時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

ゼロの焦点

2009-11-24 | 映画
見合い結婚で夫・憲一と結婚した禎子
しかし
結婚式から7日後
仕事の引き継ぎのため
金沢に向かった鵜原憲一は
帰ってこなかった



夫の過去を
ほとんど知らない禎子は
夫の消息を追い金沢へと旅立った

憲一の
かつての得意先の社長夫人・室田佐知子
そして
社長のコネで入社
受付嬢をしている田沼久子と出会う



一方
憲一の失踪と
時を同じくして連続殺人事件が起きる
その被害者は
すべて憲一にかかわりのある人物だった

2人の女性との出会いが
事件のさらなる謎を呼ぶ
夫には
自分の知らない別の顔がある…



過去の因縁と決別し
新しい人生を歩みたい
しかし
過去の柵は
決して彼らを解き放ってはくれない

そして新たな悲劇が…


                 

松本清張の作品は
これまでに
数多くドラマ&映画化されていまので
活字で読んだことが殆どありません
まともに読んだのは
『高校殺人事件』『霧の旗』くらいです

そもそも
西島秀俊さん&崎本大海くん見たさで
見ようと思っただけなので
事前の情報はまるでなし

まっさらのまんま映画館へ



強烈な‘昭和’くささを感じました
昭和と言う時代の狭間で
身を削りながらも
希望を捨てず生きてきた佐知子と久子

戦場で
死んでいった友を忘れられず
生きた屍のようだった憲一の前に現れた
観音のごとき笑みを湛えた禎子

それぞれが
ささやかでも幸せな暮らしを始め
明るい未来が続くと思っていたのに…



時代の歪みが生み出した悲劇と
片付てしまうには
余りにも惨い

闇の時代を経て
現代(いま)と云う世界がある
先達の苦労や努力の積み重ねが
あったからこその現代がある

それを忘れてはいかん!



登場シーンは少なかったですけど
西島秀俊さん良かったです

中谷美紀さんはピカイチ
ダントツの演技力でしたよ
自画像を切り裂き
室内に散乱したガラスの破片で傷だらけ!
血まみれになっての鬼気迫る演技




木村多江さん演ずる
久子の切ない感も良かったです

広末涼子さんは
穢れのない清さを秘めた女性を
上手に演じられていたと思います

崎本大海くん…
あんなモンでしょう(笑)


                 

少なくとも
禎子と佐知子の弟・享の二人は
ことの真相を把握していたようですが
本当の犯人が佐知子だったと
公表されたのかどうかが描かれておりませんでした
原作ではどうなんでしょう…

佐知子の夫・室田儀作が犯人のまま
事件解決となるのでしょうか?

個人的には
禎子と享のその後が
どうなって
どう生きていくのかが知りたい!

事件の結末が
どうも明確にされていないようで
若干消化不良感ありです


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