時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

風と行く者:守り人外伝~守り人シリーズ13~

2023-07-29 | 読書
バルサはタンダと訪れた草市で
風の楽人
サダン・タラムと出会う
バルサは
護衛士として彼らに付き添うが
サダン・タラムとの旅は
ジグロと共に彼らを護衛した20年前
15歳の頃の自分を
バルサに思い起こさせるものだった
『炎路を行く者』収録の「十五の我には」は
本作の一場面を抜き出したもの
『天と地の守り人』以来
はじめての長編

守り人シリーズ
11作品目
『流れ行く者 守り人短篇集』を読んで以来
久しぶりに
読みました
順序的に
12作品目の
短編集
『炎路を行く者』読むべきですが
この冬
断捨離した折
処分してしまったようで…

このシリーズは
個人的に
ジョン・ロナルド・ロウエル・トールキンの
『指輪物語』にもまけない
日本を代表する
ファンタジー小説だと
思っています

王の奸計により
父を殺されたバルサが
父の親友ジグロと共に
故国カンバル王国を捨て
用心棒をしながら
暮らしていた時
護衛していた
風の楽人に再開
再び
護衛として
旅に出る訳ですが
ターサ氏族と
ロタ氏族の
わだかまりと言うか
確執と言うか
不信感が
バルサたちを
追い詰めます
代々続く
❛負の連鎖❜は
20年以上
そこに暮らす人間の
心の中から消えてないんです
これって
現実社会にも
共通している訳ですよ

ターサ氏族を束ねる
若き女当主
アール家のルミナは
その連鎖を終わらせるべる
ルミナとクムの母
オリアの兄であり
ロタ氏族の長
マグア家のアザルに
自分の婚儀の延期を
進言しました
20歳の
若き当主ルミナの努力が
一日も早く
実りますよう
願うばかりです
そして
バルサ自身も
前回
うやむやになっていた
部族間秘密を暴き
解決の切っ掛けの
アシストができて
良かった

護衛の仕事を終えたバルサが
タンザの元へ戻って
この物語は幕を下ろしました
ですが
解説の欄で
大矢博子さんが
書かれているように
新ヨゴ皇国の王となった
チャグムの婚礼式に
招かれる話とか
読みたいです