時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

9days Queen ~9日間の女王~

2014-03-07 | 舞台/役者
厳格な
プロテスタントのジェーン・グレイは
野心的な父
ドーセット侯爵ヘンリー・グレイと
虚栄心の強い母
フランシーズの元を離れ
ヘンリー八世の未亡人
キャサリンに引き取られる

そこで
家庭教師ロジャー・アスカムと出会い
王女メアリーや
エリザベスとの交わり
キャサリンと
かつての愛人トマス・シーモアとの関係
病弱な
エドワード6世との間に生まれた
ささやかな友情
そして
ブラックバードとの交流など
様々な出来事に触れながら
ロンドンの宮廷で
勉学に励み平穏な日々を過ごしていた

しかし
キャサリンは出産後死去
ジェーンは
親元へ戻ることとなり
幸福な少女時代は
終わりを告げるのだった

やがて
摂政サマセットの政敵
ジョン・ダドリー(ノーサンバランド公)の権力が上昇し
最高権力者にのし上がると
王位継承権を持つジェーンは
彼の息子
ギルフォードと結婚させられてしまう

そんな中
エドワード王の健康が悪化
ノーサランバランド公は
カトリックのメアリーが
後継者となる危険性を解き
ジェーンを
次の女王とする書状に署名させる

エドワード王が死去し
ジェーンは
突然
イギリス女王になるのだと告げられ驚愕する
エドワード王の死の直後に
避難していたメアリーは
自分の即位を認めるように要請するも
ノーサンバランド公は
それを無視してジェーンの即位を発表

しかし
メアリーは
王冠への権利を主張するため
ロンドンに進軍し
多くの支持を得
あっという間に王位を奪還してしまう
メアリーから
改宗を条件に
死刑を回避することを提案されるが
ジェーンはこれを拒否

そして
自らの決断で
断頭台へと向かうのであった…


               

2010年「ジャンヌ・ダルク」
2013年「二都物語」
そして
2014年「9days Queen ~九日間の女王~」
とコンスタントに
舞台でのキャリアを積み上げているのが
堀北真希さんです

「ジャンヌ・ダルク」の舞台では
若干
喉をつぶしていたような~
声枯れしていたような~
そんな風にお見受け致しましたが
今回は
そんな様子は
微塵もなく
頑張っておられました

が…

この作品の主役は
ジェーン・グレイ役の
堀北真希?
いえいえ
家庭教師ロジャー・アスカム役の
上川隆也さんでしょう
絶対的な
存在感と申しますか
メインで
輝くと言った
雰囲気は
正直感じられず…

個人的には
王女メアリー1世役の
田畑智子さんが
雰囲気醸し出してて
良かったと思いますデス

個人の意見や意思を持たず
ただただ
時代に翻弄された
イングランド
テューダー朝第4代の女王
ジェーン・グレイ

その過程を
なぞっただけの脚本なので
歴史の一部を垣間見た
と申しましょうか
あ~そうなんだ
としか
言いようがないです

そもそも
ヨーロッパの覇権争いって
入り乱れてて
理解しずらいんですよ…

イマイチ
盛り上げりに欠けると申しますか
ジェーン・グレイの
心の成長と変化が
見えてこない!
彼女の意思の強さや
叫びが
強く響いてこない

どうしたらいいの
どうすればいいの


それだけを繰りかえす
ジェーン・グレイ
迷い
不安に苛まれ
周囲の思惑に翻弄され
利用されただけの
哀れなジェーン・グレイ

これが
堀北真希版‘ジェーン・グレイ’か!
と言う
インパクトは皆無です
厳しい事を言えば
堀北真希さんが演じた
‘ジェーン・グレイ’に
魅力を感じなかった
感情移入する事もなく
傍観者的に
見ているだけの自分がいました

とは申せ
これは
堀北真希さんの
役者としての
力量が
有るとか無いとかではなく
脚本・演出が
そうなんだから
仕方ないですよね

面白ければ
何でも良いって
モノでもありませんが
劇団☆新感線の中島かずき
NODA MAPの野田秀樹
地球ゴージャスの岸谷五朗
このあたりが
脚色したら
活劇的な動きのある
作品になるだろうなぁ~
と思いながら
観劇してしまいました

そうそう
ロンドン塔に暮らす?
ジェーン・グレイのみならず
イングランドのすべてを
傍観し続ける存在
ブラックバードを担当した
青葉市子さん
この方の
声は素晴らしいです
舞台「9days Queen ~9日間の女王~」の世界を
非常に美しく
演出されておられました