時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

みをつくし料理帖シリーズ10 ~天の梯~ 35

2014-08-21 | 読書
食は 人の天なり
医師・永田源斉の言葉に触れ
料理人として
自らの行く末に決意を固めた澪
どのような料理人を目指し
どんな料理を作り続けることを願うのか
澪の心星は
揺らぐことなく
頭上に瞬いていた

その一方で
吉原のあさひ太夫こと
幼馴染みの野江の身請けについて
懊悩する日々
四千両を捻出し
野江を身請けすることは叶うのか?

厚い雲を抜け
仰ぎ見る蒼天の美しさとは!?
「みをつくし料理帖」シリーズ10巻
堂々の完結です




鼈甲珠で
身請けの四千両を
捻出する散弾はついたものの
話を如何に展開&飛躍させるのか

佐兵衛が
一柳の料理人として
如何に再起するのか
「天満一兆庵」の再興は?

澪と永田源斉の行く末は?

佐兵衛が
料理人として再起するには
登龍楼の抹殺が不可欠!
どう抹殺するのか

個人的には
小野寺数馬を何とか
もう一度くらい
登場させた欲しい

兎に角
残り1巻で
未解決の事柄を
どう絡めて
結びに持って行くか
楽しみでした

二人して店を構え
澪が料理人として
野江がその女将として
共に手を携えていく
そんな未来を予想してましたが

こ~きたか…

澪が
あさひ大夫を
身請けすることによる
弊害が
あるとは思いもよらず
そこを
摂津屋助五郎をはじめとする
旦那衆の
見事な仕切りには
感心しきり

野江となった
あさひ大夫が
大阪に戻ってからも
しっかり生きていけるよう
高麗橋淡路屋を
再興させ
生家が娘を身請けする形で
吉原の大門を
くぐらせるとは…
そこまで尽力する
懐の大きさに
脱帽~

佐兵衛の
料理人としての再起と
登龍楼の息の根を止める
算段を
上手く絡めていました
しかも
影の立役者が
数馬…
道は違えど
言葉は交わさずとも
認め合っている!
束の間の再開にも
救いがありました

そして
源斉先生と澪ですが
源斉先生は
武家ではあれど
医師としての道があるし
元々
数馬と違って
次男坊だし
武士としての身分には
固執していない風でしたし…
澪は
大阪で
料理屋「みをつくし」を開き
源斉先生は
医塾を開講する!
晴れて夫婦~~
医と食の両方で
人の命を守る道を究めんとする!



又次さんの話題が出て
またまた涙なくして読めない
箇所もございました

付録に
料理番付がありまして
東の大関は「つる屋」の‘自然薯尽くし’
西の大関は「みをつくし」の‘病知らず’
番付行司は「日本橋柳町一柳」改め「天満一兆庵」の名が…

もう最高の結びでした
名残惜しい気持ちもありましたが
なんと!
登場人物たちの
その後を描いた特別巻の
構想があるとか!?
太一ちゃんの
絵師としての将来も
気になってましたし
ふきちゃんの料理人としての
行く末もきになってました
もう
嬉し過ぎる朗報です

大変
気持ちよく
読み終えることが出来ました

ごちそうさまでした