以前に録音図書で聴いて、拙HP〈読書note〉にもエントリーした永井路子著『薄闇の桜』。掌編で絶版になっており、近くの図書館の全集にも見当たらなかったので、確認しなければならない箇所があったのに放念していた。
本日、近所に駐車の自動車文庫で同カセットを借りたところ、登場人物〈てきすい〉と聴いたものが、カセットのパッケージには〈萩水〉と印刷されていた。製作会社に尋ねたところ、早速回答を得た。〈てきすい〉という読みは正しく、〈萩水〉は誤植で、〈荻水〉と表記するそうだ。この作品は、清孝を失って直ぐの私を深いところで慰めてくれた。http://www.k4.dion.ne.jp/~yuko-k/adagio/hon4-usuyami.htm
また昨日、車でFM愛知を聞いていたところ、先だって読んだ『手紙』、映画のDVDだか、挿入歌のCDだかが、レンタル第一位にランクしているそうで、挿入歌を流していた。何度か聴いたことのあるメロディだった。この本に寄せる感想をK君も手紙に書いてきてくれた。書いてしまえば単純な文面だが、それを生きることは実に険しい道程だ。その道をK君は、日々決心しているようだ。
今月に入ってから、中日新聞朝刊で『恩讐の彼方に』の掲載が始まり、以前から連載の『遊女のあと』も佳境に入り、益々楽しみだ。
『恩讐の彼方に』は、市九郎の心理が清孝に酷似しており、死後6年半を経て、弟の闇を辿る思いがしている。