てんぱっていきまっしょい。

国内旅行をこよなく愛する人間の日記です。でも最近は出かけてないよねぇ。(現在コメントは事前承認制にしています。)

准教授・高槻彰良の推察 シーズン2 3話

2021年11月02日 | 准教授・高槻彰良の推察(ドラマ)

高槻の研究室

高槻と尚哉(青和大学文学部の学生)神宮寺 勇太
背中合わせにお互いを背負って柔軟運動をしている。
そこへ、ドアをノックして学生が入ってきた。
葉山(青和大学文学部1年生・『百物語』の主催者) - 萩原利久 だ。
彼が今年の民族学Ⅱを受講していることを高槻が記憶していると
葉山は喜ぶ。(
生方瑠衣子(高槻の研究室に所属する大学院生) - 岡田結実 が
高槻が一度見たものを忘れないことを説明する。)

文学部1年の葉山と言います。
実は、この前の講義に出てきた「百物語」を実際にやってみたくて
それで、先生に責任者になっていただけないかなぁ・・・。

この話、もう既に飛びつく気満々の微笑みの高槻

素晴らしい。(あ、男の子でも手握るのね、両手で。)
是非やろうっ!

そこへ、常識担当の尚哉が歩み寄る。
先生、葉山君が引いてます。

(ハッ)ごめん。

参加者は?百人集めるの?
興味が出てきたのか、生方まで近寄ってくる。

葉山:いぇ、一人いくつかずつ話してもらって
最終的に百話にしたいと思ってます。

ハイッ、私も参加したいです。(生方、挙手)
院生の生方瑠衣子、参加者に加えて。
私の専門は「結婚にまつわる話」だから、「女の恨み」は得意よっ!

葉山:じゃあ、先輩は是非百話目を話してください。

ハイッ!(高槻、挙手)←いや、アンタもかいっ!
准教授の高槻彰良、僕も参加します。
参加者に加えてねっ!

葉山:もちろん。

手を挙げる両名を、引き気味に見ていた尚哉。
だが、高槻にマリオネットの如く腕を持ち上げられ、巻き込まれて参加することになる。

百物語の会場(古い体育館のような場所)

出入り口前の長机で、参加希望者の受付をしている。
参加者は学生たちがほとんどだが、
尚哉と受付順を譲り合っていた女性
栗本小春(青和大学の食堂の栄養士・『百物語』の参加者) - 田辺桃子
のような大学スタッフも参加しているようだ。
難波要一(尚哉の同級生) - 須賀健太
谷村愛美(尚哉の同級生) - 吉田あかり
も参加しに来ている。
尚哉と違い学内でコミュ力を発揮している難波は、栗本を知っているらしい。

会場に入ると、既に高槻と生方は先に到着していた。
受付をしていた葉山が中に戻って来た。
(受付はまだ1人が来ていないらしい。)
輪になって用意された席の前には、長机が置かれ
一つの机を2~3人で使うようだ。
最初の1話目は高槻が担当し、最終話を生方が担当するため
2人は隣り合って席に座ることにした。
尚哉の場所は3人掛けの席、隣は遅れている人の席で、一つ空けて栗本が座っている。
丁度、高槻と生方の席の対面した位置。時計の文字盤で言う12時と6時の方向。
難波と谷村は、2時辺りの方向。

今回の参加者は、25名。一人4話ずつ話すことになっていると
ロウソクを点けながら、葉山が軽い段取りの説明を始める。

葉山:最初のお話は高槻先生から、お願いします。

百物語の由来から話すことにするね。
百物語をするときは、こんな風に100の明かりが必要となります。
江戸時代に書かれた『伽婢子』(おとぎぼうこ)の中の一遍、
「怪異語れば怪異至る」に、百物語のやり方が記されています。
月の暗い夜に青い紙を貼り、立てた行燈に百筋の燈芯を灯し
怪談を一つ語り終える度に、燈芯を一つ抜いていく。
なぜ、百物語にはやり方が存在するのか、それは

昔より人の云ひ伝へし 恐ろしき事、怪しきことを集め
百話
(ひゃくものがたり)をすれば
必ず 恐ろしき事、怪しき事
有りと云へり

つまり、百物語をすれば
必ず恐ろしい事、怪しい事が起こる。
そう、百物語は百の怪談を以て
(もって)
怪異を招く儀式だからです。
今日、最後の明かりが消えたとき
何か起こるかも知れませんね。

そう言って、高槻が1本目のロウソクを吹き消そうとしたとき
遅れてきた1名が扉を開けて入ってきた。

それは、あの 寺内一(謎のフリーカメラマン)-小池徹平 だったのだ。

葉山に促され、空いている席・・・そう、尚哉の隣の席へとやってくる。
改めて高槻は、1本目のロウソクの炎を吹き消すのだった。

オープニング

佐々倉古書店

健司(警視庁捜査一課の刑事・高槻の幼なじみ) - 吉沢悠 が
新聞記事を切り抜いている。
奥多摩湖にいたとき、ニュース速報で見た埼玉県の行方不明者
橋詰誠が発見されたという内容の記事だ。

黙々と記事を切り抜いている息子を見て
暇なの? と コーヒーを運んできた花江(健司の母) - 和泉ちぬ
が声を掛ける。
暇なワケねーだろ。
花江が散らかっていると思った新聞記事を、健司は整理している
のだという。そっちこそ客がいなくて暇なら、手伝ってくれと向こう側にある
新聞の束を見るようにと健司が頼む。
人が失踪したとか、行方不明だとか、反対に発見されたという記事を
小さくてもいいから探して欲しい、そう言うのだ。

行方不明って、彰良ちゃんと関係ある?
母親の問いに、まだ確信のない健司は
・・・かもな。
そう答えるだけだった。

百物語の会場で

栗本が、子どもの頃聞いたという話を喋り始める。

昔、ある男が京の都で仕事を終えて故郷に向かっていると
男は道で見知らぬ女から声をかけられた。
「この箱を持って行って、私の知り合いに渡して欲しい。」
「でも、絶対に箱を開けないでください。」と女が言った。
男は引き受けたあと、つい好奇心で箱の中身を見てしまった。
箱の中には、くり貫かれた目玉が入っており
気味が悪くなった男は、さっさと箱を渡してしまおうと
女に教えられた橋のたもとで、女の知り合いを待っていたところ
身なりの綺麗な女がやってきて、箱を一目見たとたんにこう言った。
「箱を開けましたね。」
男は開けていないと言い張ったが、女は真っ黒なバケモノに姿を変え
男を川の中へ引きずり込んだ。
それから、男の姿を見た人はいないという。

栗本がロウソクを吹き消すと、次に寺内が話を始めた。

次は僕ですね。
僕の話は、河童にキュウリを盗られた話です。(難波噴き出す)

他の学生は笑い出すが、静かに寺内を見据える高槻を見て
隣にいた生方は、少し心配そうな顔をする。

佐々倉古書店

健司が、「行方不明者の顔写真」「新聞記事」を地図上に貼り始める。
男女、年齢、地域、職業も様々だ。
ピンクの付箋は「行方不明」、水色の付箋は「発見・保護」らしいが
鞍馬で橋詰を含む男女7名ほどが見つかっていた。

百物語の会場

難波と谷村は、4本目のロウソクに差し掛かっていた。
二人とも偶然、行方不明者の話。
難波は、親戚の田舎でしめ縄が切られる騒ぎがあり、その罰が当たったのではという
行方不明者が出た話。
谷村は、祖母の田舎で賽銭箱に落書きをした者がおり、その後行方不明者が出た
という話だった。

寺内:まるで、神隠しですね。

わざとらしい言い回しの寺内に、それを見据える高槻。
その隣で、交互に彼らの顔を見る尚哉。

**************************

その頃、佐々倉古書店の健司はパソコンである言葉を検索していた。

【検索ワード】失踪者 禁忌
Yamoo掲示板
失踪した人は、やってはいけないことをやったってほんとですか?
回答数:なし

**************************

最後に天狗の話をします。
(驚きの表情で、寺内を見る尚哉)
昔、天狗は人を・・・特に子供をさらうと信じられていました。
20数年前のことです。
あるところに、大きなお屋敷に住む男の子がいました。
その子が行方不明になったとき、誰もが身代金目的の誘拐を疑いました。
ところが、犯人からの連絡は何日待っても来なかったのです。
しばらくして、男の子は自宅から随分離れた京都の鞍馬で発見されました。
男の子には、いなくなっていた期間の記憶が無かったそうです。
どうやって鞍馬まで移動したのかも分らない
(生方は心配そうに高槻を見ている。)
昔話の「天狗さらい」と同じでした。
男の子の母親は、戻って来た我が子が天狗の子になったと言って
自分の友人を集めて、男の子を拝み始めました。
母親はお金持ちでしたから、当然そのお友達もお金持ち
男の子は、お金持ちたちの救い主になったそうです。
(子どもの頃の高槻
(幼少期:高橋來)や清花(高槻の母)-高橋ひとみが登場し、
誘拐されるまで~その後のシーンが流れる。)

しばらくして、天狗様は人に会わなくなり
やがて外国に行ったという噂でした。
天狗様は今どうしているかは、知りません。

寺内の声が歪み、尚哉は顔を背ける。
こんな話を人の前でするなんて、尚哉の顔には怒りの表情があらわれ
寺内の横顔を睨みつける。

ロウソクを吹き消そうとして止める寺内。
あぁ、大事なことを話すのを忘れていました。
その男の子が天狗になった証拠が、ちゃんとあるんです。
男の子が見つかった時、背中に大きく翼を切り取った傷跡があったんです。

寺内の話に、
「翼だって。」「マジで怖いんだけど。」
難波たち学生が少しざわつく。
ロウソクを吹き消し、寺内がまた勝ち誇った顔をする。

はいっ!

その時何故か、最後に話すはずの生方が手を挙げる。

順番が変わるけど、私の話も今の話と関係あるから
先に話していいかしら。
席を立ち上がって歩き出し、尚哉と席を交換する。

葉山:いぃや、でも先輩は最後じゃないと・・・。

僕の話とどう関係があるのかな。
興味ありますね。

じゃぁ、話します。
これは、私の友人が体験した話です。
(尚哉が顔を背ける様子を、高槻がチラリと見る。)

彼女は学生です。
ちょうど大学院に進もうとしていて、とても進路に悩んでいました。
文系の大学院を出ると、なかなか就職先が見つからないと聞いていたから。
そして彼女が悩んでいたのは、もうひとつ理由があります。
指導教官のことです。
その人は、とても親切で指導熱心だと評判でした。
でも皆が褒めるほど、学生は簡単に信じていいか分からなくなっていたんです。
ある日、講演会を聴きに行き教官と鉢合わせました。
成行きで一緒に帰ることになったのですが、彼が言いました。
折角だから、この近くにある遺跡を一緒に見に行かない?
ところが、だいぶ歩いて来たところで雨が降ってきました。
その日学生は、白いブラウスを着ていて雨で濡れて下着が透けてしまいました。
それに気づいた教官は

(着ていたスーツの上着を、自分にかけてくれた。)

この教官は、いい人なのかも。
と、思い始めたとき学生はあるものを見て
恐ろしくて固まり始めました。

教官も濡れていて、シャツが肌に貼り付いていました。
そして、透けた部分越しに
大きな・・・翼を切り取ったような跡が
(学生たちが「同じ人じゃね?」ざわつき始める。尚哉は高槻の方を見る。)

学生は、見てはいけないものを見た気がして、身を引きました。
運よくタクシーが通りがかったので、すぐにでも帰ろうと手を挙げましたが
教官が「あれはダメだ。」と言ってタクシーを行かせてしまいました。

学生は、「傷に気づいたことで、教官を怒らせたのではないか
ひょっとしたら、このまま帰してもらえないのではないか。」
恐ろしくなりました。(教官はスマホでどこかに電話をしている。)

逃げ出そうとしたとき(教官は道に出て、タクシーを誘導する。)
彼女の手をタクシーまで引き、すみません、暖房を強くしてもらえますか。
そう言って運転手に頼み、学生に「これ」タクシー代を渡し
「お金は・・・」という学生に「気にしないで」と言ってタクシーを見送った。

あとで気づきましたが、運転手は女性だったのです。
教官は、学生のブラウスが透けていたので、女性のタクシーの運転手を探してくれていたのでした。
(教官はタクシーに手を振っている。)

学生は、教官の優しさに気づきました。
そして思ったのです。
あの背中の傷は、本当に翼を切り落とした痕なのかも知れない。
でも、だとしたらあの人は天使なんだなって。

これまで、険しい顔だった高槻の表情に、穏やかな微笑みが戻り始める。

生方がロウソクを吹き消すと、隣にいた寺内の表情は
少しだけ流れを変えられたといった様相になった。

これにより、最後に話すこととなった尚哉。
という訳で、コックリさんは本当はいませんでした。←(ぇ?

深町、そこは嘘でも居たって言わないと怪談にならないだろ!
難波に突っ込まれて、「んぁぁ~」と返事をする尚哉。
高槻は、笑いを堪えてそれを見ている。

いいから、早く火を消して。
さぁ、何が起こるかな。

尚哉がロウソクの明かりを吹き消す。

・・・何も起こらない。

生方は立ち上がり、出口の扉へと向かう。

じゃ、これで百物語はお

そう言って、閉ざされていた扉を開く。
外はもう夕暮れの時刻だが、暗い場所から見ると眩しいものだ。
生方の指示で、会場の後片付けを皆が手伝う。
寺内は何か自分のペースを乱されたようで、面白くないと言った表情だ。

出口で、栗本と別れた難波と谷村
難波が栗本を「小春さん」と呼んだので、谷村と軽く揉めながら去っていく。
会場に残っているのは、高槻たち3人と葉山。

葉山:今日はありがとうございました。
もう大丈夫ですので、先にお帰りください。

尚哉:え、何か手伝わなくていいの?

葉山:えぇ。

深町君、葉山君は僕たちに居て欲しくないんだよ。

尚哉:えっ?

瑠衣子君が予定とは違う順番で話をすると行ったとき、君は慌てていたよね。
君は、瑠衣子君が最後のロウソクを吹き消した後に
何か怪異を演出していたんじゃないかな。
瑠衣子君は「女の恨みの話をする」と予告していたから
例えば「すすり泣きの録音を流す」とかかな。

葉山:そんなことしても、何にもなりませんよ。

尚哉の表情をチラリと見たあと、頭上に何かあるのを高槻が確かめに行く。

尚哉:あぁっ、撮影してたんだ。
生方:あたしたちを早く帰して、これを回収しようとしてたの?

葉山:「百物語したら怪奇現象が起きた」っていうのをネットにあげたら
バズるかなぁって・・・。(頭を掻く)

葉山の前に歩み出る高槻。
そんなことのために怪異を仕組むなんて、感心しないな。
怪異は奥が深くて、底知れないものだから。

高槻の実家

清花がけだるそうにしている。
塞ぎ込んでいると言った方がいいのだろうか。
執事と思われる男性が、来客があることを告げにやってくる。

今は誰にも会いたくないの。

彰良さんのことだと仰ってますが・・・。

執事が来客を案内するため、玄関ホールにやってくる。
奥様がお会いになります。
そこに居たのは、寺内だった。

*************************

研究室のソファーにうつ伏せで眠る生方。
高槻がそっとブランケットをかける。

高槻のスマホに、葉山から着信が入る。
(生方が起き出す。尚哉は椅子に腰かけている。)

どうしたの?
え、分かった。僕の方で調べてみるから。

通話を終えた高槻に、何かあったんですかと近寄る尚哉。
百物語で、「開けてはいけない箱の話」をした女性覚えてる?
(尚哉と生方、顔を見合わせて「あぁ、はい。」
あの人、栗本小春さんが百物語のあと、失踪したらしい
神隠しみたいに・・・。

エンディング

 

 

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