生のみが我等(われら)にあらず、死もまた我等なり 清沢満之
今週のことば 中村薫
2019.11.19 Tue 中日新聞朝刊
仏教は生老病死の四苦を説く。その中で生は私たちの記憶にはない。実は国家・民族・時代・男女そして親も選べなかった。何一つ選べない状況の中で誕生したのである。死もまた死後の世界から帰った人がいないので我々には認識できない。労苦病苦は、現実の生活の中で感じ取ることができる。
老と病は我々の生きる環境に左右される。田端正久・龍谷大客員教授は「今後老化を防ぐ研究が進み、臓器の交換が始まり、脳と機械の融合が進めば、老後が死語になる」(『南御堂』11月号・筆者要約)と言う。不老不死となり、年齢も150歳ほどになるとすれば、世界の状況が一変してしまう。そこでは人間の死因の一番は「自殺」になると指摘される。
しかし、人間の本来の生き方は、長生きだけではないはずである。清沢満之は、生と死は切り離せない。だから死についても考えるべきだと言われる。
(真宗大谷派養蓮寺前住職)
◎上記事は[中日新聞]からの書き写し(=来栖)
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〈来栖の独白〉
>臓器の交換が始まり、
>老後が死語
そうか、そうだなぁ。
>人間の死因の一番は「自殺」になる
衝撃。カトリックでは自殺は禁止されているし、霊能者の中には「自殺した人は天国へ行けず、深い暗黒の中に永遠にいる」と説く人もいる。人間の文明(医学など)の発達の行く先は何なのか。
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