かめ設計室*3丁目通信

2005年4月より、西新宿にて一級建築士事務所かめ設計室がはじまりました。3丁目からのかめバー通信。

集まれば奇数2

2007年01月27日 | 小 論
 スポーツが奇数を好むことの理由はよくわからない。ただ何となく、割り切れないということが・・・・。
 飛躍すれば、「人間」関係は割り切れない方がいい。
 「時間」は割り切れることにした。季節が一回りする1年を12で割って1月は30日。月が一周。1日を24で割って1時間。60で割って1分。60で割って1秒。
 「空間」も割り切れることにした。赤道から極までの距離を1千万で割ったものが1m。ただそう決めた。
 こんな具合だから1秒にも1mにもさして意味はない。

 戦後に法律上は廃止された「尺貫法」は割り算ではないから割り切れない。手や足といった人間の寸法から始まっているから、どこまでも人間のスケールだ。仕方なく1尺は10÷33=303.0303・・・ということにした。メートル法は割り算でできているけれど、尺寸は倍数の世界。今も変わらぬ職人の世界。割り切れなくても建物は建つ。
 「人間」も「時間」も「空間」も割り切れるものではないし、連続する何かだから、割り切れない方がなんかいい。スポーツも建築もそんな人間がやっていると思って見ているくらいがなんかいい。

集まれば奇数

2007年01月26日 | 小 論
 ラグビーを見に行くようになって、ますます集団競技の魅力を感じている。集団・組織、そういった事への興味も尽きない。
 ラグビーは15人、たぶんスポーツで最も多い。15人+15人=30人が、ひとつの楕円球が動くたびに形を変えていく有機体として見えてくる。その様がとにかくきれい。これは国立競技場の上段から観ているせいかもしれないが、サッカーではそうは感じなかったように思う。

 さて、スポーツの人数、なぜか奇数が多い。
 15人=ラグビー
 11人=サッカー、アメフト
 9人=野球
 7人=ハンドボール、水球
 5人=バスケット、フットサル
 唯一例外はバレーボールの6人。(バレーボールだけがネット越しに敵味方に分かれて戦う、ということで外して考えることにする)
 これはきっと偶然じゃない。でもその理由を考えてもよくわからない。
 ルールが最も多い野球を見ると、これまた奇数が多い。試合は9回。1回は3アウト。1アウトは3ストライク。これらにも根拠は見つからない。
 七人の侍。ゴレンジャー。西遊記。桃太郎。・・・
 今日のところはうまい仮説もない。
 今夜もまた、割り切れない夜を過ごす。

壊れ方指南

2007年01月22日 | 建 築
 資産的なものから消耗品的なものに、捨てさせる方向に向かう。これが情報化社会の仕組みだ。
 リサイクルなんて調子のいい言葉はどうにも好きになれない、とかなんとか言いながら、携帯電話の機種交換もするし、ユニクロで買い物もする。
 愛するオーディオのアンプの調子が悪い。まずレコードプレーヤーのPHONO端子の接続が悪い。メーカーにメンテナンスに来てもらったが、交換部品がないと言う。機種の代替わりが早く、部品の在庫期間は5~6年なのだと説明された。おい、おい、さっき「ご愛用ありがとうございます」って言ったじゃない~。愛用してるさ、20年も。でももう愛用できないじゃないか。
 そう言えば、家もリフォームより建て替える方が安いってよく聞く。
 ハウスメーカーもこうならないとは限りませんか?
 家主「ちょっと、雨漏りがするんだけど、屋根直してよ」
 メーカー「すいません、在庫もう置いてないんで」
 家主「また家買い替えるのかよ~」

身体に合ってる?

2007年01月19日 | 建 築
 人は身体に近くなるほど、モノに対してこだわりを発揮するようです。
 「衣服」を選ぶのは結構楽しいし、いろんな店をまわっては何度も試着を繰り返します。「家具」を選ぶのは新しい暮らしが始まるようで楽しいけれど、衣服のように試着するわけにもいかず、判断が甘くなります。「車」を選ぶのはもちろん楽しいのですが、目移りしだして悩み出すと何となく疲れたり面倒になります。庶民にとって高い買物になるほど、買うという行為にどこか気の重さがついてくるのでしょうか。

 人は身体に近くなるほど、モノに対していい加減ではすまされません。
 「衣服」は少しサイズやデザインが合わないだけでも着なくなります。一枚着過ぎて出掛けただけで一日の気分さえ左右します。「家具」は気に入らないとイヤなもんですが、かといって使えないこともありません。それが「家」くらい大きくなってくると、だましだまししながらつきあっているというのが現状でしょうか。だから住み手も決まっていない建売住宅がこんなに売れるんでしょうか。

 「家」のように高くなれば、「買う」より「つくる」ほうがいい、とも言えるのでしょうか。
 かく言う僕たちは、まだ「借りる」だけでいっぱいいっぱい。

本能は知的です

2007年01月14日 | 見 聞
 小さい頃、スポーツは何でも見た。時間はいくらでもあったから、何かをしながらなんてのでなく、とにかくじっと見た。相撲、野球、サッカー、バレー、スキー、競馬、ジャンルを問わず今よりもかなり詳しかったと思う。好きなチームがある訳でなく、スポーツそのものを見ているのが好きだというのは、その頃から今も変わっていない。
 ラグビーもそのひとつ。大学選手権では同志社が3連覇、それでも社会人7連覇の新日鉄釜石には一度も勝てなかった。しかし同志社を巣立った若者が、神戸製鋼7連覇の立役者となっていく。チームスポーツは選手とともに名監督の存在がある、というところも面白い。

 大学選手権の決勝を国立で観戦した。ノーサイドを迎える頃、西日が国立の芝を本当に美しく照らす。その風景にうっとりしていたら、早稲田大学3連覇の夢は関東学院によって打ち砕かれた。夢は何度でも見ればいい。ラグビーはゴールではなくトライなのだ。

 「ラグビーのゲームは、データよりも感覚で動くものなんです。感覚と言うと、あまりにも頼りない話というか、不確実性があるような気がするけど、そんなことはなくて、ぼくは一番確実だと思う。そこに自分の経験や考え方も全部含めて、ぱっと瞬間的に出てくることは、それを本能ではじき出しているところがあるんですよ。逆に時間がありすぎると、余計なことを考えてしまうからダメなんです。テンポの速いゲームのほうが考えさせてくれないからいいんです。」
 スポーツの見方そのものは、小さい頃に比べて変ってきただろうか。

今年もかめバー、オープン

2007年01月09日 | かめ 会
 ありがたい事に多くの方々が、新年のご挨拶にと、かめバーを訪問してくれました。
 はるばる北海道は標茶町からも、今年新築予定のお施主さんファミリーが、一歳になる子(むねどん)を連れて来てくれました。奥さんの友人も横浜から差し入れを持ってかけつけてくれたり、床暖房のおじさんも年賀の酒を持って説明に来てくれたり、にぎやかに一日が過ぎていきました。  
 大島さん、遠いところ来ていただいてありがとうございます。今日から実施設計作業に突入です!

 献立テーマは、なんちゃって京料理 
 1 柿とゆずの大根巻き
 2 揚げ豆腐
 3 鶏とヤマイモの肉団子あん
 4 白菜とタラの重ね蒸し
 5 七草がゆ
 6 玄米スープ(辰巳芳子より)
 差入れ
 7 崎陽軒のシュウマイと肉まん
 8 ケーキ
 9 焼酎 

 みなさまも新宿方面にお越しの際は、お気軽に「かめバー」にお立ち寄り下さい。今年はオーディオ機器の充実をはかる予定です。

かめは未来がわかるのか?

2007年01月06日 | 仕 事
 『モモ』(ミヒャエル・エンデ)の中で、盗まれた時間を取り戻すため、主人公モモを時間の国へとみちびいていくのがカシオペイアという亀です。この本の副題は「時間どろぼうと、ぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子の不思議な物語」。カシオペイアは未来がわかる。といってもただ30分先に何がおこるかがわかるんです。のそのそ歩いているだけなのに別次元を進んでいるように、マイスター・ホラのところまでモモを連れて進む。

 昔から亀は時間を超えていく象徴らしい。
 でも30分先がわかるからと言って、未来を変えようとはしません。ただ未来を受入れて、進みます。ただ進みます。かめ設計室も、進みます。どうぞよろしくお引き立てのほど、お願い申し上げます。
 かめ設計室一同