【追体験】・・他人が体験した事柄を解釈作業などを通して、自分の体験として生き生きと捉えること、再現すること。
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我が家には、みみかが遊ぶゲーム機「Wii」がある。
弟夫婦からみみかへのプレゼントである。
早々と「Wii」を購入してしまっていた弟に、会社での業績関連から「Wii」がもらえると判明。
ある日、話の流れで弟はうっかり(?)「ふたつも要らんし、みみかにやるわ!」と口走ってしまった。
弟の軽いノリな言い方に『随分太っ腹!』と私は内心思いつつ、ふとそれが果たしてちゃんと叶えられるのだろうか・・という不安な気持ちにもなった。
何故そんな気持ちになったのか、その時は自分でもよく分からなかったが、とにかくそれからがさあ大変!
「にいに、もう会社からWiiもらったかな?」「みみかにいつくれるのかな?」と毎日のように私に聞いてくる。
電話のたびに「にいに、みみかに本当にくれるかな?」と、母(みみか祖母)にも心待ちの胸を訴える。
もちろん、事あるごとに弟にもせっつく。
よっぽど楽しみにしている様子で、こんなにまでいたくご執心なみみかは珍しかった。
若干、度を越えるほどの執着ぶりのみみかを見て、私はみみかと同じぐらいの頃の自分を思い出した。
その頃、年に何度か仕事の出張で我が家に立ち寄る「東京」の叔父がいた。
「東京」といえば、その頃の私にとっては芸能人がいる大都会であり、大好きな(山口)百恵チャンに会える街だった。
「東京」に行けば必ず百恵ちゃんに会える!そう思っていた幼心いっぱいの時期だった。
そんな私に、帰り際の叔父が軽い口調でこう言った。
「今度、百恵のサインをもらって来てやるよ!」と。
(百恵・・って、軽く呼び捨てしやがってぇ~!今思い出すとなんか腹立つわ~!!)
それでも
『やっぱり東京に住んでいると百恵チャンに会えるんだ~!』そう心から感心するその頃の私だった。
純真無垢な幼心満載の私は、どれほど叔父の来訪を待ち侘びたことだろう。
次に叔父がやって来ることが分かった日、どれだけ楽しみに叔父の到着を待っていただろう。
叔父の到着を玄関先で待ちかまえていた私は、目を輝かせ開口一番「百恵チャンのサインは!?」と、喰らい付くような勢いで叔父に聞いた。
すると、叔父はこう答えた。
「ああ、ごめんな。百恵にもらってくるの忘れちゃったよ。」
「えぇ~・・・」と落胆する私に、叔父は続けた。
「でも、大丈夫!いつでも百恵には会えるから、今度はもらって来るよ」と。
(バカヤロウ~!いつでも会えるだとぉー!?今もって会ったことなんか無いくせに!!)
それでもやっぱり
『そうっかあ~、やっぱ東京ってすごいなあ!いつでも百恵チャンに会えるんだ!!』そう納得してしまうその頃私だった。
その後、叔父がやって来るたび
「百恵チャンのサインは!?」と「ごめんな、忘れちゃった」が繰り返された。
そして、叔父が帰る時には必ずまた同じ『約束』が交わされた。
ある時、本当にもらえるのか不安になり始めた私は「百恵チャンにどこでサインをもらうの?」と叔父に突っ込んだ。
すると叔父は「東京だとそのあたりを百恵はしょっちゅう歩いてるから、いつでももらえるよ」と、道を行き来するジェスチャーを指先で表しながら答えた。
(そんなわけないやんけぇ~!百恵チャンがバレバレであっちこっちウロウロするはずないやん!!)
しかしそれでも
『へー、そうなんだぁ!東京では歩いている百恵チャンをしょっちゅう見ることが出来るんだ!!』と、どこまでも信じてしまうその頃の私だった。
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我が家には、みみかが遊ぶゲーム機「Wii」がある。
弟夫婦からみみかへのプレゼントである。
早々と「Wii」を購入してしまっていた弟に、会社での業績関連から「Wii」がもらえると判明。
ある日、話の流れで弟はうっかり(?)「ふたつも要らんし、みみかにやるわ!」と口走ってしまった。
弟の軽いノリな言い方に『随分太っ腹!』と私は内心思いつつ、ふとそれが果たしてちゃんと叶えられるのだろうか・・という不安な気持ちにもなった。
何故そんな気持ちになったのか、その時は自分でもよく分からなかったが、とにかくそれからがさあ大変!
「にいに、もう会社からWiiもらったかな?」「みみかにいつくれるのかな?」と毎日のように私に聞いてくる。
電話のたびに「にいに、みみかに本当にくれるかな?」と、母(みみか祖母)にも心待ちの胸を訴える。
もちろん、事あるごとに弟にもせっつく。
よっぽど楽しみにしている様子で、こんなにまでいたくご執心なみみかは珍しかった。
若干、度を越えるほどの執着ぶりのみみかを見て、私はみみかと同じぐらいの頃の自分を思い出した。
その頃、年に何度か仕事の出張で我が家に立ち寄る「東京」の叔父がいた。
「東京」といえば、その頃の私にとっては芸能人がいる大都会であり、大好きな(山口)百恵チャンに会える街だった。
「東京」に行けば必ず百恵ちゃんに会える!そう思っていた幼心いっぱいの時期だった。
そんな私に、帰り際の叔父が軽い口調でこう言った。
「今度、百恵のサインをもらって来てやるよ!」と。
(百恵・・って、軽く呼び捨てしやがってぇ~!今思い出すとなんか腹立つわ~!!)
それでも
『やっぱり東京に住んでいると百恵チャンに会えるんだ~!』そう心から感心するその頃の私だった。
純真無垢な幼心満載の私は、どれほど叔父の来訪を待ち侘びたことだろう。
次に叔父がやって来ることが分かった日、どれだけ楽しみに叔父の到着を待っていただろう。
叔父の到着を玄関先で待ちかまえていた私は、目を輝かせ開口一番「百恵チャンのサインは!?」と、喰らい付くような勢いで叔父に聞いた。
すると、叔父はこう答えた。
「ああ、ごめんな。百恵にもらってくるの忘れちゃったよ。」
「えぇ~・・・」と落胆する私に、叔父は続けた。
「でも、大丈夫!いつでも百恵には会えるから、今度はもらって来るよ」と。
(バカヤロウ~!いつでも会えるだとぉー!?今もって会ったことなんか無いくせに!!)
それでもやっぱり
『そうっかあ~、やっぱ東京ってすごいなあ!いつでも百恵チャンに会えるんだ!!』そう納得してしまうその頃私だった。
その後、叔父がやって来るたび
「百恵チャンのサインは!?」と「ごめんな、忘れちゃった」が繰り返された。
そして、叔父が帰る時には必ずまた同じ『約束』が交わされた。
ある時、本当にもらえるのか不安になり始めた私は「百恵チャンにどこでサインをもらうの?」と叔父に突っ込んだ。
すると叔父は「東京だとそのあたりを百恵はしょっちゅう歩いてるから、いつでももらえるよ」と、道を行き来するジェスチャーを指先で表しながら答えた。
(そんなわけないやんけぇ~!百恵チャンがバレバレであっちこっちウロウロするはずないやん!!)
しかしそれでも
『へー、そうなんだぁ!東京では歩いている百恵チャンをしょっちゅう見ることが出来るんだ!!』と、どこまでも信じてしまうその頃の私だった。
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