時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ

2017-11-06 | 舞台/役者
コインの裏表をかけながら
森の中を行く
彼らの名は
ローゼンクランツ(生田斗真)
ギルデンスターン(菅田将暉)
ごくごく普通の2人組
デンマークの王子
ハムレット(林遣都)が
どうやら正気を失ったらしい

義父となった国王
クローディアス(小野武彦)が
その真偽を調べるために
ハムレットの学友だった二人を呼び寄せたのだ
自分たちの旅の目的は分かるけれども
その目的をどう果たせばよいのか分からない
ただただ
オタオタする2人のそばを
「ハムレット」の物語は粛々を進み
そして…

自分たちも
物語のひとつとして
なす術もなく
どんどん死が待つ結末に向かって
運ばれていく「誰でもない彼ら」
かくして
運命に流された2人は
「ハムレット」の物語に書かれた通り
この短い台詞によって
存在を完全にかき消されてしまうのだろうか…



生田斗真
「Vamp Bamboo burn〜ヴァン・バン・バーン〜」以来の舞台!
とは言え
共演が
今をトキメク
菅田将暉
何故
菅田将暉
入手困難なチケットが
ますます
取れなくなったではないか!
案の定撃沈
と思いきや
機転を利かせてくれた
友人の協力により
2次先行予約で
取れた
多分
プラチナ級舞台
「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」
行ってきたぜい!

シェイクスピア悲劇
「ハムレット」に
チラッと登場するハムレットの
‘ローゼンクランツとギルデンスターン’
ハムレットの学友
と言う肩書はあるものの
どっちが
ローゼンクランツで
どっちが
ギルデンスターンなのか
認識されていない
‘学友その一’
‘学友その二’的扱いの2人
劇中
ローゼンクランツとギルデンスターン死んだ
の台詞で
片付けられてしまう2人
悲しいかな
永遠に
日の目を見ることの
なさそうな2人に
敢えてスポットをあて
不条理劇として
成立させた戯曲が
「ローゼンクランツとギルデンスターン」



なんでも
器用に
そつなくこなす
菅田将暉が
ドラマや映画で
変幻自在に変化する
あの菅田将暉が
明らかに
みるからに
四苦八苦している!
台詞消化するのに
いっぱいイッパイで
余裕のない
菅田将暉
初めてみたぁ~
アドリブされたら
頭真っ白になって
台詞飛んじゃうんじゃない!?
ってくらい
テンパってた
菅田将暉
初めてみた!
新鮮~~~~

初舞台で
しかも
シェークスピアの
ハムレットがベースの作品の
戯曲は
ハードル高いだろう
と思っていたら
なんと
初舞台ではなかった!
タンブリン(2010年/2011年)

なら
シェークスピア初?
かと思いきや
ロミオとジュリエット
しかも
2012年にマキューシオ役
2014年では
蜷川幸雄演出でロミオ役…

うそぉ~~
すでに舞台経験者

あれかい…

ローゼンクランツが
受け身役的ポシジョンなら
ギルデンスターンは
突っ込み役
必然的に
台詞の量は
ギルデンスターン役の
菅田くんの方が多い

ん~~~
正直
このキャスティング
微妙
菅田くんには
荷が重かったかなぁ~
感情が台詞に載せきれてなくて
客席に放出しきれてない!?
あの菅田将暉が
小さく
まとまっちゃってる
半径1メートル
頑張って1.5メートルの
範囲でしか演技してない気がする
舞台は
テレビや映画のように
カメラが
シーンによって
寄ったり引いたりしてくれない
自分で
演じながら
身体全部と声量で
寄りとか引きを
しなきゃいけない
正直
それに
まだ慣れてないと言うか
対応しきれていない
感じがしました
しかも
この舞台は
台詞で
観客を取り込むタイプ
難易度高い!
もう少し舞台を
経験してからでよくない?
今はまだ
身体の動きと台詞を使って
観客を自分色に染めちゃうような
攻撃的な
内から外に放出するような
タイプの作品に出た方が
良いような…
菅田くんの良さが半減?
もったいない
生かし切れてない!

せめて
ギルデンスターンを
斗真くんがやれば良かったのに

一瞬
思ったけれど
ローゼングランツ役は
観客と舞台の間合い?
を考慮しつつ
ギルデンスターンとの‘間’とか
微妙な緊張感と
抜け感を
醸し出さなきゃいけなので
難しい
実際のところ
斗真くんが出来ていたか
と言うと
これまた疑問…
斗真くんにも
荷が重かったかなぁ~
単なる
‘頭の悪い人’にしか
見えなかった

SISもSIS!
何故に
このキャスティングにしたん?
周囲の思惑に
翻弄されまくり
この先の
自分たちに降りかかるであろう
悲劇を知ってもなお
ただただ
オロオロし
諦め
そして流される
一応
悩んだり考えてる
素振りはあるけれど
あくまで
悩んでる‘風’であり
考えてる‘風’なのです
最後の最期まで
‘○○風’
不条理を描くと言うより
自ら行動することを
放棄する理由を
ダラダラと台詞で
説明しているだけ?
みたいな舞台でした

ただ
このふたり
ローゼンクランツとギルデンスターンの
どこまでも
‘我レ感セズ’‘無関心’な感じ
日本人っぽいんだなぁ~
ローゼンクランツとギルデンスターン死んだ
台詞1行で
サラッと片づけられてしまった
2人の末路と
妙に重なる部分が…

作品の
出来栄えはどうあれ
生田斗真&菅田将暉を
同時に
しかもリアルに
拝められた
だけで満足はできた!
千秋楽あたりでは
化けてる可能性
あるかもね~~
なんてったって
菅田将暉は
未完の器なので!
楽しみな
役者さんです


年齢的に
今は無理だけど
「あわれ彼女は娼婦」とか
菅田将暉挑戦したら
面白そうですね
シェークスピアなら
「ヘンリー四世」とか?