【自動車産業ニュース】
再編の波、トヨタ静観 グループ結束を重視
2010年4月8日
日産自動車とフランスのルノー、ドイツのダイムラーによる資本・業務提携が7日、正式発表されたが、トヨタ自動車は業界の再編機運とは距離を置き、現体制での収益改善を確実に進める方針だ。(小野谷公宏)
日産・ルノーとダイムラー連合の誕生はトヨタにとって、昨年12月に資本・業務提携したドイツのフォルクスワーゲン(VW)とスズキに続く強力なライバルになる。
2009年の世界販売台数は、VW・スズキが首位で、トヨタは約83万4000台差の2位。日産・ルノーとダイムラーの合計は763万6000台で、トヨタと約17万4000台差の第3位に浮上する。
世界の自動車市場は08年秋の世界同時不況後に激変。生き残りをかけた合従連衡が活発化しているが、トヨタは長年培った産業ピラミッドに変化を与える他メーカーとの提携には消極的。豊田章男社長は過去に「顧客、販売店、仕入れ先とのアライアンス(提携)を強化したい」「今まで大切にしてきたお客さんとしっかり付き合っていきたい」と、グループの結束を軸とする“王道”で、足元の経営基盤強化を図る考えを示している。
一方で、他メーカーに先行するハイブリッド技術の供与には意欲的だ。従来のフォードや装置供給の日産などに加え、3月下旬にはマツダへのライセンス供与を発表し、さらに複数の交渉が水面下で進む。量産による低コスト化と自社技術の標準化を推進し、戦国時代に突入した自動車産業の覇権を狙っている。
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【自動車産業ニュース】
日産・ルノー、ダイムラーが提携発表 次世代車を共同開発
2010年4月8日
【ロンドン=松井学】日産自動車と仏ルノーの自動車連合は7日、独ダイムラーと株式の持ち合いをはじめ、小型車や電気自動車の共同開発など幅広い分野で資本・業務提携すると発表した。相互出資比率は3・1%で、お互いの経営には関与しない緩やかな連携だが、3社を合わせた昨年の世界新車販売台数は763万6000台。独フォルクスワーゲン(VW)・スズキ連合(864万4000台)、トヨタ自動車(781万台)に次ぐ世界有数の自動車グループが生まれる。
ルノー会長を兼務する日産のカルロス・ゴーン社長は同日、ベルギーのブリュッセルで共同記者会見し、「今回の提携によって5年間で20億ユーロ(約2500億円)以上の相乗効果がある」と強調した。エンジンや車台の共同開発や共有化でコスト削減を見込む。また、2013年以降に共同開発の小型車を市場に投入する方針だ。
ダイムラーのディーター・ツェッチェ社長は「小型車での地位を高め、新興市場と先進国市場の両方で新たな顧客獲得を目指す」と提携の理由を述べた。自動車産業の覇権争いは新興国に舞台を移しており、成長市場での販売を加速させて、経営規模の拡大による生産効率の引き上げを見込んでいる。
環境技術では、3社で電気自動車と電池の共同開発を検討する。販売台数を増やすことで価格を抑えた「顧客が買える電気自動車」(ゴーン社長)づくりを目指す。
日産とルノーはダイムラー株を計3・1%取得し、ダイムラーも日産株とルノー株をそれぞれ3・1%保有する。日産・ルノーはダイムラーとの提携に伴って保有株を微調整し、ルノーは日産株の約43%を、日産はルノー株を約15%持つ形になる。
◆3社提携の骨子
▼電気自動車や次世代小型車の開発で協力
▼ガソリンやディーゼルのエンジンを共用し、共同で開発
▼ダイムラーが日産車向けに高級車のエンジンを供給
▼小型商用車の開発で連携
▼日産・ルノー連合とダイムラーがそれぞれ3・1%を相互に出資
▼部品の共通化などでも協力
再編の波、トヨタ静観 グループ結束を重視
2010年4月8日
日産自動車とフランスのルノー、ドイツのダイムラーによる資本・業務提携が7日、正式発表されたが、トヨタ自動車は業界の再編機運とは距離を置き、現体制での収益改善を確実に進める方針だ。(小野谷公宏)
日産・ルノーとダイムラー連合の誕生はトヨタにとって、昨年12月に資本・業務提携したドイツのフォルクスワーゲン(VW)とスズキに続く強力なライバルになる。
2009年の世界販売台数は、VW・スズキが首位で、トヨタは約83万4000台差の2位。日産・ルノーとダイムラーの合計は763万6000台で、トヨタと約17万4000台差の第3位に浮上する。
世界の自動車市場は08年秋の世界同時不況後に激変。生き残りをかけた合従連衡が活発化しているが、トヨタは長年培った産業ピラミッドに変化を与える他メーカーとの提携には消極的。豊田章男社長は過去に「顧客、販売店、仕入れ先とのアライアンス(提携)を強化したい」「今まで大切にしてきたお客さんとしっかり付き合っていきたい」と、グループの結束を軸とする“王道”で、足元の経営基盤強化を図る考えを示している。
一方で、他メーカーに先行するハイブリッド技術の供与には意欲的だ。従来のフォードや装置供給の日産などに加え、3月下旬にはマツダへのライセンス供与を発表し、さらに複数の交渉が水面下で進む。量産による低コスト化と自社技術の標準化を推進し、戦国時代に突入した自動車産業の覇権を狙っている。
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【自動車産業ニュース】
日産・ルノー、ダイムラーが提携発表 次世代車を共同開発
2010年4月8日
【ロンドン=松井学】日産自動車と仏ルノーの自動車連合は7日、独ダイムラーと株式の持ち合いをはじめ、小型車や電気自動車の共同開発など幅広い分野で資本・業務提携すると発表した。相互出資比率は3・1%で、お互いの経営には関与しない緩やかな連携だが、3社を合わせた昨年の世界新車販売台数は763万6000台。独フォルクスワーゲン(VW)・スズキ連合(864万4000台)、トヨタ自動車(781万台)に次ぐ世界有数の自動車グループが生まれる。
ルノー会長を兼務する日産のカルロス・ゴーン社長は同日、ベルギーのブリュッセルで共同記者会見し、「今回の提携によって5年間で20億ユーロ(約2500億円)以上の相乗効果がある」と強調した。エンジンや車台の共同開発や共有化でコスト削減を見込む。また、2013年以降に共同開発の小型車を市場に投入する方針だ。
ダイムラーのディーター・ツェッチェ社長は「小型車での地位を高め、新興市場と先進国市場の両方で新たな顧客獲得を目指す」と提携の理由を述べた。自動車産業の覇権争いは新興国に舞台を移しており、成長市場での販売を加速させて、経営規模の拡大による生産効率の引き上げを見込んでいる。
環境技術では、3社で電気自動車と電池の共同開発を検討する。販売台数を増やすことで価格を抑えた「顧客が買える電気自動車」(ゴーン社長)づくりを目指す。
日産とルノーはダイムラー株を計3・1%取得し、ダイムラーも日産株とルノー株をそれぞれ3・1%保有する。日産・ルノーはダイムラーとの提携に伴って保有株を微調整し、ルノーは日産株の約43%を、日産はルノー株を約15%持つ形になる。
◆3社提携の骨子
▼電気自動車や次世代小型車の開発で協力
▼ガソリンやディーゼルのエンジンを共用し、共同で開発
▼ダイムラーが日産車向けに高級車のエンジンを供給
▼小型商用車の開発で連携
▼日産・ルノー連合とダイムラーがそれぞれ3・1%を相互に出資
▼部品の共通化などでも協力