かめ設計室*3丁目通信

2005年4月より、西新宿にて一級建築士事務所かめ設計室がはじまりました。3丁目からのかめバー通信。

流行建築通信30/Bring It On Home To Me

2007年07月29日 | 流行建築通信
If you ever change your mind
About leaving ,leaving me behind
Baby
Bring it to me
Bring your sweet loving
Bring it on home to me

I tried to treat you right
But you stayed out
Stayed out at night
But I'll forgive you
  (1962年 SAM COOKE)

女は去り、男が傷つくのがソウルなら
女を残し、男が去るのがジュリー。
あぁ、青春のスウィートソウルミュージック。
今年も南の浜で、あの歌が聴けるだろうか。

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今夜、すべてのバーで 8

2007年07月27日 | かめ バー
 ヘビやトカゲには、退屈も暇も関係ない。どうも自分が自分であるという意識が無いんだそうだ。ということは怒ったりする情熱も、生きているという観念も、もちろん罪と言う意識も無いのだろう。アダムとイブが初めて善悪を与えられたと言うのだから、そんなことは随分前から分かっていたという事になる。
 くだらない事ばかり書いてこれで300件。ヘビやカラスに言わせれば、人間は何をぐだぐだ考えているんだ、となるのでしょう。言葉なんか覚えるんじゃなかった、と言った詩人もいた。

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流行建築通信29/一本道

2007年07月24日 | 流行建築通信
僕は今 阿佐ヶ谷の駅に立ち
電車を待っているところ
何もなかった事にしましょうと
今日も日が暮れました
ああ中央線よ空を飛んで
あの娘の胸に突き刺され
  (1973年 友部正人)

子どもの頃に聞いた歌に焦がれて、
阿佐ヶ谷に住んだことがあると話してくれました。
それはきっとこんな歌ではなかったでしょうか。
初めて会った時からなつかしい感じのする大先輩。
先日はごちそうさまでした。楽しかったぁ~。

今日も一日が終わろうとしています
しんせい一箱分の一日を
指でひねってごみ箱の中

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今夜、すべてのバーで 7

2007年07月23日 | かめ バー
 街を歩いていて本屋があると、つい入ってしまう。目的なんかほとんどない。買いたい本がある時は買ってすぐに出て来てしまう。むしろ目的もなく入った時の方が面白い。こういうのっていろんな事に言えるんじゃないかと考えながら、また本屋に入る。

 井上陽水は何月何日どこどこでコンサートという予定が入っているのが耐えられなくなることがあると言う。そうかと思えば手帳に予定が埋まっていないと落ち着かないという人もいるらしい。暇は無益だと思っているんだろうか。 

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標茶の家

2007年07月19日 | 仕 事
 標茶町の家は大工工事が下地から仕上工事に進む。遠方の仕事が多い私たちは、いつもの事だが初めての工務店,初めての大工とつき合う事になる。
 実施設計をしている頃、工務店をどうやって探そうかと考えていた。標茶町を見渡してもサイディングばかりで、好む家が見当たらない。お施主さんと釧路まで行って町中の家を見て回った。電話帳や広告などに頼らず、自分たちの足で探す事にした。
 釧路も例外でなく、ハウスメーカーのよく似た家が展示場のように並ぶばかりだ。それでも一カ所、何やらおかしな塀の工事をしている現場が目に止まった。職人さんに声をかけたところ「いやぁ、こんな変わった仕事してるのは大抵ウチだよ」とニコニコ話してくれた。職人の笑顔に誇りを感じとった二人は、イケるっ!と顔を見合わせた。その直感は当たった。

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流行建築通信28/PianoMan

2007年07月14日 | 流行建築通信
He says, "Son, can you play me a memory
I'm not really sure how it goes
But it's sad and it's sweet and I knew it complete
When I wore a younger man's clothes"
 若いの、思い出というやつを弾いておくれ
 どんな曲だかよく覚えちゃいないが 
 ちょっと甘くて、ほろ苦い味のするやつさ
 あぁ、若い頃はしっかり覚えてたんだが…
    (1973年 Billy Joel)

 窓の外は一日雨が止まないので、ひとりでレコードを聴く。今夜はちょっと甘くてごめん。
 当時NHK-FMで「朝のポップス」という番組をやっていた。エアチェックには欠かせない番組だった。標茶の住宅のお施主さんとは同じ年で生い立ちも似通っていて,この辺りの話題はぴったり合ってうれしい。DJ若宮てい子で、番組が始まると「マイライフ」がいつもかかっていた。これを聞いてから学校に通う。
 「ピアノマン」という曲には、本人はもちろん、ジョンがバーテンで、ポールは小説家で登場する。ジュリーでしか知らなかった大人の会話をまた見つけては、背伸びしていた。

And they sit at the bar and put bread in my jar
And say, "Man, what are you doin' here."
 客はカウンターに座り 俺の広口瓶にチップを入れて言う 
 「ところでお前、ここで一体何してるんだい?」

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3丁目のカラス 2

2007年07月12日 | 見 聞
 この頃カラスは早朝から騒がしい。2羽づつ行動している気がするが、意外に制空権は狭い。夕方また集まってカァカァ鳴いて、明治神宮の森に帰っていく。
 カラスは鳥目じゃない。日が暮れても飛んでいる。本当は鳥はほとんど鳥目じゃない。鳥や魚は派手な色をしているものが多い。色も識別している。
 暗闇で光る目を持つ猫は、どうもあまり色を識別していないらしい。そういえば犬や猫や馬などは結構地味な色が多い。ほ乳類はもともと夜行性だったので色もない世界だ。進化の割には寂しい世界。
 夜行人間は地味な服を好み、昼行人間は派手な服を好んでいるかもしれない。夜行人間は野生の本能なのだろう。僕はもう眠い。

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所沢聖地霊園

2007年07月10日 | 建 築
 所沢聖地霊園に行った。池原義郎の設計によるが、今井兼次の影響が多分に感じられる。その向こうのグンナール・アスプルンドと言った方がいいか。大地と白い壁だけに還元した上で、ディテールの勝負を挑んでいる。
 久しぶりにちゃんとした建築を見た。あぁ、よかったなぁ、建築家ってこんな素敵な芸ができるんだよ。単発ネタに走っているのはお笑い界だけじゃなく、建築界だってそうだ。そんなご時世だけど前向きになれた。

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飯岡千江子 版画展

2007年07月08日 | 見 聞
 飯岡千江子さんの版画展が銀座の画廊で行われている。
銀座並木通りの一角、ビルの8階で、静かに、銅版画やペン画等細やかな質感の作品が並ぶ。
この絵はメゾチントという技法で刷られている。黒に溶けていく質感がとても美しい。雑誌や印刷モノを多く目にする日常、この果てしなく手の込んだ現物を見ると、はっとさせられる黒への世界がありました。
 主婦業のかたわら、毎日必ず何時間も部屋にこもり、とにかく描きまくるのだと聞いている。描きためた作品は数知れず。今回はごく一部だったが、もっとたくさん見てみたい。

7月14日(土)まで 銀座「村越画廊」にて開催。→ 飯岡千江子 版画展
11日(水)はご本人在廊との噂です。

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3丁目のカラス

2007年07月05日 | 見 聞
 あんまりな話題だが、3丁目にはカラスがいっぱいいる。明治神宮が東京のカラスのねぐらになっているらしい。
 北海道の現場に通っていて気がついた事だけど、標茶町のカラスはガァガァと鳴いている。ガァガァと鳴くからなんだか怖い。何もない広い公園で弁当を広げたら、一瞬油断したスキに弁当をカラスにつままれた。自分が昔話の正直じいさんのようでおかしかった。まったく侮れない。
 東京のカラスはカァカァと鳴く。その事をお施主さんに聞いてみると「えっ、そうなの?」と興味もなさそうだった。なぜか気になり調べてみたらやっぱり田舎のカラスはガァガァと鳴き、都会のカラスはカァカァと鳴くらしい。カラスの種類が違って、前者はハシボソカラス、後者はハシブトカラスなんだって。
 ハシボソカラスはエサをその場で食べるが、ハシブトカラスはエサを安全な場所へ持っていってから食べると書いてあった。昔話のいじわるじいさんなら弁当の仕返しを考えるところだ。

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酒のつまみはスポーツ談義

2007年07月01日 | 小 論
 先週末、ジュニアオールブラックスと日本代表の試合を秩父宮ラグビー場で観戦した。ハカを見れなかった上に、勝負は3-51の大敗だった。フランスワールドカップまであと2ヶ月。会場でもらったパンフには、WE MUST BELIEVEと書いてあった。
 前半30分頃まで3-0と日本優位で試合は進んだが、そんな時でも相手が手を抜いているんだろうと、どうしても思ってしまうところがある。
 20年前はサッカー日本代表もそういう目で観戦していた。親善試合でアルゼンチンに善戦していてもどうせ相手が本気じゃないのよと思っていた。国際試合の場合,特にそれがスポーツであればほとんどの日本人は,今もそんな風に見てはいないだろうか。

 始まる前にほとんど決着はついているかのようだ。高校野球で伝統校が甲子園に出てくると強いというジンクスも、そういう感情を対戦相手が勝手に抱いてしまうからだろうか。
 ジーコは日本代表の得点力不足についてこう話す。シュートの時はゴールキーパーよりフォワードの方が有利なんだから慌てなくていい。でもね、理屈と感情が一本線でつながっていないから苦労しているのだ。
 サッカーワールドカップでブラジルから一点を取った玉田が「あれでブラジルを本気にさせちゃったかな」と言った情けない発言の根は意外に深い。これは自分の中から生まれた感情というよりは、知らぬ間に植え付けられている典型的な反応のような気がする。

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