまった。それが現状でも続いているということですが、まあなかなか、イギリスだって何百年かかって民主主義がようやく成立してきたわけで、急に様変わりになるという訳には行きませんけれども、一つずつ前進していけば良いなと思っています」
*換骨奪胎(かんこつだったい):先人の詩や文章などの着想・形式などを借用し、新味を加えて独自の作品にすること
*政府委員:国会での答弁などについて国務大臣を補佐した行政府の職員。国会での野党議員からの質問に対し、大臣にかわり、この政府委員をつとめる官僚が答弁するという場合がこれまでしばしば見られ、国会の形骸化の象徴の一つとされた。国会においては政治家同士が議論を戦わせるべきであるというのが持論の小沢氏は、この政府委員制度の廃止を主導した。1999年(平成11)の国会審議活性化法により廃止され、政府特別補佐人と政府参考人が導入された。
上杉「あと20問くらい私が質問しようと思っていましたが、批判が来るので、ここで会場の皆さんから質問を受け付けます。(場内の記者達が挙手)では畠山さん」
畠山「フリーランスの畠山理仁と申します。明日2月11日は、小沢さんの秘書をかつてつとめてらした石川知裕代議士が民主党を離党してちょうど一年になります。石川代議士は検察による起訴を理由に離党したわけですけども、小沢さんは検察審査会の議決による強制起訴ということで、どちらも起訴されたわけですが、推定無罪の原則からいけばですね、違いは無いと思うのですけれども、何故、石川さんが離党される時に小沢さんは引き止めずに、今回小沢さんは党の中にとどまっているのかと。親分として少し格好悪いのではないかと思うのですけれども、そのことについてお話をうかがえればと思います」
小沢「さっき申し上げたとおりでございますが、一昨年の3月に突然、強制捜査が開始されました。その意味では非常に異例の捜査でした。その中でまた、昨年、石川議員始め、いまお話のとおりに起訴された訳ですけれども、彼は無実無罪を主張し続けてきておりますけれども、一応捜査当局による、検察当局による起訴ということを重く見て、そういう処置を取ったんだろうと思います。
 私の場合は、一年余の強制捜査の中で、結果として何も不正は無しということで不起訴になっておるわけです。検察審査会という仕組みがありまして、それは司法か行政か、どこに属するのかよく分かんないんですけれども、まったく秘密のヴェールの中で捜査がされた訳でもないし、どういう判断基準かも、よく誰も分からないんですが、いずれにしろ指定弁護士さんの言葉じゃないですけども『制度があるから起訴したんだ』という言葉に象徴されますように、その意味では捜査当局ではまた、起訴無しということになりましたので、今の検察審査会、同じ起訴という言葉なもんですから『起訴は起訴じゃねえか』という話になっちゃいますけれども、それは本質的に違うものではないかと思っております」
上杉「ちなみに強制起訴は、弁護士の郷原さんは『アマチュア起訴』というふうに言ってました。続いて伊田さん」
伊田「週刊金曜日編集部の伊田と申します。よろしくお願いいたします。前回、グランドキャニオンの話をうかがいました。
 小沢さんが、実は、相当政策通であることは、記者会見でいわゆる『政治とカネ』の問題しか聞かれないので知られていないと思うんですけど、今の日本を立て直す為に、どのような政策が一番大事と思われているのか、漠然とした質問ですけれどもそこをお聞かせください。マニフェストの見直しの話が出なかったというのが冒頭にありましたけども、どういう政策を取っていくのが、いまの大変な世界状況の中で日本の為になるのか。大きな質問ですけどよろしくお願いします」
小沢「個別政策うんぬんというよりも、更にその背景にある、どうしたら良いかということだと思いますが、基本的にはやっぱり自立した日本人、日本人自身がやはり自ら自立した個人にならないと、この問題は解決しないだろうと思っております。
 国家や社会は、自立した個人のその意思によっていろいろ活動する、それが出来る限り自由に、出来る限り個人の活動をエンカレッジする、サポートする、そういう仕組みを基本的に作ってやるというのが、社会や国家の仕事だろうと思っております。
*エンカレッジ(英:encourage):発達などを促進すること。助成すること、後押しすること
 ただ、あくまでも自立した個人というのが前提にないと、それは成り立たない。そして民主主義が成熟しない、という結果になってしまう。
 これに関連すればケネディ大統領の就任の演説が有名ですが、『国家が国民諸君に何をなすべきかということではなくして、国民諸君が国家や社会に何が出来るかということだ』という、あの有名な演説ありますけれども、やはりそういう自立心を養う、日本人の性格から言うと、自立心と、やっぱり言葉で言えば創造力でしょうかね、模倣じゃなくね、それは、ほぼイコールだと思いますが。
 それをね、じゃあ養うにはどうしたら良いかということですけれども、一つはやはり広い意味での教育でしょうね。これは、家庭教育、社会教育、学校教育と、分ければありますけれども、やはり一番大きいのは僕は家庭教育だと思いますけどね。それはやっぱり親自身がきちっと自立してないとね、子供も育てられんないですから。そういう意味で、どっちが先かという話になっちゃいますが、私はそういう考えを前提にして社会や国家の仕組みを、それぞれの人たちが活動しやすい、能力を発揮しやすい仕組みを作っていくと。
 同時に自由な行動でありますけれども、大勢の人が集まった社会ですから、当然、社会全体のセーフティーネットという物を考えるということも、自立社会と同時にそれがないと、まったくのイコール競争社会万能という話になっちゃいますんで、大きな、多くの社会で、多くの人をセーフティーネットで支えながら、個人の努力と能力によって自立した個人の活動が営まれていくということを、非常に抽象的ですがそう思います。それはやっぱり、どっちが先ということがあるけど、煎じ詰めればやっぱり教育なんですかね。人づくりというのか、教育というのか、そこから、まあ一歩から始めるということでしょうかね」
上杉「(手元のiPhoneを見ながら)いま、共同通信と時事通信から速報がありまして、『小沢元代表は、記者会見で、菅首相から、裁判が済むまで党を離れてくれないかと言われた』という速報がこの場でありまして、お知らせします。無意味な報告でした。江川さん」
江川「フリーランスの江川と申します。政策の話でなくて非常に恐縮なんですが、先日私は石川さんたちの裁判の初公判、第2回公判を傍聴してきました。そこで、検察側がですね、冒頭陳述の中で、背景事情として、水谷建設との関係をいろいろ述べて」
小沢「はい?」
江川「水谷建設」
小沢「ほぉ」
江川「との関係をいろいろ述べて、胆沢ダムの建設に関連したお金があったということを言っておりました。そこでお尋ねしたいんですけれども、まず胆沢ダムについて、水谷建設から何か陳情を受けたことがあるかどうか、そしてその前後に、1億円の献金をいただくというような話はあったのかどうか、あるいは、それ以外に、この水谷建設との関係はどういうものだったのか」
小沢「水谷、日産? 日産建設、水谷建設?」
江川「水谷建設」
小沢「水谷」
江川「はい」
小沢「あぁ」
江川「胆沢ダムに関して陳情があったか、献金があったか、あるいは、そのダムとは全く関係なくですね、水谷建設とはどういうご関係だったのかということを、可能な限り教えて下さい」
小沢「ぼく?」
江川「はい」
小沢「今の挙げられたような事実は全くないと思います。それから私は、ゼネコンであれ、他の企業であれ、そういう企業のいわゆる事業に関連して、経営者やオーナーと会う、ということは全くありません」
小沢氏が苛立ちを表にあらわしたシーンだった。愉快ではない質問の際、聞き取りづらい、と言いたげに聞き直すのは、小沢氏の癖である。回答もまた、素っ気ないものだった。
上杉「はい、じゃ、七尾さん」
七尾「ニコニコ動画の七尾です。よろしくお願いします。視聴者の質問を代読させていただきます。前回も議会制民主主義についておうかがいしたんですが、今回は選挙についておうかがいしたいと思います。
 4月に行われる統一地方選なんですが、現政権にとってどのような意味合いを持つのかお聞きしたいというのが第一点でございます。それとですね、また統一地方選にあたっての、小沢さんご自身の行動計画的なものがもしあれば、という点ですね。
 また最後に、小沢さんであればこそぜひおうかがいしたいのですが、冒頭の名古屋市長選についてのお言葉がありましたけど、多少重なるかもしれませんが、民主党がですね、統一地方選を制するためには、何が必要だとお考えになりますでしょうか」
小沢「いまの最初の質問については、選挙というものをどう見るか、どう位置づけるかということによって全く違うと思います。『選挙なんか大したことないや』と思えば、それで『ただの選挙か』という話になってしまいます。
 私の場合は、民主主義のシステムを取る以上、民主主義社会では選挙というのは最も基本的なものであり最も大事なものだと思っております。なぜならば、主権者たる国民が自らの意志を表明するのは選挙しかないわけです。ですから、この選挙を軽んじるということは民主主義そのものに対する冒涜だと僕は思っておりまして、この点についても新聞、テレビのみなさんと意見が食い違っておりますけれども。ですから、私は非常に大事なものだと思って従来からも取り組んできております。
 地方選挙も、まさに直接地域の人たちの行政をあずかったり、議会をあずかったりする人たちの選挙です。ですから、より具体的、より密接な住民との、主権者との関わりあいがありますので、その意味では、いわゆる全国規模の政党としても非常に大事なものであり、本来の政党の基盤はその上に立っていくものであろうというふうに思ってますのでたいへん大事だと思います。
 最後に、どうすればということになりますが、それはもうさっきの名古屋と愛知のことを時に申し上げたとおり、やはり一般国民のみなさんの心を的確に捉える日常活動と政策を打ち出していくということに、私は尽きると思っています
七尾「ありがとうございました」
上杉「はい。ツイッターのタイムライン上で、『岩上さんに当てろ』というのがいっぱい来ているので、岩上さん」
岩上「フリーランスの岩上です。よろしくお願いいたします。先ほど、大久保さん、石川さん、池田さん、元秘書の方々の初公判が開かれたという質問がありました。それに関連しまして、お聞きしたいと思います。
 石川代議士について、起訴後の取り調べ――起訴後に取り調べをすること自体、異例であると思いますが――その異例の取り調べのなかで行われた内容が、石川さんがICレコーダーで録っておいたため開示されることになりました。その中を見ると非常に驚くべき内容がいろいろと含まれています。
 まず逮捕時の供述を維持するように誘導したという点。そしてもう一つ、非常に驚くのは、これは小沢さんと関係があることなんですけれども、石川さんの逮捕の時、まだ小沢さんの捜査段階だったわけですが、『小沢さんは起訴できない、検察が起訴しない、しかしその後検察審査会へ持って行く』というストーリーを、一検事が今から1年前に語っているわけですね
小沢「あぁ、そうですか」
岩上「はい。それは全部録音されたものの中に」
小沢「あぁ、そうですか(驚)」
岩上「ご存じない?」
小沢「そこまで聞いてませんので」
岩上「そうですか。ぜひ聞いていただきたいと思いますが」
小沢「はいはいはい(笑)」
岩上「そういう内容を一検事が語りながら、石川さんの供述を誘導し、圧力を掛けたわけです」
小沢「あぁ」
岩上「これはですね、小沢さんは当事者であるわけで、この一連の捜査、および不起訴、そして検察審査会に持って行くというストーリーが、検事の頭の中にあったという点について、この検察の捜査、および検察審査会のありかたというものが、本当に正当なものであるのかどうか。不当な政治的な思惑が込められた不当捜査であるかどうか。こういった点について小沢さんはいつも『公正な捜査により』というふうにおっしゃいますが、腹の中では…」
小沢「(笑)」
岩上「内々では、どのようにお考えなのか。こうした事実も出たところをふまえてですね、ぜひともお話をうかがいたいと思います」
小沢「そのいまのことについては、私はほとんど裁判上の弁護士とも会うこともほとんどありませんし、裁判上のそういった証拠の、開示された証拠であっても何でも、ほとんど正確に見ておりませんので。いまちょっとそのことについて、初めて知りました。
 それがどうこうという論評は別として、一昨年の3月、うちの大久保が、何ら事前の事情の聴取もなしに、取ったその場で逮捕され、そして即、強制捜査が引き続いて、逮捕そのものは強制捜査ですけれども、即強制捜査になったという、その意味では異例の形での捜査だったように思います。
 ですから、そういうことが、いま聞いて初めて知ったんですけれども、やはり基本的人権に関わることですので、僕であれ、誰であれ、だから僕がいつも申し上げるように、公正な捜査というものが常に確保できるような社会にしておかないとですね、本当に民主主義というのは、いつまで経っても日本に根付かないということになってしまうのではないかということを、私自身としては危惧しております
上杉「この会は自由報道協会主催でやっておりまして、設営から運営、会場のお金を払ったり、スタッフがずっと何日も前から打ち合わせしてくれたということで、今当たったのはその主たるメンバーだったと、そちらを優先させていただきました。ただ、この会は、自由に入れることを標榜しておりますので、記者クラブの皆さんたちもぜひ存分に質問を挙手の上していただければと思います(と、上杉氏はここで会場内の記者クラブの記者達にも質問をうながす)。
 では次の質問を、では、そらのさん」
佐藤「いまインターネットで生放送をしております、ケツダンポトフのそらのと申します。見ている方からの質問です。離党勧告、除名を党から宣告された場合、新党をつくる可能性はあるのでしょうか」
小沢「(笑)私は総理にも申し上げましたが、私一個人の問題ではないと、やはりいま言ったように、日本の民主主義というのが、よりよい形で我々の社会の中に定着させるということが、一番の私の政治家としての使命であり希望でありますから、そういう意味において、いまの自分のさっきから言っている検察審査会の仕組みの中での、いま法廷で争うということになりましたけれども、そのことで私が党を離れるとか、あるいは党が何らかの形で処分をするというような、仮にそれが多数の皆様のご意見であるとすればしかたないですけれども、これは健全な政党政治と民主主義の発展にとって、私は妥当ではない、よろしくないというふうに思っておりまして、その意味で私は現状のままで活動しようという結論に達しているということです」
上杉「では続いて、常岡さん。アフガニスタンからお帰りなさいませ」
常岡「アフガニスタンで誘拐されておりましたフリーの常岡です」
小沢「ああ、それはそれは、ご苦労さんでした(笑)」
常岡「外交問題についてお尋ねしたいのですけれども、日本国内ではあまり話題になっていないような気がするんですが、世界では、ここ2週間ぐらいの最大のあれはエジプトの政変、あるいはここ2、3年の問題としてはアフガニスタンでのアメリカの苦境といった問題になっていると思います。前原現外務大臣のほうは、エジプトの問題に関して、ムバラク大統領の続投が望ましいという言い方をされたんですね」
小沢「ほぉ、そうですか」
常岡「小沢さんもそうお考えなのか、あるいは別のお考えがおありかどうか。
 もう1つは、アフガニスタンに関して日本は50億ドル、450億円ですか、の支援をすでに決めているわけですけれども、その具体的な内容というのが、いまだにはっきり、こんなことをするということが出てこないわけです。前の鳩山総理の時には具体的にこういうことをやるというのがある程度出てきていたのが、いまの政権になって何か消えてしまっているようで、民主党のウエブサイトからアフガニスタンの民主党の和平案に関するpdfファイルも削除されていまして、一体どうなっているのかなと思いまして、小沢さんにもしお考えがあるようでしたら」
小沢「アフガンでは、本当にご苦労さんでした。
 両方に共通するのは、所得の格差と、いわゆる貧困の問題だろうと思います。ですから、その意味でエジプトも、僕はムバラク大統領というのは1回しか会っていないからよくわかりませんが、長年の権力の中でそういった一般の国民の生活、『国民の生活が第一』というスローガンを(微苦笑)、ややもすれば忘れた結果ではないだろうかと思っておりまして、それは国民の皆さんのそういったことに対する不満、不信が高まってくるのは当然だろうと思いますし、私は国民の多数の意思に従う政権が誕生するということが、今のムバラクさんが多数の支持を得られるなら別ですが、国民の多数の帰趨によって決めるということが自然なことじゃないかと思っております。
 それからアフガンも、僕はこれは(ジョン・ヴィクター・ルース在日本)アメリカ大使との話の時も言ったんですが、オバマさんになって3万だか4万だか増派するということになりましたよね、軍隊をね。それで、これは何万何十万アメリカが兵を送っても、絶対、戦さで言えば勝てない。アフガンの国民を治めることはできない。武力ではできないという話を僕はしました。だから、日本のアフガンへの支援のあり方は、やはりアフガン国民の生活を安定させるということを第一にして考えないといけない。
そのためには、それこそ多少のリスクがあっても、その国民皆さんの生活のために日本人が汗を流すということだろうと思いますね。
 アフガンは、9割ぐらいが以前は自給だったんですか、たしか自給率9割ぐらいだったと思いますが、今は4割を切っている、日本と奇しくも一緒ですけれども、4割を切っているというこの現状を変えない限り、いくら軍隊を投入しても絶対アフガンに平和も安定もこない、私はそう思っておりますので、そのことを強く言った経過があります
上杉「司会が見事な司会ぶりなので、時間がなくなってしまいました。最後1問だけなんですが、挙手で。じゃ、上出さん」
上出「フリーランスの上出と申します。国民の多くの方が思っているんじゃないかなということを、ちょっと率直におうかがいします。ご存じかと思うんですけれども、山口二郎さんが『世界』の3月号で小沢さんのことを書いていまして、検察の暴走という問題もあると」
小沢「はい?」
上出「検察の暴走」
小沢「はあはあはあ」
上出「しかし、小沢さんには与党の責任者、実力者としてですね、説明責任があるということも強調されています。
 多くの方が思っている点は、やはり金権体質と言われてきた自民党の幹事長をやっておられた。それとあと、いろいろな政党をつくって、その中で政党助成金の残務処理の問題がある。それともう1つ、いわゆる企業の政治献金はよくないということを言っていたんですが、その後民主党も個人献金は一部再開してしまったと。小沢さんも企業献金はやめるべきだと言っておられます。いま言ったような国民の疑問と思われる点に答える、そういう意味でお話しいただければと思います」
小沢「僕は企業献金をやめるべきだと最初から言ってはおりません。企業献金が悪だという前提に立てば、それはもうやめる以外にない。私は献金については、誰からもらったっていいと。それから、何に支出してもいい、極論を言えばですよ、いいと。しかし、それを全部オープンにすべきだ。誰からもらって何に使ったかということを、国民がはっきりとわかるようにすべきだ。そしてそれがよろしくないというなら、次の選挙で投票しなきゃいいんです。私はそういう意味の、オープンな、献金、政治資金だけじゃなくて、オープンな日本を、もう少しオープンな社会にしなくちゃいけない。行政の中身も、たぶんあなた方がいくら頑張っても限界があるでしょう、わからないでしょう、その情報は。一般の会社だってそうですよ。みんなだからクローズドな仕組みになっているんですよ。だから、それをオープンにすることが、私は、アメリカほどオープンにする必要は僕はないと思いますが、少なくともヨーロッパ社会ぐらいのオープンな社会にはしなくちゃいけないというふうに思っております。
 それから山口二郎さんの話を引用されましたが、『政治とカネ』『政治とカネ』よく意味がわからないんですよね。何をもって『政治とカネ』と言って、何をもって問題なのか。私は誰よりも全部公開しておりますし、何もやましいことはありません。それはもう、今度の捜査でもおわかりの通りです。全部、国会とか何とか云々どころじゃないですから、捜査機関の強制捜査によって全部捜査したら結果ですから。それで何も不正はないということになっているわけでして、だから『政治とカネ』、小沢一郎はそういう意味で金権で悪いやつだというイメージというかレッテルというか、じゃ『政治とカネ』、僕の『政治とカネ』、どこが、何が問題なんだろうかという指摘はいっこうにない。ただ『政治とカネ』『小沢一郎は悪いやつだ』というパターンの批判ではないかと思っております。
 私は何でも、皆さんも含めて全員に私の収支報告書を公開していますし、事務所費も公開していますし、全部領収書から何からみんな見てもらってます。その意味では私は可能な限り、1円から公開ということになると、1円の領収書がおまえ全部あるかとなると、そこまではちょっと事務的にどの程度までやっているか、そこは言い切れないかもしれませんが、僕はこの問題があって特に、1円から領収書をきちんと揃えてきちんと報告するように、間違いないようにということだけは、担当の秘書にも言っております。
 それで今度は法廷での事実関係を明らかにせよという検審のあれですから、法廷はどなたでも傍聴できますし、すべて公開になるわけでありますので、私の冠のように付けられた『政治とカネ』というのが、じゃどこが問題で何が疑問なんだということは、改めて法廷の場で明らかになると思いますので、ぜひ皆さんにも、目をこらして耳をきちっとあれして、法廷を観察していただければと思っています」
上杉「言うつもりはなかったんですが、『政治とカネ』という話が出たんですが、『政治とカネ』というのは国際的には国民の税金の使われ方のことを言います。ぜひとも、官房機密費の追及を記者クラブの皆さんもやっていただいて、本当の『政治とカネ』というのを一緒に追及しましょう。ということで…」
成瀬「以上をもちまして……(『最後にひとつだけ質問を!』と場内の記者が挙手)すみません、時間が無いので、申し訳ございません。以上をもちまして自由報道協会主催の……」
小沢「(笑顔で)次に」
成瀬「はい、次回にお願いいたします」
上杉「この会場でやりますので、もし、次回も・・・」
成瀬「小沢一郎衆議院議員記者会見を終えたいと思います。最後にゲストスピーカーへの敬意を表しまして、最後に拍手でお送りしたいと思います。小沢一郎さん、ありがとうございました」(拍手)
小沢「(笑)ありがとうございました」
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