リサイクル困難な「汚れた廃プラ」 輸出入規制へ国際ルール 2019/5/11 … 日米は対応に苦慮

2019-05-12 | いのち 環境

プラスチックごみ 輸出入規制で日米は対応に苦慮

 NHK NEWS WEB 2019年5月12日 16時24分

 リサイクルに向かない汚れたプラスチックごみの輸出入を規制する新たな国際ルールが10日定められ、国をまたいだごみの移動が一段と厳しく制限されることになりました。こうしたなか、中国が去年からプラスチックごみの輸入を禁止したことによる影響が広がっています。世界で廃プラスチックの輸出量トップのアメリカと2番目の日本は去年、輸出の総量がおよそ30%減り、その分、各自治体で抱える量が増え、対応に苦慮するケースが相次いでいます。

 アメリカのリサイクル業者の業界団体によりますと、アメリカはこの10年間、廃プラスチックの輸出量が世界で最も多く、2016年には194万トン、2017年には167万トンを輸出し、このうち30%から40%が中国向けでした。

 ところが中国政府が国内の環境汚染を理由に、去年1月から主に生活由来の廃プラスチックの輸入を禁止した結果、アメリカからの輸出量全体は去年、107万トンと前年より36%減りました。

 中国向けの輸出だけを見ると89%の減少で、全体に占める中国向けの割合は5%にまで減りました。

 また、廃プラスチックの輸出量が世界で2番目に多い日本もアメリカと似た状況となっています。JETRO=日本貿易振興機構によりますと、日本は2016年は153万トン、2017年は143万トンを輸出し、それぞれ52%が中国向けでしたが、去年は101万トンと前年より30%減り、中国向けが占める割合は5%にまで低下しました。

 アメリカも日本も中国向けが減った一方で、タイやマレーシアなどへの輸出が増えていますが、こうした東南アジアの国々も輸入規制を強めています。

 このためアメリカや日本では輸出が減った分、各自治体が廃プラスチックを抱え込み、その扱いに苦慮するケースが相次いでいます。

■米 回収断念する州も

 プラスチックごみが行き場を失ったことで、アメリカの自治体は対応に追われています。

 南部バージニア州のハリソンバーグ市は、中国の輸入禁止措置以降、ごみ処理業者を確保できなくなったとして、家庭からのプラスチックごみの回収を断念しました。

 ペットボトルなど一部については、市のリサイクルセンターに持ち込めば引き取っていますが、ほかのプラスチック容器は埋め立て処分しています。

 NHKの取材班が訪れると、市民が車を運転してペットボトルなどを持ち込んでいました。

 ハリソンバーグ市のハートマン局長は「もちろん自宅から回収できればよいが、それができないということを市民に正直に言うしかない」と話していました。

 一方、全米でリサイクルが最も進んでいる西海岸のサンフランシスコ市では、リサイクル率を上げるための取り組みを強化しています。

 市と契約しているごみ処理業者が、センサーを搭載した最新鋭の機械を使ってプラスチックごみを透明なペットボトル、色つきのペットボトル、食品容器、レジ袋など8種類に厳格に分別し、徹底的に異物を取り除いたうえでこん包することで、価値を高めています。

 これまでの最大の買い手は中国でしたが、輸入禁止を受けて、今では中国向けはゼロになり、インドネシアやマレーシアなどに輸出しているほか、国内でも売っていますが、焼却処分はしていないということです。

 この会社に27年間勤める広報担当のロバート・リードさんは「市民には汚染を防ぐため、ペットボトルを空にし、食品容器の中身を取り除くよう求めています。解決策はほかの国にプラスチックを輸出することではなく、プラスチックの消費自体を減らすこと以外にありません」と話していました。

■規制強化する州と規制制限する州

 アメリカでは使い捨てのレジ袋やプラスチック容器の利用を制限する州が広がっています。その一方で、規制強化は経済活動を停滞させるとして、利用制限の動きを法律で禁止する州も出始めています。

 ニューヨーク州では先月、プラスチック製のレジ袋の提供を禁止する法律が成立し、来年3月に施行されます。これはカリフォルニア州とハワイ州に次ぐ措置です。

 メーン州でも先月、リサイクルが難しいとして、レストランやスーパーが発泡スチロールを用いた容器を提供することを禁止する法律が成立し、2021年1月に施行されます。全米で初めての措置です。

 カリフォルニア州はことし1月、レストランが客からの要望がないかぎり、使い捨てのプラスチック製ストローを提供することを禁止しましたが、州の議会では今、2030年までにプラスチック容器の提供を段階的に禁止する法案や、ホテルがシャンプーなどを小型のプラスチックボトルに入れて提供することを2023年から禁止する法案が審議されています。

 一方で、こうした規制強化の動きへの反発も広がっています。オクラホマ州の知事は「企業活動を制限したくない」として、州内の自治体がプラスチック製の容器やレジ袋などの提供を制限することを禁止する法案に先月署名し、法律が成立しました。

 アメリカのメディアによりますと、これまでにアイダホ州やウィスコンシン州など、10を超える州が同様の措置に踏み切ったということです。

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リサイクル困難な「汚れた廃プラ」 輸出入規制へ国際ルール

 NHK NEWS WEB 2019年5月11日 6時55分環境

 プラスチックゴミによる海の汚染が深刻な問題となる中、リサイクルに向かない汚れたプラスチックゴミについて輸出入を規制する新たな国際ルールが定められ、さらなる汚染を防ぐ新たな対策として期待されています。

 スイスのジュネーブでは有害廃棄物の国境を越えた移動を規制する「バーゼル条約」の締約国会議が開かれ、10日、日本とノルウェーが共同で提案したプラスチックゴミをめぐる条約の改正案が採択されました。

 これによって、リサイクルに向かない汚れたプラスチックゴミが新たに規制の対象となり、洗浄されていなかったり異物が入っていたりする使用済みのペットボトルや、十分に分別されずほかのゴミも混ざったままのプラスチックゴミなどを輸出する際には相手国の事前の同意が義務づけられることになりました。

 環境省によりますと、改正のねらいは汚れたプラスチックゴミが国境を越えて売買されるのを規制することで各国で洗浄や分別などの処理がより徹底され、リサイクルが進むことだということです。

 国連によりますと、世界の海の中には推計で1億トンのプラスチックゴミが含まれていて、海の生態系だけでなく人体への影響も懸念されるなど、海の汚染が深刻な問題となっています。

 改正された条約は2021年に発効し、プラスチックゴミによるさらなる汚染の防止につながることが期待されています。

■環境省担当者「海の汚染の一要因絶つ」

 条約の改正案が採択されたあと報道陣の取材に応じた環境省の松澤裕審議官は「途上国を含めて世界各国でリサイクルが促進されることになり、海の汚染の大きな原因の一つをその元から絶つことにもつながる」と述べて、改正の意義を強調しました。

 ◎上記事は[NHK NEWS WEB]からの転載・引用です

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100万種 絶滅の危機 「生態系喪失 かつてない速度」国連警告 2019/5/6 

 

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またもプラゴミがクジラの命奪う 胃に40Kgのゴミ飲み込み餓死 2019/3/20

   

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海洋に投棄されたプラスチックのごみ…死んだ鯨の胃から大量に 生物の生態系に深刻な影響 2018/11/22

   

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モンゴルの牧畜の死骸はプラスチックまみれ…腸もプラスチックで詰まって、死んでいった牛は何頭もいた NewsweekJapan 2019/2/9 

     

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