名駅地下に老夫婦の営む古美術品で日本刀を売る店がある。
名古屋出張中、毎朝ドトールに立ち寄ると、その老夫婦も決まって同じ席でコーヒーを飲んでいる。
わずかな出張期間だが、「じいさん眉毛長すぎ!」とか「ばあさん気が強そうだなぁ」なんて思い巡らしながら毎朝老夫婦を見ていると、不思議と知り合いに思えて微笑ましかったりもしていた。
2人はあまりベタベタ会話をしない。
いつも後からじいさんが来て、先にいたばあさんが入れ替わるように席を立つ。
同席している時間は2~3分くらいだろうか。
今日もいつもの様にばあさんが、続いてじいさんがやって来た。
さて、僕はうんちでもしに行こうかと席を立ったところでばあさんがじいさんに、
「今何時(なんどき)だい?」
するとじいさん、
「半額」
………。
慌てて時計を見ると9時30分。
「え」
とつぶやく僕の横をかすめる様にばあさんは店を出た。
残ったじいさんは熱いコーヒーを勢い良く飲み干していた。
「今なんどきだい」「半額」
なるほど、じじばばイキだね~。
「なんどき」「半額」て。
なんだか良いじゃありませんか。
きっとそんなふうに、毎日じじばばの今日が始まり、そんなふうに暮れていくのだろう。
そして、いつかやって来るじじばば終末のとき、ばあさんはよぼよぼの声で、
「じいさん…いまなんどきだい…」
それにじいさんがおもいきり最後の元気を振り絞って答える。
「完売!」
2人は仲良く、でもいたってクールにこの世の全ての仕事を終えるのだ。
そんな事を考え、僕は少し微笑みながらトイレへと向かった。
さて、今日も快便。
めけめけ~。
写真。ガオーッ!
名古屋出張中、毎朝ドトールに立ち寄ると、その老夫婦も決まって同じ席でコーヒーを飲んでいる。
わずかな出張期間だが、「じいさん眉毛長すぎ!」とか「ばあさん気が強そうだなぁ」なんて思い巡らしながら毎朝老夫婦を見ていると、不思議と知り合いに思えて微笑ましかったりもしていた。
2人はあまりベタベタ会話をしない。
いつも後からじいさんが来て、先にいたばあさんが入れ替わるように席を立つ。
同席している時間は2~3分くらいだろうか。
今日もいつもの様にばあさんが、続いてじいさんがやって来た。
さて、僕はうんちでもしに行こうかと席を立ったところでばあさんがじいさんに、
「今何時(なんどき)だい?」
するとじいさん、
「半額」
………。
慌てて時計を見ると9時30分。
「え」
とつぶやく僕の横をかすめる様にばあさんは店を出た。
残ったじいさんは熱いコーヒーを勢い良く飲み干していた。
「今なんどきだい」「半額」
なるほど、じじばばイキだね~。
「なんどき」「半額」て。
なんだか良いじゃありませんか。
きっとそんなふうに、毎日じじばばの今日が始まり、そんなふうに暮れていくのだろう。
そして、いつかやって来るじじばば終末のとき、ばあさんはよぼよぼの声で、
「じいさん…いまなんどきだい…」
それにじいさんがおもいきり最後の元気を振り絞って答える。
「完売!」
2人は仲良く、でもいたってクールにこの世の全ての仕事を終えるのだ。
そんな事を考え、僕は少し微笑みながらトイレへと向かった。
さて、今日も快便。
めけめけ~。
写真。ガオーッ!
江戸っ子だね。
ふじっこだよね。
なかなか味のあるじじばばでした。