甲府の夫婦殺害事件 19歳被告起訴 改正少年法施行で氏名初公表 2022/4/8

2022-04-08 | 少年 社会

甲府の夫婦殺害事件 19歳被告起訴 改正少年法施行で氏名初公表
 NHK 2022年4月8日 15時04分 
 去年10月、甲府市の住宅で50代の夫婦が殺害され住宅が放火された事件で、甲府地方検察庁は刑事処分が相当として家庭裁判所から送り返された19歳の被告を殺人などの罪で起訴しました。
 起訴されたのは事件当時、定時制の高校に通っていた甲府市の遠藤裕喜被告(19)です。
 起訴状などによりますと、去年10月、市内の住宅に侵入しこの家に住む会社員で夫の井上盛司さん(55)と妻の井上章惠さん(50)をナイフで刺して殺害したうえ、次女にけがを負わせ住宅に火をつけたとして殺人や放火などの罪に問われています。
 警察によりますと、被告は夫婦と同居する長女と面識があり逮捕後の調べに対し「好意があったが思いどおりにならず、本人やその家族を殺害するつもりだった」などと供述していました。
 先月、家庭裁判所に送られましたが「凶器を計画的に準備し証拠を隠滅するために放火した。資質や成育過程の問題が影響を及ぼした可能性もあるが反省や謝罪の態度は見られず結果は重大で、刑事処分が相当だ」として検察庁に送り返されていました。
 甲府地方検察庁は、専門家による精神鑑定の結果などを踏まえ刑事責任を問えると判断して8日、起訴しました。
 今月施行された改正少年法で事件当時18歳と19歳の「特定少年」が正式に起訴された場合、実名での報道が可能となり、検察は「重大な事案で地域社会に与えた影響も深刻」だとして今回氏名を公表しました。改正少年法の施行後、初めてです。
 被告は今後、成人と同じように裁判員による刑事裁判を受けることになります。

改正少年法とは
 少年法は成人年齢の引き下げに合わせて改正され、今月1日に施行されました。
 「少年」の健全な育成を目的とする少年法は刑罰を与えることよりも立ち直りを重視して、20歳以上の「大人」とは異なる特別な手続きを定めています。
 成人となった18歳と19歳も引き続き改正少年法が適用されますが、新たに「特定少年」と位置づけられ17歳以下とは一部異なる取り扱いを受けます。
 警察や検察の捜査を受けたあと家庭裁判所に送られるのは同じですが「刑罰を科すべき」として原則、家庭裁判所から検察に送り返す「逆送」という手続きの対象事件が拡大されました。
 これまでは殺人や傷害致死など故意に人を死亡させた罪に限られていましたが「特定少年」については強盗や強制性交、放火など法定刑の下限が1年以上の罪も対象になりました。
 起訴されると大人と同じように裁判が開かれ、実刑が確定すれば立ち直りの教育を行う少年院ではなく刑務所などで刑に服すことになります。
 また少年法では立ち直りの妨げにならないよう名前や顔写真など本人と推定できる情報の報道を禁止していますが「特定少年」が起訴された場合は報じることが可能になりました。
 一方、改正法の付帯決議では「特定少年の健全育成と更生の妨げとならないよう十分配慮されなければならない」とされていて、最高検察庁は裁判員裁判の対象事件など「犯罪が重大で地域社会に与える影響も深刻な事案」を実名公表の検討対象とする考えを示しています。

被告とは
 被告は甲府市内の中学校に通っていましたが、途中から不登校になったといいます。中学校の同級生は「あまり学校に来ておらず不登校だったので、彼の話はあまり聞いたことがなかった」とか「1年生の早い段階から来なくなっちゃったという感じです。中学1年の夏休みくらいの時期はクラスの友達とたまに遊んでいた印象はあるが、それ以降は印象にない」と話していました。
 中学校卒業後は県内の定時制高校に進学し、去年4月からは生徒会長を務めていました。同じ高校の生徒は「すごくまじめに取り組む生徒で、みんなをまとめていたことが印象的だ。生徒会長をしていて学校の活動を積極的に増やしたり、今より明るい学校にしたいと方針を話していた。すごく悲しく、やってはいけないことなのでしっかり罪を償い、自分の犯したことに向き合っていってほしい」と話していました。
 以前、近所に住んでいたという女性は事件について「本当に驚いた。おとなしくいい子で、まさか事件を起こすとは思わなかった」と話していました。

事件とは
 起訴状や警察などへの取材による事件の経緯です。
 去年10月12日の午前3時半ごろ、事件は起きました。現場となった甲府市の住宅には50代の夫婦と10代の娘2人の一家4人が住んでいました。
 数キロ離れた自宅から歩いて来た被告は、住宅の1階の窓を割って侵入したとみられています。そして夫婦の頭などをなたで何度も殴ったうえ、果物ナイフで刺して殺害。その後、鉢合わせした次女の頭もなたで殴ったとされています。
 その後、娘2人は2階のベランダから逃げて警察に通報。
 被告は住宅に油をまいて火をつけたとされ、住宅は全焼しました。
 現場から立ち去った被告は自宅で車に乗り換えて逃走を続けましたが、午後7時ごろ、30キロほど離れた山梨県身延町の駐在所に出頭しました。
 捜査関係者によりますと、出頭した際「人を殺してしまった」と泣きながら話していたということです。警察はその後、放火や夫婦を殺害した疑いで逮捕しました。
 甲府地方検察庁は事件当時の精神状態などを調べるため、去年12月からおよそ3か月間の鑑定留置を行ったあと家庭裁判所に送りました。
 そして甲府家庭裁判所は今月4日の少年審判で「凶器を計画的に準備し証拠を隠滅するために放火した。資質や成育過程の問題が影響を及ぼした可能性もあるが反省や謝罪の態度は見られず結果は重大で、刑事処分が相当だ」として検察庁に送り返す決定をしていました。

 ◎上記事は[NHK]からの転載・引用です
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50代夫婦を殺害し放火した容疑の19歳 検察に逆送決定 甲府家裁
 2022年4月4日 19時08分 
 去年10月、甲府市の住宅で50代の夫婦を殺害し住宅に火をつけたなどとして逮捕され、家庭裁判所に送られた19歳の容疑者について、甲府家庭裁判所は刑事処分が相当だとして検察庁に送り返す決定をしました。
 甲府市に住んでいた19歳の男の容疑者は去年10月、市内の住宅に侵入してこの家に住む50代の夫婦を刃物で刺して殺害し、住宅に火をつけたとして殺人や放火などの疑いで逮捕されました。
 警察によりますと、夫婦と同居する長女と面識があり、逮捕後の調べに対して「長女に好意があったが思いどおりにならず、長女やその家族を殺害するつもりだった」などと供述していました。
 先月11日に甲府家庭裁判所に送られましたが、4日の審判で田村政巳裁判長は「長女に対する逆恨みから殺害を企てていて、計画的で残虐さを極めている。資質や生育過程の問題が影響を及ぼした可能性もあるが、結果は重大で刑事処分が相当だ」として、検察庁に送り返す決定をしました。
 この決定を受けて検察は今後、起訴するかどうかを判断することになります。

 ◎上記事は[NHK]からの転載・引用です
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* 少年法の厳罰化、高まる支持の声 2022/4/7 神戸新聞NEXT 
* 【改正少年法】光市母子殺害、犯行時は18歳30日


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